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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

孤独の悲しみ

作者: SEKIMI

血の表現があります。

ご了承ください。

この世は自殺願望者が後を絶たない

何かに取り憑かれたようにカッターを手首に当てる

今日も

--------------------------------------------------------------------------------


もう嫌だ。

生きてても何もいいことない。

あたしなんていなくなればいいんだ。


手首にカッターを当てる

手首には無数の傷が見える。

カッターを勢いよく滑らすとうっすらと血がポツポツと浮かび上がる

死にたいでも死ねない。

死ぬ勇気なんてないのは分かってる

「はーーい。お邪魔しまーす。」

突然の来訪者に驚き体がびくってなった。

窓を見ると黒いマントを頭から被った人が立っていた。

「誰?」

「あっ!自己紹介まだか!」

マントのフードを取ると女の子の顔が出てきた。

「おねーさん♪まだ20代でしょ!生きてて辛いのは分かるけどさまだ先は長いんだよ。」

「だから自分で終わらせるんじゃない。」

死のうとしているはずなのに勝手に涙が出てくる。

「毎日、朝起きて仕事して、帰って、寝て楽しみも無いのに。1人でこうして生きてるくらいなら死んだ方がましよ。」

声が上ずる。

女の子はふーと大きなため息をついたあと手を肩のところまで持ってきて分かってないなぁと首を振った。

「おねーさん。日本人の女の人の平均寿命って知ってる?」

「80歳くらい?」

「BOO!正解は87歳!!紙に今の年齢から87まで書いてみ!」

言われるままに髪を取り出し書き出した。

25 .26.27.28.29.30.31...........50.51.52.53........60.61.62....70.......86.87

「書けた?じゃあ10年後はここ。20年後はここって10年ごとに書いてごらん。」

35。10年後

45。20年後

55。30年後

65。40年後

75。50年後

85。60年後

「おねーさんが平均寿命まで生きるかは知らないけどさ、まだだいたいみんなが死ぬ時まで60年あるんだよ?数字の横は白いでしょ?そこたくさんの色に染まったら素敵じゃない?」

腕を組み直し続けた。

「今、こっちの世で生きてるってことはさ死んだあとの世もあるんだよ。

人間って2つの世を行き来してるだけなの。もしおねーさんが死んでこっちに来てもまた80何年の人生が待ってるわけよ!だったらこっちの世好きなことやり尽くしてんで満喫してこっちにおいでなさいよ。」

「好きなこと!?」

握っていたカッターが手から滑り落ちた。

「そっ!おねーさんにもあるでしょ?子供の時好きだったことやりたかったこと。やってみなよ。」

「あなたは誰?」

「あの世の人間さっ!あたしはいつでも待ってるから。60年後に会いましょ!それまでさ、たっくさんの人と話してその心をいっぱいに満たしてもう入んないってなるまで楽しみな。お別れの時にいろんな人が来てくれるようにさ!」

そういうとくるっと体の向きを変え、フードをかぶり夜の街に消えていった。

残された紙を見てみると数字だけ書かれていた。

「別れの時にいろんな人が来てくれるようにか。」

カッターはごみ箱に放り投げた。




短い文ですが読んでくださりありがとうございました。

この世は悲しいことが多いです。

でももしもしあの世の知り合いが「60年後においで」と言ってくれたら生きていけるのではないのかなと思い書きました。

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