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高速新幹線バッファロー3号

 中に入ると、豪華なシャンデリアやメイド服の女たちなどが揃っていた。


「やっぱり魔法だったんだな。」


「すご!」


 凛はすげぇ驚いてる。


 相変わらず、騒がしい女だ。


「ご予約の方ですか?カードを見せてもらってもよろしいでしょうか?」


 そう、ここの職員が行ってきた。


「あ、はい。どうぞ」


ポケットから3人分の予約カードを取り出す。


「はい、サヤ様と凛様と、進様でお間違いありませんね?」


「はい。」


「この度は、この高速新幹線バッファロー3号にご乗車いただき、誠にありがとうございます。


 私はこの新幹線の職員のリーダー ジェファーソンと申します。何かあれば私にお声がけください。」


「はい、」


「こちらがお客さまの部屋鍵でございます。ささ、案内いたしましょう。」


 入り口の広場からまっすぐな一本道があった。


「外が見える。」


 一本道の壁は片方が白い壁、もう片方が窓のガラスとなっている。


「走り出すと、ここから景色が一応見えますが、早すぎて景色はほとんど見えませんよ。」


「そうなんですか、」




「ここがお客さまのお部屋です。どうぞ、しばしの旅をご堪能くださいませ。」


「ありがとうございます。では、」


 そう言って扉を閉めようとすると、


「おおっと!!うっかり忘れていました!お客様には専属メイドが1人つくことになっているんです!」


「いや、要らないです。」


「なんと?!そういうわけにはいきません!誰か1人選んでもらわないと!」


そう言って、ジェファーソンはメイドたちの顔写真が載ってる紙を見せてきた。


「この中からお選びください。」


「えぇ、、、」


「進、全員女だけど、」


「そんなのわかってるよ、どれにしようかな?」


「私がいるのに、また新しい女連れてくるの?」


「サヤ、別にそういうつもりでついてもらうんじゃないから。黙ってろ。」


「そうなんだ。召使い?」


「そんな感じ。」


「じゃあ、この子がいい。」


 そう言ってサヤは、ある女の子を指差した。


「その子ですね?かしこまりました。では後でこちらに来させますね。」


「やっと解放された。ああいう高貴な人たちの集まり苦手なんだよなー、俺。」


 お高く止まりやがって!!ぶっ潰したくなるわ!


「じゃあ、私も?気品ある女の子だよ。」


自分で言うかー?それー?でも反則級に可愛い。


「いや、お前は特別だ。他はゴミクズにしか見えない。」


「嬉しい!」


「サヤ!」


「進!」


「サヤ!」


「進!」


「サヤ!」


「進ーー!!」


「何してんの?あんたたち。」


 ほっぺたを大きく膨らませた凛の姿があった。


「何って、お前こそ今までどこ行ってたんだ?」


「そこらへんの高級そうなお菓子バッグに詰めてた」


「何してんじゃ。」


「どんなの?見せてー。」


「うん、いいよー、って!話逸らすな!このケダモノども!隙あらば、進のこと魅了しようとして!」


「別にいいじゃん、私、進の嫁だし。」


「とりあえず、いろんなとこまわろうか?」


 この場を収めるにはそれぐらいしかないな。


「つーか、普通に部屋が広い。こんな広いとは思わなかった。」


「進、こんなに広い部屋をどうやって予約したの?買い物のお金とかも、」


 うわー、今まで誰も読者でさえ触れてこなかった暗黙の領域にズカズカ入ってくるやつきた。


「最近、魔物倒しまくって貯めてたんだよ。」


「ふーん、本当かなー?」


「ほ、本当だよー?」


「嘘ついたら、どうなるか、わかってるよね?」


 笑顔だけど、笑顔じゃない凛の表情が怖くも可愛い


「この新幹線で過ごすんだから、他の人もいることを考えて行動しろよ、お前たち。」



「わかってるって、」


「私、いろんなところ回ってみたい!新鮮で楽しそう!」


「私も。」


「おー、2人で行ってこい。俺はちょっと寝る。最近睡眠不足だったからな」


「寝るの?じゃあ私も寝る。相手は必要不可欠でしょ。」


「いや、そっちの寝るじゃなくて、普通の寝るだから。」


「こんな朝から?昼夜逆転生活するつもりなの?」


「お前らが夜寝かせてくれないから!寝れてないんだ!」


「わかった。わたしたちだけで行こ!」


「うん。進も暇になったら追いかけてきてね。」


 そう言って2人は部屋から出て行った。


 ふぅー、これでやっと眠れる。


 おやすみなさい全国の寝不足の人たち。



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