キングオブ・拳 準備中
「さあ!やってまいりましたー!キングオブ・拳!司会は私アンジェリーナと」
「斎藤です。よろしくお願いします!」
「お願いしまーす!お兄さん!緊張せずに行きましょう!実況は自分の思いどうりしていいんですから!」
「そうですか!じゃぁ本気で行きます!」
「ええ!それでは皆さんこの日をずっと楽しみにしていたでしょう!あのキングオブ・拳が帰ってきたんです」
「確か、最後の大会が10年前でしたよね?アンジェリーナさんはご存じでしたか?」
「もちろんです!試合はすべて見ていますから!」
「さすがといったところですね。」
「それでは本日、一緒に解説・実況をしてくれるゲストを紹介しましょう!どうぞ。」
「はい、えー私の名前はゴランド・フェザーです。まぁこの大会のファンならばご存じでしょうが、昔のこの大会のチャンピオンです。なるべくわかりやすく解説していくのでよろしくお願いします。」
「はい!ありがとうございます。アンジェリーナさんはこれでテンションが上がっていたんですね。」
「ええ!彼は私が応援していた選手の一人ですから!!」
「なるほど、それではまずはこの大会を再開した理由を国王バード・ロウダス様からお聞きしたいと思います。」
「あーあー、これマイク入ってる?ああ大丈夫ね。えー、まずこの大会が復活したことがうれしいという国民たち、そして大会の再開を許してくれた私の補佐官たちに感謝を伝えよう。」
頭を下げて国王は言葉を放った。
「ありがとう。」
周りは一気にざわめいた。
国王が頭を下げるのは珍しすぎるからである。
そのざわめきを気にせず国王は話を続ける。
「この大会がなぜ急になくなったか、皆さんに話しておかねばと思う。私の国は皆が思ってる通り、太陽のせいで暑くなっている。それも王都から離れていくにつれ、どんどん暑く、、、もう会場があったところには私たち鳥族でも暑さに耐えられないだろう。だから王都に新たな会場を設立させたんだ。」
また周りがざわめいた。
「そんなものどこにもないぞ」と皆が思っている。
それもそのはず、国王たちで隠していたのだから。
「このことはなるべく内密にしていたかった、、この大会にはアンチもいっぱいいることを考え、完成させてからのほうが早かった、、どうか許してほしい。」
「しかし!前の大会に比べ、選手たちも厳選した!より一層楽しめるようになっているだろう!テレビ配信しているから会場に来なくてもいいが、熱狂したい国民たちは会場に来てみなさい!今までの10年間が無駄ではなかったと必ず思わせて見せる!」
そうして国王のビデオは閉じた。
「なんかすごそうですね!僕たちはただ解説をしろとだけ言われたのでこれは知らなかったです!」
「やばい!!これは楽しみすぎるっ!!今すぐその会場にカメラを映してください!!」
「どうやら、、本当に進化しているようだ。ぜひ楽しませてくれ。バード・ロウダス。」
会場にカメラが向けられた。
テレビで見ていた国民が驚いている。
会場とともにどこにあるかも書かれており、直行する人たちが道を走っていた。
「おい!急がないと席がなくなるぞ!」
「早く見てみたいわ!どんな風に進化したのかしら!」
「俺!ずっと待ってたぜ!」
「ぐへっ!押すなよ!」
「押したのはそっちだろ!」
国民たちは前のような活気あふれる時に戻ろうとしている。
国王はとても笑顔だった。きっと最初からこれが目的だったのかもしれない。国民たちを元に戻すところから始めることが。
「あれてるねー、この番組。」
凜がつぶやく。
「でも10年ぶりにやる人気な大会なんでしょ?私も見たことあるけどすごかったよ。今回も見る。進と一緒に。」
「そうなんだー。ちょっと楽しみかも!」
「魔法とかなしの武術縛りがルールでみんな筋肉ムキムキだった。」
「進もバキバキだよね!触ったことあるけどなんかコンクリートみたいだった。」
サヤたちは進とキングオブ・拳の話題で盛り上がっていた。
「あのー、申し訳にくいんですけど、、進さん、ファスさんと一緒にあの大会に出場するって言って出ていきましたよ。」
パルがサヤに現実を見せる。
「何言ってんの?ここに進はいるじゃない。ねー?っていない、、、」
「頭大丈夫かお前。」
「ッ?!ちょっと寝ぼけてただけだし。」
「進たちが出るんだったら応援しとこー。」
「でも進たちなら一瞬で勝っちゃうんじゃない?」
「わかんない。国王も進化してるって言ってたし、強い人いるんじゃない?」
「そうですね。まだまだ強い人たちはいますから。ワンちゃん負けちゃうかもしれませんね。」
パルがそう二人に睨まれた。
「な、なんですか?!」
「「進が負けるわけないでしょ、、」」
え?!こわっ!サヤさんも負けるかもみたいなこと言ってたよね!
「ですよねー。僕たちのリーダーですからね。絶対勝ちますね。」
「まぁ絶対とは言い切れないけどねー。」
は?こいつまじか?!
