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~ 無口な魔王と魔女の呪い ~  作者: アクイラε=ε=(ノ≧∇≦)ノ
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  case.1  歪んだ愛と呪いの欠片⑤


 悲鳴を聞き付けて校内に戻る安藤と、それについていく美咲。

 悲鳴の元を探ろうと中央階段を上ろうとしたその時、携帯の着信が鳴る。


「もしもし宇佐美?」

「あ、安藤くん。お、音楽室で人が、、、」

「分かった。すぐ向かう」


 宇佐美の気の動転から何かを察した安藤は音楽室まで走る。

 



   【4階 音楽室】


 校内でも飛びきり力を入れ込まれた教室である音楽室。 

 防音タイルを敷き詰めた壁面や、荘厳な機材の数々。だが、予算を使いすぎたのか扉の関してだけは1枚の扉のスライド式というアンバランス。さらには壁一面を防音タイルにしてしまったため窓がなくエアコンの空調管理のみで換気を行っているという何ともお金を掛け方を間違えた作りになっている。

 その教室の前でへたりこむ2人の生徒と騒ぎに駆けつけたであろう科学教師が箒を掴み、体育教師が大きく腕を広げ、野次馬でやってきた生徒達を足止めしている。


「宇佐美!」


 人混みの中から呼び掛け、無気力に顔を上げる宇佐美。

 だが、全員の意識が安藤に向き、いかんせん人の壁が邪魔をする。


(仕方ない)


「《道を開けろ!》」


 まるでモーゼの十戒のように人が左右に分かたれ、その間を悠々と安藤と美咲が通る。

 さて、と一度仕切り直した安藤は眼光を鋭くする。

 これだけの人混みがあったとあうのに、開かれた音楽室の扉から冷気のような肌寒さが伝わってくる。空調管理は完璧だったはずだが。


「呼吸は止まってますし、瞳孔も開いてる。最初に現場に気づいた人と、最後に彼女に出会った人を確認しましょう」


 既に音楽室に入り検死を始める美咲。

 専門的な検死はできないまでも、遺体になるべく変化をさせないよう、マスクと手袋をしているあたりが準備がいい。

 加えて彼女の発言は死亡推定時刻の割り出し。亡くなったと思われる時間から犯人が犯行に及んでから逃亡までの距離を導き出すため。


「死因はなんだと思う?」

「それがですね、どうも外傷がないみたいなんですよ」


 美咲の指摘通り分かりやすいナイフなどの刺し傷はない。

 体は横たわり大声を出されないように口にはガムテープ。両手両足には縄跳びが巻かれ、さらにそれを1つにまとめているため、教室に倒され身動きがとれない状態にされたのだろう。

 

「美咲さん、警察と救急車に連絡を。この場にいる全員警察が来るまで現場には入らないでください」

「あ、安藤くん?」

「宇佐美。《僕がここに来るまでのことを教えてくれるかい》?」

「うん。私が忘れ物を取りに来たときは化学の結城(ゆうき)先生と体育の倉持(くらもち)先生、あと真綾(まあや)がいて、中を覗いたら人が倒れてたの」


 安藤は説明を受けながら3人を見る。


(ん?)


 視線を感じ取ったのか、異様な態度を取る3人。

 坂井(さかい)真綾は、居心地が悪そうに目を伏せ。

 結城(ゆうき)理人(りひと)は、軍手をした手を後ろ手に回し。

 倉持(くらもち)健吾(けんご)は、腕を小刻みに擦っていた。


「僕と美咲さんも現場に入ってしまったので警察が来るまでこの場に残ります。あとは他の4人にも残ったほうがいいでしょう」


 安藤に誘導される形で現場には6人が残った。

 

「で?目星はついてるんですか?」

「ついてるわけないだろ。時間的に見てあの4人の中の誰かなのは確かだと思う。問題はいくつかある。犯行に使った凶器と、その隠し場所さえ分かればいいんだ」


 血痕などがない以上、刺殺は除外。

 首に絞められたような形跡も、うっ血も見られないため絞殺も除外。

 頭の中で可能性を限定していく安藤だが、確証には至らない。


「安藤さん、おかしくないですか?」

「何がだよ」

「だって、この部屋完全防音なんですよ。なのに、どうして口を塞ぐ必要があったんですかね?助けを叫ばれることはなかったんですよ?」


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