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「そうだったんだ・・・よかったね!シアン!」
「あの時、カズハが『じぶんの為にまだ何も行動していない。まずは、自分の気持ちを大切にすることからはじめたてみていはどうかな?』って、俺と姉上の背中を押してくれたから・・・」
「そ、そんな、私はたいしたことは・・・」と笑うカズハの両手をシアンがギュッと握り、「本当にありがとう」と真剣な表情で感謝を伝えるシアン。
「ででも、まさか茶屋の護衛兼手伝いだなんて」とあまりの恥ずかしさに話題を変えようとすると、両手から片手に繋ぎかえたシアンは、
「そうなんだ!それには俺もびっくりした!まさか父上もカズハが恩賞に茶屋をしたいなんて言い出すって思ってなかったんだろうな」と笑うシアン。
「じゃぁ、あの場で思いつかれたのね」
「でも、そのおかげでカズハとずっと一緒にいれて、カズハのお茶に寄り添って和菓子がつくれる」
「そうだね!よかったね!和菓子職人になって、みんなを笑顔にする夢が叶ったね!!!」と笑顔のカズハをみて、シアンがため息をつく。
「そういう意味じゃなかったんだけど・・・」
「え?」
シアンがカズハの手をとって、ひざまづく。桜がふっと舞って、あたりがピンク色の花びらにつつまれた。
「カズハ、君が好きだ。カズハのそばで、君を一番に笑顔にする和菓子を食べながら、一緒にお茶を飲んで過ごしたい。結婚してください」
「・・・」
(え?私が好き?け、けっこん!?)和葉の思考回路が追い付かずパンク寸前な中、シアンが照れながら、
「とつぜん、ごめん。本当は気持ちを伝えるだけで、ゆっくりと歩んでいきたかったんだけど・・・貴族たちが、カズハとの婚姻を望んでいるのをきいてあせってしまって・・・」
「私の婚姻を望んでいる??いやいや、ないない」
「昨日の謁見の場にいたものは、カズハが今回国を救ったリキュウ様だと知っている。だから、その力を欲しいと思っている者や近づきたい者達もたくさんいる・・・あっ!?俺はカズハが力があるないに関わらずカズハが好きだからであって・・・」と言いながら、今度はシアンが顔を真っ赤にする。
「別に返事は急がなく良いから」と背中をむけて立ち去ろうとするシアンの背中をカズハは抱きしめた。
「私もシアンが好き。シアンとずっと一緒にお茶を飲んで、幸せに過ごしたい」
「カズハ・・・」振り返って、シアンがギュッとカズハをぎゅっと抱きしめ、桜が舞う中、二人はみつめあい、キスを交わすのでした。
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エピローグ
街のはずれの森の中に、「月茶堂」とかかれた店がたち、街でこんなうわさが流れている。
「森にできた新しい店は、リキュウさまのお弟子さんが茶屋をはじめるらしいぞ!」
「え?あのうまいお茶がまた飲めるのか?」
「おいしい和菓子もでるらしいぞ!」
それでは、皆でお茶を一服。




