表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋消防士、死んだら神にスカウトされた  作者: antomopapa


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/95

第二章・文明衝突編  第11話 平和と筋肉と、新しい神 



あれから二十年が、

本当にあっという間に過ぎた。

神界の時間で二十年。

星の時間では、二千年。

文明は、ゆっくりと、

だが確実に前へ進んでいる。

争いはある。

小競り合いも、戦争も、疫病も。

それでも――

滅びず、折れず、続いている。

「……平和だな」

円卓の間で、

俺はそう呟いた。

最近は、

ようやく時間が取れるようになった。

「筋トレの」

「話ですよね」

ウェヌスが即答した。

「分かってるじゃん」

他の神たちが、

一斉にため息をつく。

「最初は大変でしたよね」

ウェスタが、

少しだけ苦笑する。

「創造、教育、文明管理、

 あれこれ全部」

「筋トレする暇も

 なかった」

「そうそう」

俺は深く頷く。

「最初の十年なんて、

 ベンチプレスも

 300キロしか上がらなかった」

「……しか?」

アウラが、

目を細めた。

「今は?」

「2トン」

「……」

「……」

「……」

円卓に、

沈黙が落ちる。

「老化しない肉体は

 最高だね!」

胸を張る俺に、

神々は一斉に視線を逸らした。

「筋肉の神って、

ぶっちゃけ存在してなくない?」

アウローラが、

黒ギャルスマイルで言う。

「そのうち

 勝手に生まれそう」

「やめて」

「冗談冗談☆」

今日も、

神界は忙しい。

それぞれの神が、

自分の役割を果たしている。

水は巡り、

火は制御され、

風は運ばれ、

土は育み、

光と闇は均衡を保つ。

農業は根付き、

鍛冶は技を磨き、

食は文化になる。

星は――

平和そのものだった。

……その日までは。

「統括」

ウェスタが、

静かに言った。

「妊娠しました」

「……え?」

一瞬、

思考が止まった。

次の瞬間。

「えええええええええ!?」

神界が、

ひっくり返った。

「お祭りだ!」

「次は何の神!?」

「属性は!?」

「性別は!?」

「何であたしは

 できないのよー!」

アウラが、

床を転がる。

「落ち着いてください!」

ウェスタが、

声を張る。

「神を産むのは

 神聖な行為です!」

「はいはい☆」

アウローラが、

軽く手を振った。

「で?

 今回は何?」

「……分かりません」

「分からない?」

「はい」

円卓が、

ざわめく。

これまで生まれた神は、

ある程度、

兆候があった。

元素か。

文化か。

だが――

今回は、違う。

「……面白い」

俺は、

正直に言った。

三か月後。

天界は、

再び祝祭に包まれた。

生まれた神は――

魔法の神

 ヘルメース

青い肌。

額には、

二本の角。

瞳は鋭く、

口元は自信に満ちている。

「ふーん?」

生まれてすぐ、

周囲を見回し。

「ここが

 神界?」

「ええ」

ウェスタが、

穏やかに答える。

「よろしく、

 ヘルメース」

「よろしく!」

勝気で、

物怖じしない。

その姿を見て――

「……子供なのに、

 やたら派手な格好だね」

アウローラが、

じっと見る。

「普通でしょ?」

ヘルメースは、

首を傾げた。

「将来、

 目立つタイプになりそうだな」

「……あー」

「なるほどね」

「将来は

 そういう担当か~」

神々が、

勝手に納得する。

「何それ?」

「今は気にしなくていいです」

ウェスタが、

即座にフォローした。

こうして。

世界に、

魔法が生まれた。

正確には――

浸透し始めた。

神の教育が終わり、

魔法が安定するまで、

約一年。

その頃には。

この星は、

また一段、

違う世界になっているだろう。

文明は、

進む。

力は、

広がる。

そして――

必ず、

衝突も起きる。

俺は、

円卓を見渡した。

「……忙しくなるな」

「今さらですね」

ウェスタが、

静かに微笑んだ。

第二章はどうなるんだろう。

ゆっくりと、

だが確実に。

世界は、

次の段階へ進み始めていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