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勇者になる直前の記憶がない私、なぜか魔王の側近メイドと旅をする  作者: 美堂 蓮


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クロとアイク 二度目の戦い①

体を少し動かして待っていると、ザッザッと音が聞こえ始めた。

その先頭にいるのは……もちろん、アイクだ。

私も一歩前に出る。



「ちょうど一時間後だ。覚悟は決まったか?」

「覚悟?あなたこそ、逃げ出すときの言葉は決まったの?」

「逃げ出すときの言葉はそもそも持ってないけど、戦い終わった後に王様に報告する言葉は決まったかな」

「勇者クロに勝てませんでした……って?」

「いいや、勇者クロはもう二度と帰ってきませんって」



アイクは手を挙げた。

すると、後ろからぞろぞろと甲冑を身にまとった兵士が剣を持って現れた。

……パッと見た限り、二百人ぐらいはいるだろう。



「そこにいるメイドと少女をやれ。勇者クロは……俺がやる」



アイクは手を下げる。

その瞬間、一斉に兵士がリリィとメルナめがけて走り始めた。



「ふふふ。威勢のいいこと。わたくし達も少しお仕事いたしましょうか」

「ねぇ、リリィ。どっちが多くやっつけられるか勝負しない?」

「えぇ、いいですよ。とりあえず、百人やっつけたらお話しに行きますね」

「わかった~そしたら……行くよ!!」



メルナは敵を引き付けるためか、私から少し遠くの場所をめがけて走り始めた。

それを眺めつつ、リリィがこちらを向いた。



「クロ様」

「なに?リリィ」

「必ず……躊躇せずに完膚なきまでに叩き潰してきてくださいね」

「わかった……ありがとう」

「ふふふ、ではわたくしも行ってきます!」



そう言うと、リリィも私やメルナと被らないように少し離れた場所に素早く歩いて行った。

少し経つと、剣のぶつかる音や魔法の飛び交う音が一面に響き始める。



私のいるところには、アイクだけが残った。

目の前にいるアイクが剣を構える。



「さーて。我々も戦いますか」

「えぇ。そうね」



私も剣を構えた。

なまくらで何も切ることができない、『不殺の勇者』を示す勇者の剣を。

次の瞬間、アイクは一瞬で距離を詰めて剣を振り下ろしてきた。



ギン!!!



ギリギリのところで剣を当て、はじく。

そのまま何度もアイクが攻撃を重ね、それをすべて剣で受け止める。



「攻撃を受けているだけじゃ、勝てないぜ!」

「えぇ、わかっているわ」

「そうかい……なにもそっちから無いなら、さっさと決めさせてもらおうかな!!」



アイクは強くはじき、大きく距離を取った。

すると、剣を握っていない左手で剣の側面をスッとなぞる。

剣の側面に真っ赤な模様が現れ……剣が炎に包まれた。

余りにも美しく、見とれてしまう。



「綺麗……」

「剣に俺の魔力をこめて剣に炎をまとわせて威力を上げる技。あんたには見せたことなかったと思うが」

「見たことないわ。そんな技、いつ覚えたの?」

「あんたを殺すと決めた日から、死ぬ気で身に着けた」

「つまり、その技は……」

「お前を殺すためだけに生み出した技さ」



距離が離れているにもかかわらず、アイクはその場でバットのスイングのような感じで大きく剣を振りかぶった。



――これはヤバイ!!



そう思った瞬間、考えるよりも先に私は身を屈ませる。

そのままアイクはそのまま剣を振るった。



ゴォ!!!!



炎が飛んでいく音と主に、私の頭の上を巨大な炎の斬撃が高速で飛んで行った。

そこにたまたまあった背の高い木が、炎に包まれることなくスパッと切れて倒れた。



「良く避けたな。炎の斬撃を」

「直感よ。あなたが無意味に振りかぶるとは思えないから」

「まぁいい……一発目は見せるため。次のこれは避けれるのか?」



アイクはそのまま剣をぶんぶんと振り始めた。



「『焔ノ舞(ほむらのまい)』!!」



さっきの技と異なり飛んでくる斬撃は小さいものの、細かい炎の斬撃が無数に飛んでくる。

私はその斬撃を剣で弾きながら受ける。



ザクッ!!



取り損ねたいくつかの斬撃が足をかすめ、スパッと切れる。

血が滴る。



「なぁ、さっきも言ったけど、攻撃を受けているだけじゃ勝てないぜ。どうするよ」

「……ようやく覚悟が決まったの」

「なんの?」

「あなたを倒す、覚悟が!!」



私は左手に剣を持ち換え、右手を空に掲げる。



嵐牙ストームファング!!」



私の目の前に少し小さめのボールサイズの風の渦がいくつもできる。



そして、どこからともなく飛んできた木の葉が引き寄せられるかの如く、その渦に近づいていく。



スパッ……



木の葉はその渦に触れた瞬間、真っ二つに切れた。

私は右手をアイクの方に伸ばした。

すると、風の渦はアイクの方に勢いよく飛んでいく。



「くっ!!」



アイクは風の渦をよけつつ、当たりそうなものは剣で弾こうとする。



ギン!!!



風の渦は逆にアイクの剣を弾きあげた。

そして顔の傍を風の渦が通り抜けていく。

通り抜けた顔には一筋の血の線が刻まれていた。

その血を服で拭いつつ、信じられないという顔でこちらを見てきた。



「お前……確か雷の魔法、それも『雷槍』しか使えなかったんじゃないのか?」

「それが実は風の魔法も使えたのよ」

「そんなハズは無い。勇者パーティーで何度も確認したはずだ。火、土、水の魔法がからっきしなお前が、どうしてそんな高等魔法が使えるようになったんだ?いや、そもそもこんな短期間で新しく覚えれるわけはないはずなのに……」



混乱しているアイクに対して、私は首を横に振った。



「何度も言わせないで。私はこの魔法を昔から使えたの。ただ……忘れていただけ」

「前の話は本当だったってこと……なのか?その上、もう記憶が完全に戻っただと?」

「まぁ、信じてもらえないと思っていたけど。あと、記憶も全然戻ってない。ほんの少しだけ思い出したってぐらいかな」

「そうかい。ちょっと思い出しただけでこれか……なら、完全に思い出す前にお前を殺さないとな!」



アイクは炎の剣を構えた。

私の目の前には再びいくつもの風の渦が浮かぶ。

そして、空中に浮かんでいた風の渦をすべてアイクの方に飛ばした。



「甘いわ!!『焔ノ舞(ほむらのまい)』!!」



アイクもさっきと同じ小さな炎の斬撃を飛ばしてきた。



ガキン!!!!



炎の斬撃と風の渦がぶつかると、高音の擦れる音と共に宙で霧散した。

私の飛ばした風の渦は全て炎の舞の斬撃で落とされる。

唇を噛みつつ、再度右手を前に出して叫ぶ。



嵐牙ストームファング!!」



次は、目の前一面を覆う数を出す。

そのままアイクの元に飛ばした。



「なぁ……これだけか?」



アイクは残念そうに話してきた。


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