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脳筋消防士、死んだら神にスカウトされた  作者: antomopapa


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第20話 ギルド始動



――その日。

宿屋の朝は、

いつもよりざわついていた。

原因は一つ。

「ギルドを作る」

という、

聞き慣れない言葉が

一晩で町中に広まったからだ。


「ギルドって、

 なんだ?」

「商人組合みたいな

 ものか?」

「いや、

 冒険者の集まり

 らしいぞ」

「魔法を

 登録するって

 どういう意味だ?」

朝食のパンをかじりながら、

人々は口々に噂する。

レオンは、

その中心にいた。

いや、

立たされていた。


「……えっと」

レオンは、

目の前に並ぶ人の波を見て

内心で頭を抱える。

(なんで

 こんなことに……)

昨夜。

突然現れた

自称・創造神。

タンクトップ姿。

異様な説得力。

謎の魔道具。

そして最後に――

「筋トレ忘れるなよ!」

(忘れられるか!)


「レオンさん!」

誰かが声を上げる。

「ギルドって、

 誰が管理するんです?」

「強制ですか?」

「登録しないと

 冒険できなくなる?」

質問が、

矢のように飛んでくる。

「ま、

 待ってくれ!」

レオンは、

慌てて両手を上げた。

「俺も

 全部わかってる

 わけじゃない!」

「ただ……」

一呼吸。

「このままじゃ

 ダメだと思ったんだ」


魔法が武器になった。

それ自体は、

悪くない。

だが――

無秩序だった。

誰が強いか。

誰が危険か。

誰が信頼できるか。

何も、

基準がない。

「ギルドは、

 そのための

 “枠”だ」

「依頼を管理する」

「実力を示す」

「無茶を

 止める」

「……そして」

レオンは、

一瞬だけ

言葉を選んだ。

「無意味な

 争いを

 減らす」


沈黙。

やがて、

一人の若い魔法使いが

手を挙げる。

「でも」

「誰が

 強さを

 決めるんです?」

「偉い人が

 勝手に

 決めるんですか?」

レオンは、

腰の袋から

魔道具を取り出した。

「これだ」

ざわり、と

空気が揺れる。

「スキル鑑定器」

「レベル鑑定器」

「ジョブ管理具」

「……全部、

 正確だ」

「嘘は

 つけない」


「怖くないか?」

誰かが

小さく言った。

「数字で

 決められるの」

レオンは、

首を振る。

「逆だ」

「数字があるから

 止められる」

「無謀だって

 言える」

「逃げても

 いいって

 言える」

その言葉に、

数人が

顔を伏せた。


昼過ぎ。

仮設の机。

紙。

木札。

即席の

“ギルド受付”。

最初に

登録したのは、

意外にも――

ベテランの剣士だった。

「若いのが

 死ぬのは

 もう見たくねぇ」

次に、

回復魔法使い。

「守られる側も

 守る側も

 必要でしょ?」

その後は、

雪崩のようだった。


混乱は、

当然起きた。

「俺のレベル低すぎ!」

「嘘だろ、

 あいつ

 俺より高い!?」

「ジョブが

 分かれた!?」

怒号。

笑い声。

戸惑い。

それでも――

秩序が、

 芽吹いていた。


夕方。

レオンは、

一人で

空を見上げる。

「……これで

 よかったのか?」

誰にともなく

呟く。

返事は、

ない。

――いや。

風が、

ほんの少し

心地よく吹いた。

(……気のせいか)


その頃。

別の町。

魔族の斥候が、

人間側の情報を

持ち帰っていた。

「ギルド?」

「評価制度?」

「管理?」

上位の魔族は、

静かに笑った。

「……面白い」

「対抗策を

 考えろ」


秩序は、

力になる。

だが同時に――

対立を

 明確にする。

ギルドの誕生は、

世界にとって

進歩だった。

そして――

戦争への

準備でもあった。



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