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サヤ(ナヅキ)

ナヅキ!!!!!!

「久しぶりのシャバの空気は最高だなー!」



「最高。」



 こいつ、意外と無口なのか?あんだけ、「助けて!」って叫びまくってたのに。



「とりあえず、俺はホテルに戻るけど、お前はどうする?」



数秒考え込んで少女は、



「私も一緒に行く。」

 と言った。



「なんでお前も一緒なの。自分を貶めた連中に復讐とかしないのか?」



「、、、しても何も変わらないから。」



「そうか、大人なんだな。」



 それ以降全く喋らず、ホテルに着いた。



「じゃあ、俺から先生に伝えておくから、部屋は教えてもらいな。」



「待って」



 少女は進の服の裾の部分を引っ張る。



「女一人を部屋に置き去りはどうかなと思う。」



 はぁ、じゃあどうしろっていうんだ。



「あなたも一緒の部屋にくる。それでいい」



 は?こいつ俺のこと好きやん。絶対好きやん。



「俺が?お前と同じ部屋に?それは、色々と問題が発生するかもだから、あかんやん!」



「失恋中で女は信用しないんじゃなかった?」



 この女、俺のこと信用してるってことか?



「まぁ、そこまでいうなら仕方ねぇな。じゃあ、先生に伝えてくるわ。」



「うん。」  



そう言って、進は先生の方へと向かって行った。



すると同時に、2年Dクラスのみんながダンジョン攻略から帰ってきた。



「今回も楽勝だったな!みんな!」



「うん!光のスキルは最強クラスだよ!勇者だもんね!」



「お前だって負けてねぇぞ。 戦闘民様ー。」



「もう!やめてよ!一郎!女の子なのにこの職業のこと気にしてるんだから!」



「ごめんごめんw」



 今回も余裕だった様子で、雑談をしながらホテルの入り口に近づいてくる。



 すると、前田桜がその少女の存在に気付いた。



「あの子、めっちゃ可愛くない?!」



「どれどれー?、、、、って、ぇえええええええ?!?!?!?!」



どうやらクラスメイトたちはその少女の可愛さにやられたようだ。



クラスのイケメンたちが血眼になって、誰が先に行くか、心理戦を始めている。



「ちょっとそこ通るよぉ〜。」



と言ったのは上田信也。あざとい系男子として女から可愛がられてる。



「あのぉ、おねぇさん。どうしてここにいるのぉ?もしよければ、お茶でもしない?ねぇねぇ?どう?」



なんだこいつと言わんばかりの瞳で少女は見つめて、



「いえ、男の人を待ってるので。」



と言った。



 上田にとってはそれがショックだったのか、初めて誘いを断られてびっくりしたのかわからないが、白目をむいて固まっていた。



 また、後ろから覗いて結果を待っている人たちも固まっていた。



「あんな可愛い女の子に男?!絶対イケメンなんですけど!」



「ワンチャン奪えるかも!その男!」



「「「いいね!」」」



 急に犯罪に手を染めようとする頭のおかしな痴女どもが、興奮していた。



その少女へのアプローチはどんどんエスカレートして行った。



少女もその対応に困っていた頃、石山が戻ってきた。



「おいおい、なんだこれは?」



「っ!!」



少女は石山を見つけるとすぐにそっちの方に行った。



「あっ!!あーあー。なんでそっち行っちゃうの?!もっとおねぇさんたちと楽しもうよ!」 



 と残念そうにクラスの女たちが言う。



 呆れたな、こいつのどこがそんなにいいのやら。



 ん?でもよーく見ると可愛くなくもない。



 あ、これ以上見たら確実に恋の奴隷になる。

 ダメだぞ!自分!



