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勇者になる直前の記憶がない私、なぜか魔王の側近メイドと旅をする  作者: 美堂 蓮


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勇者と女神

私は怒りに身を任せないよう、右手をギュッと握りしめながら尋ねる。



「どうして私の記憶を封印したのですか?」

「魔族と仲良くしていた記憶なんて、勇者には不要でしょう」



当たり前のことを聞くなと言わないばかりに冷たくあしらう。

そして肩をすくめながら話を続ける。



「結構頑張ったんですよ。あなたの記憶を念入りに封印するのは。それにもかかわらず、結局、魔族を殺せないと聞いた時はどれだけがっかりしたことか。この数年、魔族の数は増えていますし、本当に勇者として何の役にも立たないのですね」



私は、左手もギュッと握った。

腹の中が煮えくり返っている。

こんな屑を見抜けず、女神様と崇めていた私自身に。



「さっさと記憶を返してください」

「お断りします。どうして役に立たない勇者の言うことを聞かないといけないのですか?」

「なら、私もあなたの言うことを聞く必要はないので、これまでと一緒で自由にしますね」

「であれば、勇者を辞めてその能力を返してくれたら記憶を戻しましょう。いかがですか?」

「記憶を奪った張本人の話を聞いて、信じて返してもらえるとでも思っているのですか?」

「まぁ、そうでしょうね。でも、わたしにはこういうこともできるのです」



パチン!



女神は指パッチンをした……が、何も変わらない。



「今、あなたの復活ポイントを魔界の完全ランダムなところに変更しました。以前は帰って来てもらうことも考えて、魔王城近くまで飛ばしたのですが、私にもどこに飛ぶかわかりません」

「つまり、次死んだら……」

「魔界のどこかで復活するでしょうが、今回のように誰も助けてもらえず、野垂れ自ぬか、凶暴な魔物にも殺されることでしょう。そして何度も何度も至る所で死に続け……気がくるって死にたくなってたら勇者の能力を返すことになるでしょう」



ハハハハハ!!!

女神はこれまでの優し気な顔ではなく、邪悪な顔でゲラゲラと笑い始めた。

私は、吐き捨てるようにいった。



「このゲスやろうめ」

「いくらでも言いなさい。勇者の能力を返さないあなたが悪いのですから……あと、別に今はその勇者の能力も必要ないので」

「どうして?」

「だって……」



女神は初めてずっと近くで立っていたリリィの方を見てニタァと笑う。



「魔王がいないでしょ。この世界の理として魔王は勇者にしか倒せない。だけど、その魔王がいないのであれば、勇者も必要なくなる……だから、勇者の能力は必要ないかな」

「なるほど……だから、アイクに私を殺させたってわけか。勇者がいなくてもうまくいくから」

「ご名答!!」



パチパチと馬鹿にしたような感じで女神が手を叩く。



ゴォ!!!!



横からリリィが怒りに顔を歪ませながら、女神をなぐろうとした。

その音が音速を超えているのか、拳が風を切る音が響く。

だが、空を切った。



「本当に、魔族の方は脳みそが小さいですね。あなたみたいなゴミが私に触れることができるとでも?」

「……」



リリィが何も言わず唇を噛みしめる。



「あなた方とは次元が異なるのですよ……とはいえ、私からあなた方を滅ぼせないのは残念で仕方がないですが」



その言葉を聞いた瞬間、私の口から言葉が出ていた。



「絶対に……私があなたを殺すわ」

「ははは!!面白いことを言いますね。勇者が女神である、わたくし殺す?魔族すら殺せない負け犬が吠えるのがこれほど面白いものだとは思いもしなかった!!」



ゲラゲラと女神が笑う。

そしてスッと笑顔が消え、低く小さな言葉で話す。



「アイク、これで終わりじゃないでしょ?」



ずっと黙っていたアイクが消えるような小さな声で答える。



「……はい」

「さっさとこの先にあるラディアを必ず滅ぼしなさい。これは女神の命令です」

「……わかりました」

「では、クロ。お元気で……もう二度と会うことは無いと思いますが」

「そうですね。私もあなたには二度と会いたくないです。次合うときは……必ず殺すから」

「それは楽しみですね。では……また」



女神のいるところに再び光が集まる。

光った……と思った次の瞬間にはそこには誰もいなかった。

アイクは立ち上がり、私たちの方を見る。



「こうなった以上……何が何でもラディアの町は滅ぼさせてもらう」

「でももうあなた以外、誰もいないよ?僕が全員やっちゃった!」



さっきまで居なかったメルナがトコトコと歩きながらこちらに来る。



「久々にこの体で戦ったから、時間かかっちゃった……ホント、体が鈍るのって嫌だね。見た感じ、クロがアイクをやっつけたってことかな?で、誰ももういなさそうだけど、どうやって僕たちを滅ぼすつもり?そこのお兄さん」

「……これが全員だと誰が言った?」



アイクはサッとサーフィアの町の方を見る。

私もその同じ方向を見た。



音はまだ何も聞こえないものの……

何か、銀色の物体が近づいてきているのが分かった。



「ま、まさか」

「確かに俺と先陣部隊はやられたようだが、本陣の今から到着ってことさ」



さっきの三倍ほどの兵士の列がはるか遠くからゆっくりとこちらに歩いてくるのが見えた。

ここまで読んで下さりありがとうございました。

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