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また  作者: 重音
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退屈の隙間に

部屋の窓から午後のあたたかい日差しが差し込んでいる。


季節は冬だが日中は春を思わせるほどあたたかく、窓辺に置いてある観葉植物も青々と葉を茂らせていた。


そんなうららかな陽気にもかかわらず、その部屋の住人である森藤大介は布団にごろんと寝転がり、外をながめていた。


別段、外出が嫌いなわけではない。


むしろアウトドア派かインドア派かときかれたら迷わずアウトドア派と答えると思う。


ただ家を出ても行くあてもないし、暇を持て余す羽目になるだろう。


だから外出はしない。


そんな毎日がこの連休中続いていた。


とはいっても明日は学校。連休は終わり、退屈な日々から解放されるわけだ。


だから今日は適当に過ごして明日に備えよう。


そこまで考えたところで、今度は学校へいくことのわずらわしさを思い出して顔を曇らせた。


そんなだらけた気持ちで横に寝返りをうつと、ふいに手元にある携帯のバイブが鳴った。


この連休中、友達からのメールや電話を受けていない。


それだけに少しうれしかった。


ひょっとしたらこの退屈な連休のうっ憤をはらしてくれる連絡かもしれない。


そんな期待を込めて布団から体を起こし、手元にある携帯を手に取った。


送信者の欄にはアドレスも名前もなく、本文には「また   豊川美鈴」とだけ書かれている。


大介はわからなかった。豊川なんていう友達はいないし、高校にもそんな名前の同級生はいない。


これはトヨカワミスズと読むのだろうか。


迷惑メールにしても目的が見えてこない。そこまで考えて大介はやめた。


「なんだこりゃ」自然とそんなことが口から漏れる。


大介は無造作に携帯を放り出し、また横になった。


気晴らしになるどころかよけいにモヤモヤした気分になった。


乱暴に枕を顔の上に乗せて目をつぶる。


疲れてもいないのに眠気はすぐにやってきた。ひと眠りしようか。


そう思った。


その時、強烈な頭痛が大介を襲った。


あまりの痛みで視界が揺れる。


まるで大音量のスピーカーに直接耳を押しあてているかのようだった。


頭痛はますます強くなり、立ち上がることもできないままもがく。


枕元に置いてあった飲みかけのコーラに手があたり、中身がこぼれた。


気が遠くなる。


「もう限界だ」そう思ったとき、携帯が振動していることに気がついた。


いつから携帯は鳴っていたのだろう。


どうやらメールではなく着信のようだ。


はやく電話にでなくてはいけない。


なぜかそう思った。


遠のく意識の中で手を動かす。


まっすぐ動かしたはずの手は右へ左へとそれてしまってじれったい。


なんとかケータイをひきよせて、手に取った。


すると、嘘のように頭痛がやんだ。急に部屋が静まり返る。


もともと部屋が騒がしかったわけではないのだろうがとても違和感を覚えた。


我にかえり、ケータイの着信画面を眺める。


一度息をついてから、大介はゆっくりと携帯のボタンを押した。


感想やアドバイスなどありましたらなんでもいいのでメッセージにお願いします!!

初投稿なのでがんばって書いてみます(*^_^*)

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