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 八番と九番も迷っている。


 ピッチャーが白烏にせよ藤田にせよ、どちらにも打撃は求めていない。白烏はピッチャーとしてものになるように、とにかくコントロールを、藤田は少しでもスタミナを強化してほしい。


 迷ったが、上位に繋ぐため、桔梗をラストバッターに据えることとした。桔梗は当然非力だが、女子として運動能力はずば抜けている。


「副島くん、よろしくー」


 ぶかぶかのヘルメットをつけ、桔梗が打席に入る。


「よろしくーじゃねえよ。遊びじゃねえんだぞ」


「……ごめん、そんなに怖い目しないで」


 色気がマウンドまで届く。ちっと舌打ちすると、傍目に藤田がこちらを睨んでいるのが見えた。


 打ち始めると、やはりセンスは悪くない。打球は上がらないが、二遊間、三遊間と狙って打っているのが分かる。やはり上位に繋ぐには桔梗は必要だ。可能性を感じる。それに、蛇沼とはまた違った妖艶さという武器で相手バッテリーを戸惑わせることが出来るかもしれない。バレたらおしまいだが……。


 


 ふう。副島はナインを一旦休憩させ、マウンドで深く息をついた。打線はひょっとすると通用するかもしれない。各々改善点は多々あるが、あとは正直慣れの世界だ。守備だけが不安だ。せめて白烏が間に合えば……。休憩もせず、黙々と投げ続ける白烏とそれを受ける滝音に目をやる。


 あとは、俺次第だな。せっかく集まってくれたんだ。どれだけ皆を伸ばせるかは俺にかかっている。


 ほんとは俺も猛練習したいんやけどな……。


 副島はベンチの奥に佇む小さな人影を見つめていた。せめて指導者がいてくれたら……。

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