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「あの日・・・そうこの三色の団子がはじめて上手くつくれた日、病気の母上にも食べさせたくて急いで王宮に帰ったんだ。その途中で父上と家臣たちが姉上と私の話をしていた・・・」
~回想場面~
「国王陛下。イリス姫さまにも馬術や武芸を教えておられるそうで」
「あぁ、イリスが学びたいとせがむのでな」
「まこと利発な上、乗馬の腕もすばらしいとか」
「イリス様が男でありましたらなぁ。もったいない」
「・・・・・」王は黙って、家臣の話を聞いている。
「そういえばシアン王子は・・・また庭で何やらつぶやきながら一人遊んでおられるようで・・・」と少しあざ笑うかのように話す。
「まぁ、あれはまだ小さいうえ・・・」
「しかし、イリス姫さまは同じ年ごろの頃、よく学ばれ、もっとしっかりなさっていらしゃったではありませんか?」
「そうだな。イリスが男であったらな・・・」
「!!??」王の言葉がシアンにつきささる。
父たちが立ち去ってから、その場でしばらく呆然とする。
「シアン?」
「はっ!姉上・・・」
心配そうにイリスがシアンに声をかける。
「シアンどうしたの?顔色が悪いわ。大丈夫?」
「大丈夫です。乗馬にいかれるのですか?」
「そうなの。颯爽と森の中を走るのが気持ちよくて」
「まるで男のようですね」
「?シアンどうかしたの?」シアンは涙があふれてきた。
「姉上のせいです。姉上の・・・」と言いかけた時、侍女の慌てふためく声がきこえた。
「イリス姫さま、シアン王子さま、大変です!!!王妃様のご容態が!!??」
「!!??」団子ののった皿が落ち、皿がわれた。
イリスとシアンは王妃の元に走った。そして、イリスとシアンの最愛の母である、王妃が亡くなった。
~お葬式の日~
涙を流すイリスとシアン。精霊達もあつまっていた。
慰めてくれる精霊たちに、シアンが声をかけていると・・・
「みて、シアン王子は、また、一人で話しているわ。気色悪い」
「王妃さまは、そのことで気に病んでご病気になられたとか・・・」
「イリス姫様ぐらいシアン王子が立派でいらしゃったら・・・」
「王妃様も死ぬことはなかったのでは・・お気の毒に・・・」
(母上が死ぬことはなかった??私が姉上のようにしっかりしていないせいで母上が死んだ?)
(僕のせいで、母上が死んだ・・・)
(強くならなければ。誰よりもそう姉上よりもはるかに強く賢くならなければ・・・)
小さいシアンのまわりを黒い薄いもやが包みはじめる。
(姉上がうらやましい・・・憎い。強くなりたい。馬鹿にした奴らをみかえしてやりたい)
不気味にうごめく、黒いもやに精霊達がおびえたり、心配そうな目でみている。




