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脳筋消防士、死んだら神にスカウトされた  作者: antomopapa


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第4話 星のはじまり

まだわからい事だらけです。温かい目で見てください

星は、

静かに回り続けていた。


まだ、

文明と呼ぶには早い。


言葉もなく、

文字もなく、

集落さえ、点でしかない。


だが。


「……あ」


小さな声が、

背後から漏れた。


振り向くと、

天使たちが集まっている。


声を潜め、

何かを話していた。


「ね、今の……」


「見えた?」


「うん、

 あれは――」


「しっ」


白い羽の天使が、

指を立てる。


俺は、

眉をひそめた。


「……何かあったか?」


一斉に、

視線が逸れる。


「い、いえ!」


「何でもありません!」


露骨だ。


「……現場でそれやると、

 だいたい隠し事だぞ」


天使たちが、

びくっと肩を揺らす。


「その……」


一人が、

小声で言った。


「元素の、兆しです」


「……元素?」


俺は、

星へ視線を戻す。


夜の大地。


闇の中で、

何かが動いた。


「……あれか」


「はい」


天使が、

頷く。


「自然の振る舞いが、

 属性として定着する前兆です」


「火、水、風、土……」


「光と、闇」


別の天使が、

こそこそ続ける。


「世界が、

 法則を選び始める瞬間ですね」


「……選ぶ?」


「はい」


白い羽の天使が、

静かに言った。


「どの力が、

 世界の“柱”になるか」


「文明が、

 無意識に決めていきます」


俺は、

腕を組んだ。


「……で」


「それが、

 今?」


「はい」


その瞬間。


夜の森で、

木と木が擦れ合う。


乾いた音。


そして。


**ぽっ**


闇に、

小さな光が生まれた。


「……火か」


「まだ、偶然です」


火の天使が、

そう言いながらも、

視線を逸らす。


「ですが」


「文明が、

 火に触れました」


光は、

すぐに消える。


焚き火には、

ならない。


それでも。


「……覚えるな」


俺の呟きに、

天使たちが頷く。


「次は、

 再現しようとします」


「火は、

 一度覚えると早いです」


その時。


天使たちの間に、

再び囁きが走る。


「……最初は、

 やっぱり火よね」


「順当だと思う」


「でも、

 あの人……」


ちらりと、

俺を見る。


「……?」


「いえ!」


白い羽の天使が、

慌てて声を張る。


「何でもありません!」


ますます怪しい。


「……何だ?」


俺が聞くと、

彼女は一瞬、言葉を探した。


そして。


「……まだ」


「創造神様には、

 早いお話です」


「そうか」


なら、

無理に聞かない。


星を、

見下ろす。


闇の中に、

もう一度。


**火の気配が、

揺らいだ。**


誰にも気づかれないほど、

小さく。


だが確かに。


世界は、

元素を選び始めていた。


――そして。


その中心に、

火があることを。


俺だけが、

まだ知らない。


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