 とりあえずキレとこ。



「おい!お前ら!!何してんだ!!!!!!!」



雄叫びを聞いて、全員が凍りついた状態になってる中



少女を連れ出して、部屋へと向かった。



「あんまり人に優しくすんな。人はすぐ調子に乗る生き物なんだ。」



 進は帰ってきて早々、サヤに説教をしていた。



「ごめん」



「わかればいい」



「うん」



 しーーーーん、、、、、



「「、、、、、、、、、、、、、、」」



 僕にはこの状況が耐えられないよ!



 なんなのこの子!?喋り出したと思ったら黙るし、余計雰囲気ぶち壊してんで!



 あ、そういえば名前なんて言うんだろ?



「お前の名前は?」



「言いたくない」



「なんで?!」



「みんな笑うから。」



 なんか重そうな悩みでも持ってんのか?聞いてやるか。一応俺も高二だし。



「どうして笑われるんだ」



「、、、、、、」



「言わないとわかんねぇぞ。まぁ本当に嫌なら別にいいけど。」



「わかった言う。けど、絶対に笑わないと約束して。」



「あぁ。わかってる」



「あれは、まだ私が小学生ーーー」



「ぷっーー!あ、ヤベェおなら出た。すまねぇ続けてくれ」



「小学生の頃、親が国を滅ぼしちゃって、他の国に行くことになったの。それで、異郷の地からきた私の名前にみんな変だと言って笑ってきたの」  



「最初は、軽いいじりだと思ってたけど、どんどんいじりはエスカレートしていって、いじめられるようになったの。」



「なるほど、重い!こんな話は俺には似合わない!」



「ちなみにその名前はなんて言うんだ?」



「、、、ナヅキ」



「なんだよ、全然普通の名前じゃないか。俺の名前は石山進だしな」



「違う、これは変な名前。」



「うー-ん、そうか、、、でもそんなに嫌だなんだったら呼び方を変えようぜ。」



「呼び方を?」



「そうだな、、、、今日からお前はサヤだ。わかったな?」



「サヤ、、サヤ、、いい!凄くいい!ありがとう!進ー!」



 サヤに抱きつかれた。苦しい。こいつパワー強ない?



 常人だったら、骨ごとイッテルデ?



しばらく話し合って、ようやくサヤが打ち解けてきた。



サヤの住んでた国のことも教えてもらった。



「私の住んでたとこは戦国マルバイアスっていうところ。」



「へー、どんなとこなんだ?」



「あそこは女の方が男より強いってことで有名。あとは神社とか、鳥居とか、温泉とか、いろいろ和風っぽいところがあって、世界最強の兵力も持ってる国だった。」



 なんでサヤまで日本の文化知ってんの?この世界にいる人みんな日本出身なの?



「ってことはお父さんよりお母さんの方が強かったってことか?」



「うん。だけどお母さんは暗殺されたの。お母さんはマルバイアスの女王で権力を欲しがる連中に暗殺されたの。そしたらお父さんが怒って、国を滅ぼしちゃったの。」



お父さん強くね?ってことはお母さん強すぎじゃね?



「それで、国の中にいた人間を大勢殺した父親の罪を負ったと勘違いされて時の牢獄に入れられたのか。」



「うん、今はそこはダンジョンとして埋まってる。」



「じゃあ、いつか俺たちが暗殺されないくらい強くなって、その国を復活させようぜ。」



「本気?」



「俺はいつも本気だ。ちなみに広さはどんくらいある?」



「北海道ぐらい・」



え?都道府県まで把握しとる??本当になんで?



「バカでけっ!」



「この国と比べたらすごいちっちゃいよ」



「この国はどんぐらい広いんだ?」



「たぶん、 オーストラリアぐらい」



「いや、広すぎだろ、、」



「そうなの。一国一国が広くて移動に時間がかかるから、いろんな乗り物も開発されてるよ。」



「へー、乗ってみたいな」



「強くなるには自分より強い魔物を倒さないとダメだよ。効率よくやらないと」



「そうか。」



「うん」



「じゃあ、とりあえず、俺の目標は山の頂点に立つことだなー。」



「、、、本気?自分より強い魔物とは言ったけどあそこは本当に危険だよ。」



「なんでだ?」



「山と言ったら凶悪な魔物。魔物と言ったら凶悪な山。なのが鉄則でしょ。」



そう、俺はある日パンフレットで見てしまったのだ。




山には主がいるから強い魔物が生まれると、、、



レベルは自分より強い魔物と戦わないとあまり効率よく上がらないらしい、、



そのための職業やスキルなのかもな、、



とにかく!その山の主は強すぎて3年に一度、世界中のハンターとやらが集まって倒しに行くらしい。



それを倒せばより強くなれるからな!



