表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瀬戸内レモンサイダー  作者: 昼間 ネル
瀬戸内のお宝奪取 編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/12

第5話:愛媛「道後の湯と温泉融合燃料」

瀬戸内を駆ける漆黒の風――。

香川で究極の「コシ」を手に入れた哲哉と五右衛門が次に狙うのは、四国が誇る最古の聖地、愛媛・道後。

しかし、そこに待ち受けていたのは、情緒ある温泉街などではなく、

巨大企業「瀬戸内ネオ・ダイナミクス」が管理する**凶悪な蒸気機関要塞スチームパンク・フォートレス**でした。

蒸気機関要塞


尾道の包囲網を、瀬戸内レモンサイダーの強炭酸のごとき瞬発力でブチ抜いた哲哉。漆黒の愛車・ハーレーが、海を割るモーゼのように四国上陸を果たす。

ターゲットは、伊予の国・松山に鎮座する古の名湯『道後温泉本館』。

だが、その実態は2100年のオーバーテクノロジーが結集した、巨大な「蒸気機関要塞スチームパンク・フォートレス」へと変貌を遂げていた。


湯煙の要塞:スチーム・ハザード

「へえ、日本最古の癒やしスポットをここまで改造ハックしたか。悪趣味極まりねえな」


哲哉の眼前にそびえ立つ本館は、各所の排気弁から高圧の蒸気をブチ撒け、真鍮製のパイプがのたうつ機械仕掛けの怪物だ。その地下数百メートル、大地の鼓動が直接届く深部に、今回の「宝」は眠っている。


ターゲット: 『湯築のゆづきのしずく

その正体: 温泉成分から抽出された超高純度リチウム結晶。


現状: 巨大企業「瀬戸内ネオ・ダイナミクス」が、観光資源を隠れ蓑に極秘の「温泉融合炉」を稼働させている。


突入! 心臓部へのダイブ


哲哉はタクティカル・デバイス『煙管(KISERU)』を指先で弄ぶと、要塞の排気ダクトを強引にこじ開けた。内部は視界ゼロの灼熱サウナ。スマートグラスの視界に、真っ赤な警告アラートが明滅する。


『ピポ! 哲哉、内部温度が限界突破オーバーヒート寸前っす! 演算ユニットが溶けちゃうよ!』


「五右衛門、泣き言を言う前に熱源バイパスをハックしろ。俺が直接『雫』を毟り取ってきてやる」

『了解っす! ……あー、終わったらキンキンに冷えたアイスが欲しいなぁ』


「レモンシャーベットをバケツ一杯奢ってやる。今は黙って仕事しろ」


そこへ、蒸気の中から機械化された多脚警備ロボが躍り出た。哲哉は即座にブーツの加速ブースターを点火。最短距離で懐へ潜り込む。


「悪いな、こいつは『ヤニ』の代わりに雷撃が詰まってんだ!」


『煙管・電撃モード(サンダー・ボルト)』を装甲の隙間に突き立てると、青白い放電がロボットの電子頭脳を焼き切った。


――ドォォォォォン!


爆炎を背に疾走する哲哉は、ついに最深部の「温泉炉」へと辿り着く。そこには、滾る源泉のエネルギーを吸い上げ、青白く脈動するカプセル『湯築の雫』が鎮座していた。


超加速、道後の空へ


カプセルを奪取した瞬間、要塞全体に緊急ロックダウンの警報が木霊する。全隔壁が閉鎖。完全なる密室。だが、哲哉の口角は不敵に吊り上がっていた。

「……五右衛門、こいつをハーレーの燃料スロットに直接ブチ込むぞ」


『正気っすか!? 同調率が0.1%でもズレたら、エンジンごと木っ端微塵っすよ!』


「俺の愛車をそこらの中古と一緒にすんな。こいつは『熱い』のが好みなんだよ!」


哲哉は『湯築の雫』を強引に給油口へ叩き込んだ。

次の瞬間、ハーレーのエンジンが**「地球の熱」**を帯びて咆哮を上げる。マフラーからは猛烈なオーバーヒート蒸気が噴き出し、漆黒の車体が真っ赤に白熱する。


点火イグニッション……メルトダウン・ドライブ!!」

――ブルッドッドドオォォォーン!!

タイヤが石床を焼き、要塞の防壁を飴細工のように突き破る。


道後の夜空を、黒と赤の閃光が切り裂いた。それはもはやバイクではない。一筋の流星だ。

「絶景かな……! この加速、レモンサイダーよりよっぽど刺激的じゃねえか!」

第五話「道後の湯と温泉融合燃料」を最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

今回は「愛媛・道後温泉」をテーマに、サイバーパンクならぬスチームパンク全開でお送りしました。

温泉の熱を核融合に転用するという無茶な設定ですが、哲哉の愛車が赤く白熱しながら空を飛ぶシーンは、書いていて非常に「熱」が入りました(笑)。

前回の香川に続き、四国の名所がどんどんサイバーな要塞に書き換えられていきます。

次は、四国三県目――。

荒れ狂う太平洋、そして「龍」の魂が眠る地・高知へと向かいます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