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金色に光る庵の中で、和葉が一人抹茶を点てている。
「ふぅ~」
(いよいよ明日が大茶会か~。でも大丈夫!だいぶはやくこの必殺技もだせるようになってきたけれど、まだ慣れないな)と赤くなった頬を抑えているとカタンと音がして、
「カズハいる?」とシアンが躙り口から顔だした。
(シアン王子!!!)と先ほどまで何度も思い描いてきた本人が現れて、また赤くなる和葉。
「あっ、よかった。カズハここにいたんだね。あれ?師匠は?」
「さっき、『我も明日の手伝いをしに行くぞ』といって、精霊たちとでていったよ」
「そっか。ちょうどよかった。カズハに渡したいものがあって」とシアンが和葉の横に座る。
(庵で二人きりでも恥ずかしいのに、また隣にさりげなく・・・)と和葉がシアンの顔をみれずに固まっているとシアンがもってきた包みを開いて和葉にみせる。
「わぁ!明日出す追加のの和菓子?かわいい~!!!」
薄いピンクの貝殻のようにぷっくりとした和菓子を嬉しそうにみる和葉。
その和葉を見つめながら、シアンが
「これは、カズハのために作ったんだ」と少し顔を赤くして答える。
「え?」
「カズハのおかげで、姉上とも仲直りができ、父上も元気になったお礼と、最初にひどいことを言ってしまったお詫びも込めて」と照れ臭そうにシアンが答えた。
「もう最初、スキルなしなんて言われたこと気にしてませんよー」と笑いながら話す和葉。
「これは、貝殻?少し、貝とは違うようだけど・・・」
「この国にあるマドレーヌをヒントに作ってみたのだけど、カズハの名前には植物の葉が使われていると師匠から聞いて掛け合わせて作ってみたんだ」
「素敵なデザイン・・・忙しいのに私の為にわざわざ作ってくれてありがとう」と笑顔な和葉をみて、顔を赤くするシアン。
「あの、カズハ・・・」とシアンが何か言いかけたところにまた、躙り口から誰かがはいってくる音がした。
「シアン、ここにいたの?クロ様が探してらしたわよ」とイリスが入ってくる。
真っ赤な二人をみて、
「あら?私、おじゃまでしたか?」とイリスがニヤニヤしている。
「イリスみて!シアンが和菓子を作ってくれたの。この国のマドレーヌと私の名前の葉をイメージして、作ってくれたんだって」
イリスは、その和菓子をまじまじと眺めながら
「へ~、マドレーヌ」とイリスがいっそうにニマニマしている。
「イリス、どうしたの?」と和葉が問いかけると、イリスが返事をする前にシアンが真っ赤になって立ち上がる。
「カズハ、姉上。私は、明日の和菓子の仕込みがあるのでそろそろ王宮にもどります!」
「今、お茶を淹れようかと」和葉がいうと、シアンはあわてたように急ぎ足で
「師匠も探してることだし、また明日がおわったらゆっくりお茶をしましょう!」
「あっ?えっ!!!」
イリスがクスクスと笑っている。
「カズハ、姉上!明日はがんばりましょうね!では!」とシアンは足早に出ていった。
「シアン王子、どうしちゃったのかな・・・?」
バタバタとシアンが出て行ってから、イリスとお茶を一服しながら、シアンの和菓子を食べる和葉。
「おいしい!デザインも可愛いし、シアン王子は本当に和菓子を作るのが好きなのね」と和葉が話すと、イリスが笑って答える。
「そうね。でも、和菓子だけじゃないかも」といって、和葉の顔をじっとみる。
「ん?」
「カズハはこの国のマドレーヌというお菓子はご存じ?」
「うん。貝のカタチをした焼き菓子でしょ?前の世界にも同じ名前の似たお菓子があったんだ~」
「この国では、好な人に想いを伝える時にこの菓子を愛する相手に送る習慣があるのよ」
「え?」と和葉が食べる手をとめる。
「貝って、こうぴったりと重なっているじゃない?そんな風にあなたとさらに仲良くなりたい!って想いが込められているのよ」とフフフと笑う。
和葉は真っ赤になって、そのあとイリスと何を話したかも忘れ気づいたら、大茶会の朝を迎えていたのでした。




