禁断の液体
あたしの口腔はネットリした苦い汁に犯されていく・・・
「ほら、飲めよ」
愛しい人は囁くように
しかし、反論は許さない目で言った
あたしはこの苦い汁が嫌いだから必死に吐き出そうとする
しかし彼は気づいたのか、あたしの鼻を押さえた
「抵抗はダメ」
いつもは優しいのに、今回は許してくれない
「初めては苦いけど、慣れれば美味しく感じるよ」
耳元で甘く囁かれる
口腔だけでなく耳朶まで犯されそうだ
しかし、私も飲み込みたくないから耐える
しかし、そろそろ息が苦しくなってきた
頭がクラクラする・・・
「飲めば楽になるよ」
彼からの誘惑・・・
彼は私を堕とす悪魔だ
でも、もう限界がきそうだ
私は苦しみの向こう側へ落ちていく
ごくん! うぇ~、苦い 苦いんだけど!
あたしは大嫌いな青汁に挑戦していた
いや、飲まされてたと言うほうが正しい・・・
「もう、こんなに青汁嫌いだとは思わなかったよ・・・」
ため息をつかれてしまう
「だって青汁飲め!って言ったのは貴方でしょう??」
腹いせにネチネチ言う
「でも、こんな年になってまで青汁嫌いじゃやってけないよ?」
分かってる、彼は心配してくれてるんだ
しかし! やっぱり好きになれそうにない・・・
「じゃあ、青汁が飲めるようになったらイイ事してあげるよ」
含み笑いで彼は言う
イイ事って何だろう? すごく気になる!
もちろん返事はこうだ
「あたし頑張るよ! 青汁なんかに負けないよ♪」
あたしと青汁との戦いはまだまだ続きそうだ…