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クロとの出会いの次の日、和葉とクロは、イリスとともに王の見舞いに行くことになった。


「緊張する・・・」(私、ザ・平民なんですけど・・・)


「なんで、緊張するんだ?王も同じ人だろ」


「そうはいっても私、マナーとかぜんぜん分からないし」


「大丈夫ですよ。カズハさま。非公式の場ですし、人払いしてる為、中には父とリシェルしかおりません」


深呼吸して、イリスに続いて王の寝室へと入る。


「父上、お加減はいかがですか?昨日、お話ししましたカズハさまをお連れしました」

(クロのことは、まだ内緒にしているようだ。)


ベットに横たわったロマンスグレのイケオジがリシェルの手助けをうけて、ゆっくりと身体をおこす。

イリスと同じエメラルドの瞳で穏やかな笑顔をみせてはいるが、どこか具合が悪そうな顔している。


「カズハ殿。こんな見苦しい恰好をお見せして申し訳ない。シュハリ国を治めているミデガ・シュハリだ」


「カズハ、オオタニです」とお辞儀をする。


「カズハ殿。まずは、このような場所からで申し訳がないが、突然我が国におよびしたこと、そして息子の非礼をお詫びする」とベットの上で頭をさげる。


「え!?いえ、頭をあげて下さい!」(クロ助けてー)


「正式な謝罪は、私の体調が回復しだいまた改めてさせて頂きたく思う。ゴホッゴホッ・・・」


「父上、大丈夫ですか!?ご無理はなさらないで下さい」


「あぁ」そういって、再びベットに横になる王をみながら、


「おい、和葉!『まずは茶を飲め。話はそれからだ。』といえ」とクロが和葉に命令する。


「そんなえらそうに言えるわけないでしょ。王様だよ。お・う・さ・ま」


「和葉殿、どうかなされましたか?」


「あっ、いえ、そのよろしければお茶をお入れしたいと思うのですが・・・」


「イリスの話にでてきた異世界のお茶ですね?ぜひとも頂きたい」


「では、さっそく」


畳がないので椅子に座り、テーブルにお盆を置き、茶の道具を準備する。


「クロ、お湯はどうするの?」と小声でたずねると


「まぁ、みてな」


まずは茶筅をふくさで清める。そうすると、クロが抹茶茶碗にむかって、手をかがげる。

すると、クロの手から湯が湧き出てくる。


王は、お湯がどこから湧いたか分からずその珍しい光景を物珍しそうに眺めている。


抹茶茶碗にそそがれたお湯に茶筅をいれ、茶筅をで清める。その湯を用意した建水とよばれる水や湯を捨てるための入れ物に移して、茶巾で水滴をふきとる。それから、抹茶をいれて、クロにお湯を注いでもらう。


部屋にお茶のさわやかな香りが漂い、和葉は茶筅でお茶をたてる。


シャカシャカシャカシャカシャカ。


茶筅の音がだけ、部屋に響く。和葉をみつめる三人と一匹。

前日よりもキラキラと舞う金色の光が少し増えたように感じる。


そのまばゆい光に包まれた茶をイリスが王に持っていく。


「ほぅ。これが。清涼感のある香り・・・まるで新緑の中を歩いているようなさやかな気持ちになる」

といって、一口飲んでみる。


「なんとも、まろやかな味わい。身体の中から力が湧き出てくるようだ」


そういって全部飲み干すと、王の顔が先ほどより元気になったように思える。


「和葉殿、大変おいしかった・・・とそちらにいる子供は・・・?」


「子供ではない。我は、精霊クロだ。ミデガ王よ」


王が驚いた顔で、イリスとリシェルの顔をみる。


「そうなのです。父上。言い伝えにあるリキュウさまとともに世界を平和に導いた精霊クロさまです。私もリシェルもはじめは、お姿がみえなかったのですが、和葉さまの淹れて頂いたお茶を飲んでからみえるように」


「なんと」王が信じられない様子で飲んだ器をみている。


「ミデカ王よ。身体の調子はどうだ?」


「身体の・・・?」と言いかけて、王が突然立ち上がる。


「え?父上!!??ご無理なさってはなりません!」とイリスがかけよると


「イリスよ。大丈夫だ。身体が軽いのだ」王が驚いた顔で、腕をまわす。


「まるで、病が一瞬で消えてしまったようだ」


「まさか!!??リシェルの回復魔法でも払うことのできなかった病ですのに」


「和葉どの。異世界のお茶にはこのような力が?」


「え?いや。免疫力をあげたり、美肌やリラックスするのよいと聞いたことはありますが、そんな回復力があるというのはきいたことはありまんが・・・?」


「今、美肌とおっしゃいました?」「免疫力をあげると??」


イリスとリシェルが同時にくらいつき話を聞きたそうにしているが、クロが遮る。


「普通の茶にはないが、聖なる水で和葉が淹れた茶ならこれくらいの効果は当たり前だ」


「なんと!?奇跡だ。和葉どの、なんとお礼をいってよいのか」


「和葉さま、本当にありがとうございます」とイリスが涙ながらにお礼をいう。


「そんな、私はただお茶を淹れただけですから」と少し照れながら答える。


「それで、ミデガ王よ。その病だが、もしかしたら黒い霧に触れたり、吸ったりしたのではないか?」


「おしゃるとおりです、クロさま。黒い霧が発生したと報告を受け港まで調査しにいった際に、少し吸い込んでしまったようで」


「そうか。やはりな。あの黒い霧の正体は、邪気だ。」


「邪気・・・??」

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