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case.1 歪んだ愛と呪いの欠片①
僕は今日、明確な殺意をもってこの言葉を告げた。
「《死ね》」
子供ながらの純粋な想いで発せられたその言葉は、目の前にいた存在を一瞬で弾けさせた。
パンッ!とまるで風船でも割るかのように飛散した四肢や内臓が体を打ち付け、教室の景色を真っ赤に染め上げる。
ーーーー これが僕の『呪い』だ ーーーー
高校入学。
義務教育から解放され大半の者が、新らしい環境に胸躍り、不安を抱える時期。だらしなく伸びきった黒髪とマスク以外、目立った特徴のない男子生徒が不運にも教室の真ん中で着席していた。
彼の席がクラスの端だったのならばまだ救いようもあっただろう。
まるで腫れ物を扱うかのように、クラスの中に孤島が出来上がっている。
おそらく、教師陣を含めても彼が在校してからの1週間で聞いた発言は入学式の名前を呼ばれたときの「はい」の一言のみ。教師にいたっては下手に関わっていじめにでも発展したらと警戒しているのか触れられない一種の暗黙の了解が出来上がっていまい、それに同調し最初は気さくに声をかけてきたクラスメートも段々を少なくなってしまった。