「やってみなきゃわかんないよ?」



「心配。私も着いて行っていい?」



 上目遣いでこちらを見てくるサヤ。



ズルないそれ?



「べ、別にいいけど。」



 ドキッとなんて、してねぇし!別にしてねぇし!



「今日は疲れたから先風呂入ってくるわ。飯はそのあとな。」



「先にご飯がいい。お腹すいた。」



 またもや上目遣い。



「わかったよ。」



「嬉しい!」



そう言って腕にしがみついてきたサヤ



 このまま食堂行くのかよ。キツー。



 案の定、ほかのクラスメイトにめっちゃ見られながら食事することとなった。



 サヤはそんなに気にしてない様子だけど、大丈夫か?これ。追放とかされない?



 サヤが食べる時もずっとくっついてくる。



「サヤ、ご飯食べる時はちょっと離れて、、、」



「ダメ、、なの、、?」



「全然いいよ。ごめんね、変なこと言っちゃって。」



「ううん、許す!進だから!」



 しまった!勝手に口が動いてしまう!サヤ、恐るべし。



 安心できずに食事を終えたサヤと進は部屋に戻ってきて、お風呂の用意をしていた。



「女の入る方が赤色で、男が入る方が青色だからな。覚えたか?」



「女が赤、男が青。うん、覚えた」



「じゃあ、ちょっとばかし離れるけど、変なことしでかすなよ。」



「うん、気をつける。」



 そう言って二人とも別々の風呂に入りに行った。



すると、サヤが進が青に行ったのを確認し、誰も周囲にいないことを確認する。



そう、サヤは進と同じ風呂に入ろうとしていた。



「シッシッシッ」




「ふーんふーんふんふんーふーん。呼んだ?今絶対呼んだよね?いや、絶対呼んだ。」



などとお風呂嫌いーの真似をしてると、扉からガラガラと音がした。



ちょうど湯船に浸かってて見えやすい。うーーん?



サヤが見えるんだけど?気のせい?現実?どっち?



「現実だよ。ふぅーーー」



「はぁぅっっ?!」



「ふふ、可愛い反応」



「なんで?ここは男が入るってさっき教えたばっかじゃん!」



「誰もいなかったのが怖くて。」



急に悲しい顔になったのを見て、時の牢獄を思い出した。



 そうだよな、サヤはずっとあそこで1人怖かったんだろうな。



「仕方ないな、でも今日だけだぞ!ここにきていいのは!」



「うん!嬉しい!」



 ぎゅーーーー!!



 やばい!今馬乗りになって抱きつかれると!まずい事態になる!



その予感はすぐに的中した。



「何これ?なんか当たってる」



ばれたー!まだなんとかなる!



「き、気のせいじゃないか?」



「、、、、そうかな?」



すると、サヤが体を動かしてきた。



「あっひゃーわー!」



「ふふ、可愛い」



「待て、待て、待てーー!」




 それからのことは覚えていません。何が起きたのやら。



「おはよぉ〜、進」



「あぁー、おはよう」



 布団から顔を出してくるサヤをを見て思わず可愛いと思ってしまった。



すると、ムクット何かが起立した。



それをサヤに見つかってしまい、



「第二ラウンド開始だね」



ちょっと待ってー!!

もし「面白い!」などと思ったら☆☆☆☆☆よろしくお願いします!


あとブックマークもよろしくお願いします!

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