ん~こんなこともありました
いろいろあります。
今まで川下りの船頭をやってきて、ここまでの事はなかったのですが・・・さて、私は今まで運がよかったのでしょうか・・・今回はそんなお話。
予約舟の担当になった私は、同僚の船頭とお客様を乗せ出発しました。
皆様、社員旅行でどうやらお酒を召していられました。
正直、ちょっぴり嫌な予感が(笑)・・・。
中でも、前の席に座る上機嫌のお客様が身体をゆすって舟を揺らしたり、
「俺にやらせて」
と、しきりにアピールされます。
「危ないですよ」
「うちの会社は危ないので竿さし体験はしていないんですよ」
私、はじめはそういう返しをしていました。
すると、幾度か立ち上がり、こちらへと向おうとするそぶり、同僚の方に止められ自重されていました。
が、ついに、お客様がこちらへのしのしとやって来ます。
(あちゃ~)
私は覚悟を決めました。
ここは毅然たる態度をと。
「ん」
と、手をさしだすお客様。
「あの、なんでしょうか?」
私は、わざとはぐらかします。
「竿、竿だよ。俺やってみる」
「・・・いや、あの禁止していまして」
「いいじゃん」
「いや駄目です」
「いいから」
「ダメです」
舟上でお客様が立つのは、舟のバランスが悪くなり落水の恐れがあります。
出来る限り、穏便に済ませたいけど、難しそう。
だけど、こちらも必死です。
「なあ」
「危ないです」
私は操船するデッキから降りて、お客様にお願いします。
「・・・・・・」
「すいません、戻ってください」
すると、周りのお客様から、
「はい、はい。危ないから戻って」
の声、お客様は渋々、席へと戻りました。
こういう対応しか出来なかったのかと後悔しつつも、安全、案内、歌をうたったりとやるだけの事をしようと心がけました。
無事到着、そのお客様は、降りられる時、手を差し伸べられまして握手をしました。
イレギュラーな対応は難しいです。
反省しつつも、どうすればよかったのかなあと答えはみつかりません(笑)。
川下り。