「進さん勝ってくれるといいですね。」
「だから進は負けないって。」
「ちょっと僕外出てきますね。」
そう言ってパルはアンの所に行った。
「こんにちはー。アンさんっていますかー?」
宿の一階に行ってアンを探すパル。
「はい。ここにいます。」
受付の扉からひょこっと顔を出すアン。
か、可愛い!!
「あ、あの!よかったら一緒にキングオブ・拳、見ませんか!」
「、、いいですよ。私も一緒に見たかったです。一人じゃ寂しいですから。」
よかったー。断られたら病んでたかもー。
「お邪魔します、、」
アンの部屋に入る。
良いする、、、そういえば女の子にはいい匂いがするって聞いたなー、おじいちゃんに。サヤさんとか凜さんもいい匂いしてたかも、、
「、、、、」
アンがパルの顔をじっと見つめる。
「何ですか?」
「今何考えてた?」
「何を考えていたか、、ですか、、」
少し悩むパル。
「何も考えてなかったですが、、しいて言うならこの部屋の香りの成分を考えていたぐらいです、、、が、」
「そんな、いい匂いなんてしませんよ、、」
「そうですか?男の部屋なんて凄いにおいですよ。仲間がゴミを散らかしまくるんで部屋の匂いがものすごいんですよー。」
あっ、でも体臭はファスさんも進さんもいい匂いだったなー。
「へー、そうなんですね。ちなみに私の匂いはどうですか、、?」
アンが急にパルに顔を近づける。
お互いの息がかかるぐらい近い。
アンさんのいい匂いが近くなってくる!
「どうですか?私、、臭くないですか?」
パルに吐息がかかる。
いい匂いです!!いい匂いですから!!離れてください!
「どうなんですか、、?言ってくれないとわかりません、、」
「良い匂い、、です!」
アンは微笑んだ。そして顔を遠ざけた。
「そうですか、ならよかったです。」
あっぶない!あっぶないよー!アンさん!
「楽しみですね、キングオブ・拳。」
「アンさんはこれが見るのって初めてなんですか?」
「昔のやつも見てましたよ。結構ファンでした。そのためにここに引っ越してきた者でもありますから。」
「引っ越してきたんですか?じゃあ相当ファンですね!僕子供の頃に行ってたんですよ。」
「そうですか!ちなみに私ゴランド・フェザーさんがめっちゃ好きなんですよ!かっこいいですよね!」
「そうですねー。僕はリオっていう女の選手がよかったなー。あの人可憐な足技は素晴らしいですよね!彼女、今6級のハンターらしいですよ!すごいですよね!」
「いいですよね!リオさん。私も好きです!今日は出場するんですかね?」
「ゴランドさんが参加しないからどっちなのかわからないですね。」
「どっちもだいぶ昔ですからね!でもゴランドさんどこも変わってなくてちょっと安心しました!」
「ですねー。」
ああ!楽しい!進さんと話してる時ぐらい楽しい!こんなこと生まれて初めてだ!僕ここに住みたい!
すると大会の配信が動き始めた。
「もうすぐ始まるみたいですね。」
「もう少しで戦いが始まります!!どうかしばらくお待ちください!斎藤さん!その間に選手の紹介を済ませましょうか!」
「そうですね。さっそくどんどん紹介していきましょう!まずはAブロックから!
無敗の戦士!ゴリラマン!彼は色んな大会で優勝してきた実力者の一人です!この大会ではいい戦いを見せてくれるでしょう!」
「次! 戦場の荒らし屋!アサシン!見えない速度で移動し、戦場で敵を狩り続けた男!どんな速度で敵を翻弄するのでしょうか!」
「次! 伝説の武闘家!ゴッドメン!彼の偉業は言わずもがな!誰もが知ってる武術の達人!今回初参加ということでどんな戦いになるのか楽しみです!」
「次! 謎の細マッチョ野郎!細丸歌舞伎!細い体を駆使して繰り出す流れる様な打撃を繰り出すと書いてあります!本当なのでしょうか!期待できます!」
「次! エルフの里の女番長!エルファーナ!彼女のパンチは驚異的な破壊力を持つらしいです!場外にぜひ吹っ飛ばしてほしいですね!」
「次! みんなのヒーロー!ミラクルナイト!今回初登場ですが、今結構話題ですよね!何でも、彼はB級の魔物を次々と倒しては持ってきてるらしいです!とんでもない人が来ました!」
「次! さすらいの旅人!ギャラクシア!名前からしていかつい!どんな技を使うのか想像できません!」
「最後! 光の信徒!ライトニング!多分光の速度で繰り出すパンチは相当痛いでしょう!これもまた楽しみです!」
「以上!Aブロックでした。注目の選手などいますか!アンジェリーナさん!」
「そうですねー、やっぱりミラクルナイトさんとか?最近話題ですから!クランに毎日のように魔物を持ってくると聞いてますし、相当強いんじゃないですか?」
「なるほどー。結果はどうなるか楽しみです!ではまたお会いしましょう!では!」
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