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蝶の缶詰  作者:
5/10

ごわ!


顔面に体重を乗せられる。

息苦しさ。重さによる痛さ。

その場の空気に湧き出すような快楽へと変わって思わず顔がにやけてしまう。


「顔を踏みつけられきもちよさそうにしてるの本当気持ち悪いやつだな」

「愛してくれてるんですよね!」


もっと体重を乗せてくる男。

この男は初めて会う、所謂出会い系で出会った超ドSのド変態男。

最初は眼鏡をかけた暗めの男だったので、大丈夫かなー?って思ってたらホテル入った瞬間にベットに押し倒させれ、無理矢理キスさせれちゃった。

ものすごい激しくて気持ちよくなってたらすぐ縛られちゃってさっき顔面踏まれてたけどやっぱり知らない男の人に虐められるのが好きだ。


女を性欲処理機でしか見えてない。


そんなの、興奮しまくりである。

踏み終えたのを満足すると足をどけ、私のぐじゃぐじゃになった顔を掴んだ。


ゾクゾク、ゾクゾクと心が踊る。


いきなり顔を離したかと思ったが、その後思っいきり顔をぶん殴られ、馬乗りにされ、顔を殴られ続ける。

女に恨みでもあるかのように一心不乱に遠慮なく殴られた。

歯は折れ、顔はもう血まみれなのじゃないかと思うぐらい殴られた。痛かった。

痛かったけど、気持ちいい。


「エッチなことできなくて残念だったね、お姉さん」


ぷつ。と私の腕が弾けていた。

顔とは違う切れる痛覚が襲いかかる。


「痛...!」

「死ぬのは恥ずかしいけど、生きるのも恥ずかしいって自殺サイトで知り合った人がよく言ってたんだ。あー、確かになぁとか思ってたけど」


どんどん私の皮膚は弾けていく。

うっすらと目で見てみたら男はメスを持っており、腕を何度も何度も皮膚の表面を切り刻んでいた。


「元々缶詰になる予定だったらしいけど、その人が俺と消えてくれなくて、死んでくれなかった理由がわからなくて、わからなくて。俺今大学生だけどその人は何歳かもどんな人だったのかも未だにわからなくなっちゃって。けどさその人が"こんな事"してるのたまたま知っちゃってさ」


ぐじゃぐじゃになった肉を摘み、この人はニヤリと笑った。


「えっちな事よりも、その人の事がもっと理解出来るようになってさあ。その人はなんでかわからないけど自殺して死んじゃったけど大好きだったその人ともっと近づけた気がして。お姉さんみたいな人がばかみたいに性欲曝けだしてアホみたいにもっともっと欲してるの見てどんだけ愛されなかった人生送ってたんだよって軽蔑するのたまらなく好きになっちゃった♡」


また殴られた。

この男には言葉を返せないが愛されなかった。より、この男と会う前に私の彼氏は私に暴力での愛を教えてくれた。

けどその男はこの男の女と同じ様に、私とは死んでくれなかった。


数時間経っても消えない意識の中、私は考えてた。このままこの人は私を肉になり、このままベットの上に放置して去っていくのだろう。

私は知らない人に殺されて、恥ずかしい姿で死ぬんだろう。


天国であの人は待っててくれるのだろうか?

それとも地獄で待ってくれてるのかな。


きっと君はこの男に殺されて悔しがってるだろうね、いつもは違う男に少し殴られる程度だったから。

早く私を嬲り殺して欲しいな。


その前に。


私は目の前の男に呪いをかけなくていけないなあ。


「......貴方には、一生その子の気持ちなんてわから、ないですよ?」


あぁ、イッちゃった。

だって、この行為は真似るのではなく、孤独な愛を与える行為なのだから。


私はその孤独の愛を愛してきた。

求められている形を受け入れてくれるのは愛されていた私しかいないって思い知らさるための為による淫乱の為の暴力。


笑顔が止まんないねぇ。これがあの人が言っていた幸せなのかね。


愛さえあれば、なんでも出来る。

わかる。


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