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悪役令嬢RPG  作者: 茶柱
ハイネス魔法学園編
8/10

第八話 主人公

(さあ来なさい! あんたの嫌がらせだなんて23回クリアした私には屁でもない!)


 突然出てきたその女の子は指を突き出して挑発をする。


「えーと、自分と同じ新入生ですよね、これからよろしくお願いします」

「……え?」

「え?」


 しばらく時間が止まった。彼女は動くのをやめ俺は彼女の返答を待つ。


「……貴女名前は?」

「クロエ・クレイです」

「そっそうよね合ってるよね?」

「合ってる?」

「お嬢様どちら様ですかこの人」


スターチスさんが荷物を抱えて近づいてくる。


「嘘だぁ! クロエ・クレイは初登場で私の事を軽蔑するはずだぁ!」

「何言ってるですかこの人」


(ファンタジーズのストーリーと違う! きっと余計なもの(ドラコミッション)が混ざったせいでストーリーが変わっちゃったんだ)


「うん待て? あなた今自分のことを『主人公』て……」

「ケンヤさんあまりこういう人とは関わらない方がいいですよ。早く行きましょう」


 何か疑問は残るが俺たちは先を急がないといけない。

仕方ないので女の子を置いて門の方に進んだ。


(あっ行っちゃった。それにしてもしっくりこないなー。クロエ・クレイはいつも嫌なことを言う奴だったからね)


 しかしこうなると気になるのはリアン王子だ。もし清楚リアン王子がとんでもないゲス野郎になっていたら……いやそんな事はないはず。リアン王子を信じるんだ。クロエ達に遅れ私も学園内に入った。





 やはり外見だけではなく内装もしっかりしてる。入り口を開くとロビーにでた。3階まで天井が広がっており左が男子寮右が女子寮と看板で書かれている。


「入学式までまだ時間がありますよね? 今のうちに女神ハリアーの教会に行きましょう」

「そうですね。これがこの学園の地図です。ここは城跡を元に建てられた建造物なのでかなり広いですよ」


 地図に示された方向に進む。すると大きな扉が見えてきた。扉を開け中に入る。中には大きな仏像と神父が一人いた。


「おや? どちら様ですかな?」


「どうも初めまして、クレイ家の娘クロエ・クレイです」


「そして専属メイドのスターチスです」


「これはこれは、公爵令嬢の方ですか、どうぞお座り下さい」


「ありがとうございます」


「自己紹介させていただきます。神父のゼインです」


「よろしくお願いします。早速本題に入るんですが」



 神父には罰当たりだが嘘を混ぜて伝えた。流石に転生とかは神父でも信じてくれないだろう。


「ほう、夢に出てきた女神ハリアー様が自分に出会えと……。そのような話は聞いたことありませんが」

「会えればそれで良いんです! なんかこうすれば出会えるよみたいな伝承とかありませんか?」

「そういう伝承なら存在します」

「! それは本当ですか神父様」

「はい、よいしょと」


 神父は椅子の近くにある本棚から古い本を取り出す。そして一つの伝承を音読してくれた。俺もスターチスさんも真剣に聞く。


「『いずれこの大地に魔王が現れるだろう。ドラゴンであろうとダイオウイカであろうと魔王は止められない。魔王を倒せるのは勇者とその仲間達のみ。そして勇者とその仲間達には御礼として我が暮らす場所に招待し願いを一つ叶えてあげようぞ』、翻訳するとこうなりますね」

(あれ……これ聞いたことあるぞ)

「……つまり魔王とやらを倒せば女神に会えるということですか?」

「はいしかし、魔王だなんて物騒なもの見たことも聞いたこともありません。この伝承はこれから起こることを書いた予言ではないかと思っています」


 魔王……この魔王とはきっとドラコミッションの魔王のことだろう。しかもさっきの伝承はゲームのオープニングで王様が語ってくれた文と瓜二つだ。

 そして主人公の勇者ガイルは魔王討伐を受け入れて旅に出るっていうのがこのゲームのあらすじだ。


(流石という程の王道っぷり、そこに痺れるんだよなぁ〜)


「私からはこれ以上有意義な情報は出ないと思います」

「そうですか、私は魔王とやらを探してみます」

「頑張ってくださいね。ハリアー様の御加護がありますように」




「ありがとうございました」


 教会を後にして俺達は入学式の会場に向かった。校長先生の長話は異世界でも変わらないらしい。ようやく入学式が終わりついに宿泊部屋を見せてくれるという。


「広っ!」

「一般的な屋敷の一つの部屋と同じくらいですね」

「うわぁー風呂とトイレがちゃんと分けてある、てっきり宿泊だからショボいと思ってたのに」

「一応貴族が泊まるための部屋ですからね。そこはちゃんとしてますよ、それより……」


「ん?」


「今回遅めに入学の受付をしたせいでこの部屋にもう一人泊まるらしいですよ。つまり相部屋ですね」


「へぇーでもこの広さなら別に良いと思いますけどね。ベッドも沢山あるし」

「そうじゃありません、問題は貴方の方ですよ」


「え?」


「中身は男の貴方が見知らぬ女性と同じ部屋で寝るんですよ。お風呂の件以来信用度かなり低いんですからね」

「大丈夫ですよ……多分」


 仕方ないじゃないか。思春期真っ盛りの高校生にこんな機会が訪れたら少しぐらい想像してしまうだろう。しかもお風呂の時は体が臭くならないために仕方なくしただけだし。じっくりと見てないからセーフだし。


「そろそろ相部屋の人が来るのではないでしょうか?」

「どんな人だろう。できれば気楽に話せて気まずくならない人がいいな」


 その時ドアがギィと開く。そこにはさっき会った金髪の女の子がいた。


「えー! なんで相部屋があんたなの!?」

(こっちのセリフだよ!)

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