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「シアン!」


「姉上・・・」


「シアン!父上がご快復されたのですよ!和葉さまと精霊クロさまのおかげです」


「はぁ?何をおしゃっているのですか?朝、お伺いしたときには具合が悪そうでふせっておられましたが」不機嫌そうに答えるシアン。


(この人はどうして、こんな答え方しかできないのだろう?)と思いながら、シアンのまわりに蠢く黒いもやの存在が気になる和葉。


「そうなのです。私も父上が突然立ち上がられた時は驚きましたが、病がうそのように消えてなくなったのです」


「立ち上がって??夢でもみたのではありませんか?」


「姫さん、こいつは誰だ??」とクロがイリスに尋ねる。


「私の弟のシアンです」


「姫さんの弟。。。。」クロはじっとシアンをみつめた。


「姉上。誰と話しておられるのですか?」


「この国をお救いになった精霊クロさまよ」


「何をおしゃっておられるのですか?あんな作り話を信じておられるのですか?救世主リキュウも精霊もおとぎ話ですよ。実際に異世界からやってきたのはそのスキルなしの小娘ではないですか?」


(こいつ、ほんとそのイメ面顔をグーでなぐりたくなってきた)と和葉がむっとしていると、


「シアン。口を慎みなさい。和葉さまや、クロ様に失礼です」とイリスが静かに怒っている。


「姉上こそ、次期王である私に説教なさるおつもりですか?それともリシェルとともに次期王座を奪おうなどどとお考えなのでは?」


「シアン!!??」イリスは顔をしかめた。


「恐れながら、シアン王子。陛下は、本当にご快復されていらしゃいます」


取り巻きの一人が王の状況を確認して戻ってきたのか、シアンに耳打ちをする。


「和葉さまが淹れられた異世界の茶を飲み、病の原因であった邪気が払われたとのことです」


「茶だと?邪気とはなんだ?」


「実際にみて頂いた方がよろしいかと」リシェルは和葉の方をみる。


(え??無理無理。この生意気王子にお茶を淹れるの?)とまゆをよせてリシェルの顔をみるが、いつになく真剣な顔でクロが答える。


「こいつを庵に連れてこい」と、そしてうつむいているイリスに声をかける。


「我と和葉にまかせておけ」


「クロさま。。。」


「イリスさま。ここは、クロ様と和葉様におまかせしましょう。イリスさまは、イチゴイチエのご準備を」


イリスは、目をぬぐって顔をあげ、


「・・・そうですわね。和葉さま、クロさま、シアンをどうぞよろしくお願いします。リシェル、庵までの案内を頼みます。」


「はっ」


「あ~任せときな。あの泣き虫坊主にとっておきのアレをたべさせてやろう。」とクロが笑顔で答える。


「泣き虫坊主??」イリスはきょとんとしながら、その場を後にした。

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