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サンマール国王 バード・ロウダス

「さあ!着きました!ここがサンマール国です!」


おおー!太陽がでかい!近い!しかも本当に鳥しかいない!なのになんでこの人は執事なんだ?


「とりあえずサヤ様と進様はこちらへお越しください。国王様がお待ちしておりますゆえ。」


「了解しました。じゃあ、ここでお別れだな、気を付けて行けよ。ちなみにこの3人に国民たちが危害加えたら、この国も滅ぼしますから。そこんとこ気を付けてくださいね。」


「わ、わかっております。国民たちには十分言い聞かせておきますので、」


「じゃあ、またね。進」


「ああ、またな。」


「ちょっと待って。」


凜が進を引っ張る。


そして唇にキッスをしてきた。


「っ?!凜?!」


しばらくキスをしていたら、サヤが凜と俺を引き離して、俺に深い方のキッスをしてきた。


「サヤ?!あんたずっと一緒にいるんだからキスしなくていいでしょ!変わってよ!」


「嫌、進は私の物。絶対に渡さないから。」


と言ってさらに舌の動きを激しくしてくるサヤ。


「サヤ、、これ、、、まずい、、」


ハッとサヤが目を覚ました。


「、、、、、進が美味しすぎるのが悪い。」


かわよ!もう何されてもいいわ!


「ごめんな、俺が旨すぎて。」


「全然いいよ。けど今のじゃ全然足りない、もっと欲しい。」


それは攻めすぎじゃないですか?ていうかここって今駅のど真ん中なんだよ。


この子、何も考えてないな。ついでに凜も。


「とりあえず、来てもらえます?」


と気まずそうに執事の人が言う。


ほんとにすいません、うちの子たちが。


「はい、行きます。」



いろいろあったが、俺は今王城の前にいる。


「近くで見ると余計でかく見えますね、」


「ここの王城は広いですからはぐれないようにしてくださいね。」


「進、熱いからその水頂戴。」


サヤは俺が飲んでいる水が欲しいらしい。


「ほれ、」


「ありがと。」


「一応水泡貼っとくか?」


「いや、まだいい。欲しくなったら言うから。」


「了解、」


「着きました。ここを開けたら国王様の御前です。」


「わかりました。行くぞ、サヤ。」


「うん。」


キィィィィー---


扉を開けると、そこに大きい鷲がいた。


「よくぞ来られました勇者さま。この度は魔王の手から我が国を救っていただき、誠にありがとうございます。私の名前はバード・ロウダスといいます。一応この国の王をやっております。

事情はそこの執事からすべて聞いております。」


「俺は一応勇者ってだけで、あなたたちが想像してる勇者様とは違いますよ。」


「、、、それは一体どういうことですか?」


進は転移されたことなどを話した。


「なるほど、、ということはあなたは勇者様の仲間ということですか。


わかりました。しかしこの国を救ってくれたことには変わりないです。なのでどうかお礼をさせてください。」


そう言って、王様は杖を箱から取り出してきた。


「これは、、ルース・クロスですか?」


進が驚きながら聞いた。


「ご存じでしたか。噂の通りこれは魔王を倒せる加護をまとった杖です。杖なしに魔王を倒したあなたなら、この杖を託してもいいと考えました。あと感謝の気持ちも込めて。」


「なるほど、、では遠慮なく。」


そう言って進は杖を受け取った。


「進がそれ使うの?」


とサヤ聞いてきた。


「いや、俺はいいや。俺は肉弾戦闘系だから、あんまり魔法は使わないな。」


「そう?ならこれは凜にあげればいいや。」


「サヤは使わないのか?」


「私も肉団子系だから!魔法はそんなに使わない!」


サヤさん、、あんた魔法使うでしょ。しかも肉団子系って、、、なにそれ?美味しいの?


まあいいや、サヤと同じ戦闘スタイルだと俺もうれしいし。


「そうだな、凜が一番魔法使うもんな。」


「他に武器ってなんかあります?」


とサヤが王様に聞いた。


「他の武器、ですか、でしたら地下の宝物庫にありますので案内してもらってください。おい!一郎!この英雄たちを宝物庫まで案内しろ!」


と扉へ叫ぶバード。


「はい、かしこまりました。」


と言い扉の向こうから出てきたさっきの執事。


「あんたはさっきの、」


「また会いましたね、では早速宝物庫へ行きましょうか。」


俺とサヤは、一郎についていった。



「あなたがたは7級のハンターなんですね。偽物かと思ってたらまさかの本物でびっくりしました。」


「偽物とかいるんですか。」


「ええ、結構いますよ。まあ見分けるのはコツをつかめば簡単なんですけど。」


そうなんですねー。執事キャラって大体メチャクチャ強いんだよね。この人もそんな感じするわ。


「7級ってすごい依頼受けて達成しないといけない階級じゃないんですか?よくその若さで行けましたね。」


「いやー、なんでも水晶に手当てたら7級って言われたもんで、なー?サヤちゃーン。」


「うん!びっくりしたけどなんかすごかった。」


「?!水晶に手を当てただけで?!それは何とも不思議なものですな。」


と一郎は汗を流してそういった。


「この国は人間嫌いで有名なのは知っていますよね?」


「はい、一応行くときのパンフレットで見ました。」


「それには理由があるんですよ。なのに人間は一方的に我らが悪いみたいに扱うんですよ!憎たらしい!」


「すいません。俺も人間ですいません。」


「いえいえ!あなたはとてもいい人だ!通常の人であれば、真っ先に愚痴を言ったり、そっけない態度をとったりしますから、、、」


「俺はまだこの世界の常識に慣れてないだけですよ。もう三年地元にいれば態度も変わっていたかもしれないですし、でも人間と鳥たちの間に何があったか、教えてもらってもいいですか?」


