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脳筋消防士、死んだら神にスカウトされた  作者: antomopapa


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第78話 再教育開始



天界・簡易収容区画――

その一角に、不穏すぎる施設が出現していた。

「……な、何だこれは……」

ハイエルフ代表が、引きつった顔で呟く。

壁一面に貼られた札。

【再教育エリア】

【※知性と筋肉は比例する】

【※例外はない】

【※逃げると増える】

「最後の一文、どういう意味だ!?」

その瞬間。

「おはようございます、受講生のみなさーん!」

やけに明るい声と共に、

統括が正義君で滑り込んできた。

「今日から始まります」

「再教育プログラム第一段階」

ぱちん、と指を鳴らす。

「筋トレだ」

「「「は?」」」

一斉に素っ頓狂な声。

「なぜ我々が……」

「知性の民である我らが……」

「筋肉など……」

「はいストップ」

統括は即座に遮る。

「知性で世界樹は支えられなかった」

「だから今から、支えられる体を作る」

「理論?」

「あとでいい」

「まずは――」

背後のシャッターが開く。

中から現れたのは。

・異様に巨大なダンベル

・床一面のマット

・意味不明な回数表

・そして――

「お仕置き、準備できてるよ」

三首の神獣、ケルちゃん。

尻尾ぶんぶん。

「筋トレ?」

「楽しいやつ?」

「痛いけど?」

「……何だこの犬」

次の瞬間。

「燃やすぞ?」

「「「!?」」」

「冗談だ」

「でも、サボったら本気だ」

統括は笑顔だった。


第一種目:スクワット(責任の重さ)

「はい、全員スクワット100回」

「無理だ!!」

「じゃあ50回」

「それも――」

「じゃあ10回」

「……いける?」

「終わるまで次に行けません」

開始。

「……っ」

「な、なんだこれ……」

「足が……」

ダークエルフが呻く。

「重力、調整してるから」

「責任の重さと同じだ」

「軽くない!!」

「そりゃそうだ」


第二種目:腕立て(言い訳禁止)

「次、腕立て伏せ」

「我々は魔法職だぞ!」

「魔法は甘え」

「腕立て20回」

「……くっ」

5回目。

「もう無理……」

「回復する?」

ハナがにこっと笑う。

「治すけど」

「筋肉痛は残すよ」

「鬼か!?」

「天使だよ?」


第三種目:プランク(現実直視)

床にうつ伏せ。

「この姿勢を維持」

「時間は――」

タブレットを見る。

「反省が終わるまで」

「基準が曖昧すぎる!」

「じゃあ永遠」

「やります!!!」


途中経過

床に転がるエルフたち。

「……森を守れなかったのは」

「……俺たちが、動かなかったからだ……」

「はい、1分追加」

「なぜ!?」

「今、気づいたから」


監督席

少し離れた場所。

エレブスが、

いつもの黒のブカブカタンクトップ姿で腕を組む。

「父上……」

「これは……教育なのですか……?」

「そうだ」

統括は頷く。

「責任は、体で覚えた方が早い」

「……尊敬します」

「あとで一緒にやるか?」

「やります!」


最終種目:持久走(逃げない練習)

トラック出現。

「逃げないための練習だ」

「走れ」

「何周!?」

「森一周分」

「死ぬ!!」

「死なない」

「回復ある」

「余計怖い!!」


終了後

床に大の字。

「……もう……逆らいません……」

「うん」

ケルちゃんがうなずく。

「筋トレ、楽しかったね」

「「「楽しくない!!!」」」

「えー?」

「次は重り増やす?」

「やめてください!!」


統括は満足そうに頷いた。

「よし」

「初日はこんなもんだ」

「こんなもん!?」

「明日からは――」

にこり。

「本編だ」

悲鳴が、天界に響いた。

だが。

不思議なことに。

その背中は、

昨日より、ほんの少しだけ――

真っ直ぐになっていた。




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