死にたい女
どんな死に方でも人に迷惑をかけてしまう。
人間何もかもが嫌になることだってあるけど、みんな頑張って生きてるんだよね。
私は野中尚子。
アパートの2階に住んでいる。
この世から消えたくて仕方がない。
生きていたくないのにお腹はすく。
ビスケット一枚と牛乳を飲む。
さて、今日は何をしよう。
いい歳なので、職場も中々見つからず、お金もだいぶ減った。
お金がなくなる頃には死んでいるだろう。
死に場所を考える。
少し外に出て探すことにする。
なるべく人に迷惑はかけない方法で。
半日フラフラしたがよさそうなところはない。
家に帰る。
死に方も色々あるけど、みんなしっくりこない。
こうして一日が過ぎていく。
いつになったら死ねるのかな?
次の日もふらふらと外に出かける。
信号待ちをしているといちゃいちゃしているカップルに押されて道路に飛び出す。
そこへトラックがやってくる。
あ〜あ、これで死ねるかもしれないな。
ところがそばにいたおじさんが私の手を引っ張って助かってしまった。
死ねると思っていたからお礼も言わずにたちさってしまった。
そのまま家に帰ると階段を上がっていく。
後一段というところで足をすべらせ落ちた。
なんだ、簡単に死ねるじゃん。
そのまま気を失った。
気がついた時には病院のベッドの上だった。
また、死ねなかったのか。
残念。
私は退院してから死ぬのをやめた。
今日は、お肉が食べたいな。
買い物に行く。
歩道橋を歩いていると誰かにぶつかった。
その人はそのまま落ちていった。
私は素知らぬ顔をして歩いていく。
後からニュースで死んだらしいことを知った。
私は死ねないのに何故だ?
私は殺人犯なのか?
死刑になれば死ねるなと少し微笑んだ。
公園に差し掛かると大人2人が話していて、近くで子どもが遊んでいる。
「ママトイレいってくる」
私はその子供について行った。
トイレの裏は少し下り坂になっていてなにやらトンネルのような穴がある。
子供なら入れそうだ。
その子が出てくるとそのトンネルに大事なものを落としてしまったのだが、入れそうにないからとってきてもらってもいいかとたのんだれ快く入ってくれた。
私は近くにあったちょうど良さそうな石で穴を塞いだ。
その子はしばらく叫んでいたようだが、静かになった。
その子の親がなかなか帰ってこない我が子を探しに来た。
見つからない。
わざと通りかかったふりをしてそこの近くを通ると女の子の事を聞かれた。
知らないと答え、去っていった。
警察などが来て捜索したところ、見つかったので、とりあえず、病院に搬送されていったが、結局死んだらしい。
ニュースでやっていた。
どうやら私が重要参考人になっているらしく、警察署まで連れて行かれた。
2人も殺したんだから死刑よね。
これで死ねる。
ところが裁判の結果は無期懲役だった。
結局、この女は死ねなかったのだ。
死にたいと思っている人はかんたんにしねないのかな?
人間はいずれ死ぬ。
それまで小さな楽しみでもいいから見つけていきていきましょうね。




