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忠告文

作者: 蒼山詩乃

「拝啓。


今日の私は普段通りの憂鬱さで

冗談の弾を打ち尽くしたところだ

煙草は吸わずに燃やし尽くして

自分自身と重ねて息をしている訳です


別に世界のほうが間違っているわけではない

ただ歪んで見えるようになってしまった

泣き喚く赤ん坊のなんて多いことだ

これじゃゆっくりと寝れやしない


別に死にたいわけじゃない、関わりたくない

ひっそりとしたいわけでもない、目を付けられたくない

あがきたいわけでもなく、吐き続けたい

己の醜悪さが空っぽになるまで、全部


期待通りの公演で君も踊っている

目を覚ましてくれよ、私を一人にしないでくれ

この手紙が届く頃には君があちら側に

行かないことを願う、沈まないでくれ


明日の私も普段通りの愛憎で

手榴弾を投げ尽くしただろうな

アルコールなんて全部燃やし尽くした

君はどうせ溺れているのでしょうが


煙草の煙も書いているうちに消えた

今日の夜空は虚しいくらい何もない

これぐらいの純粋はいつの日か飲み干した

軽蔑の念を込めて枯れた花を贈るよ


別にどうしようもないわけではない

目を覚ましておくれよ、ただ沈んでいくだけ

救われることはない、自己喪失の果てに

何もかも消えるだけ、見たくない


最後の手段として爆弾を投げた

分かっておくれよ、何もしないでくれ

死んでゆく君を見たくないだけ

塵となる君を見たくないだけ


敬具。」


謎猫さんのリクエストから書かせていただきました。ありがとうございました。もう一つのリクエストに関してはもうしばらくお待ちください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 遠く遠く明日が来ないような深い夜に 長く長く書き綴った1枚の短い手紙は 全て全て今日が終わらなくて良い・・・ そんな一夜の文でした。 [一言] な、なんかっ!! 忙しい時にリクエストして…
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