「そうですね、この話がきっかけで仲は最悪になりました。」


そう言って、一郎は昔話をし始めた。


「太古の昔、我々鳥族は空に住み家を持っていました。鳥たちは優雅に空を飛び、観光地としてもとても有名でした。しかしある日を境に、すべてが変わり始めました。まず空という領地を失いました。それはあの太陽が地上に近づいてきて、暑さに耐えれなくなったからです。次に人間たちが来なくなりました。その理由は今までは空を飛ぶ体験をメインに観光地として有名だったのですが、空を我々は飛べなくなり、人間たちはこの国をもう不必要と判断して、来なくなりました。」


「つまり、太陽が突然降ってきて、そのせいで鳥たちと人間たちの縁がなくなったということか?」


「そういうこと。」


サヤが確認してくれた。頭の悪い俺にとってメチャメチャ助かります。


「人間が来なくなって、なおかつ鳥は国を失って、とても危ない状態でした。この後、鳥族たちの国はもちろん貧困になります。ですがそこにちょうど、旅の勇者という者が現れました。彼はこの国を立て直す術を知っていると鳥族たちに伝え、信用を受け取りました。彼は自分の国がこの国の力になるといって、一度自分の国に帰りました。しかし勇者は親切でそうしてるのではなく、伝説の杖 ルース・クロスが欲しかったからです。なので彼は我々の国を油断させて、戦争に持ち込んだのです。だから、ほとんど人間が悪いんですよ。圧倒的に。」


「な、なるほどー?」


「可哀そうに。」


「だからまずあの太陽をどうにかしないと鳥族の活気は取り戻せないんですよ。」


「そうなんですね。まあ頑張ってください!応援してますから!」


「はい、誰か太陽を壊してくれるような人、いないですかね?」


「いやー、なかなか厳しいでしょうね。」


「7級の人だったら行けるかもしれませんね。」


「そうかもしれないですね。」


「いや、あなたのことなんですけど。」


「え?俺のこと?」


「はい。あの太陽、壊してくれませんかね。」


「いや、無理ですよ。俺みたいなひよっこじゃあ、まだまだですよ。」


「そうですね、また気が向いたらお声がけください。さて、着きましたよ。ここが宝物庫です。」


大きい金属の丸いドアが見える。


「随分と大きいですね。もっと小さいのかと思ってました。」


「我が国は意外と金だけは持ってるんですよ。」


と言いながら宝物庫のカギを開ける一郎。


キイイイイイイイイイー--



「わーお、イッツ・ファンタスティック。」


「キラキラがいっぱいある。」


「ここから好きなものを五つだけとっていっていいですから、じっくり選んでください。」


「五個ですか。わかりました。」


そう言って進たちは宝を漁った。


宝を漁ってからしばらくたった。


「それでよろしいでしょうか。」


と一郎が確認する。


「はい、もう五個決まったんで。」


「私これにした。」


そう言ってサヤは腕輪を見せてきた。


「ほお、それはパワーリングですね。自身の力を高めることができる腕輪ですね。」


と一郎は解説を挟む。


「俺はいらないので他の奴らにあげますわ。」


「進は何もなくても最強だからね。」


と言ってくるサヤ


「そうだな。俺様は最強だ。」


「最強とは、、大きく出ましたね。実は来週、この国で毎年やっている格闘大会が開かれるんですよ。

それにぜひ出てみてご自分のお力を示してみてはいかがでしょう。」


最強という言葉に反応した一郎はやや挑発気味に進に提案してきた。


この人、俺が魔王と渡り合ったこと忘れてね?この国に俺より強い奴なんているのか?


だとしたらそいつに魔王討伐でも頼めや。


と思った進。



「どうせ私たちがダンジョンに潜ってる間暇なんだし、出てみれば?」


とサヤが言ってきた。


「そうだな。出てみよう。ちなみに優勝景品は?」


と進が聞くと、一郎はにやりと笑い、こう言った。


「景品は私共です!」



「いきなり何を言い出すんです?」


「景品あなたなら参加しなくていいよ進。」


「そうだな、さっきの話はなしでお願いします。」


「ちょっと待て。なんて失礼な方た。私共という最高級の執事がついてくるんですよ?!それなのになんてことを?!」



「、、、、、そもそもなんで景品があんたらなんだよ。」


「私共、来週で解雇になるんですよ、執事を。」


「解雇?最高級なんじゃないの?あんたらの執事。」


「そうなんですが、なぜか解雇といわれまして、私共三兄弟全員で。」


「何か裏があるに違いない。」


とサヤが名探偵の格好をしてタバコみたいなやつを咥えながら言っている。


いつどこいつどこでしたんだよその格好。


「これ体に悪いから吸っちゃダメ。」


そう言って進はサヤからタバコもどきを取り上げる。


「ああー、吸ってみたかったのに、、、、、」


「まあ、国に必要な存在かもしれないし一応もらっておこうか。あんたらのこと。」


「それは、、優勝して私共の新たな主人になってくださるということですか?!」



「まあ、、そういうこと。」


「なんと!この国だけでなく私共まで救ってくださるなんて!あなたはまさに勇者の鏡です!」


「いやいや、そんなことはないですよー。」


結局大会に出ることになった進でした。

もし「面白い!」などと思ったら、☆☆☆☆☆よろしくお願いします!


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