第八話〜策略
こんぬづわ。書かせていただきました。今度 複雑な展開になっていきます。お楽しみいただけましたら幸いです。ラストまで何とか持って行きたいです。無理かな?
「な、なんだい?」
自らの運命を悟ったのか、声は非常に小さかった。彦左衛門はしかし、微笑んでみせた。
「あのな、カーシャ婆さん。よく聞けよ。婆さんたち、さっき自立自走白木馬の話、してたよな?覚えているだろう?」
有無を言わせぬ口調だった。カーシャも恐怖を感じてか、急に体中で震えだした。それてすっとぼけた顔で口を開く。
「あら。そうだったかねえ。そうだったような気もするんだけどね」
「惚けたって無駄だよ、婆さん。オレはあんたか、さっきの婆さんか、どちらか、或いは両方が木馬を持っているのを知ってるんだ。だから大人しく喋っちまいな」
カーシャは無言。年寄りにしては あるいは年寄りだからか、なかなか強情で石が強いようだった。
「これが見えるか?」
彦左衛門は、頭陀袋から、赤色そら豆鉄砲を取り出し、照準をカーシャの頭に向けた。距離は三メートルとない。よもやこの距離ではずすとも思えなかった。カーシャもそれを知っていた。しかし、カーシャには余裕があるらしかった。
「これでゴミ拾いの運営さんに通報してもいいんだよ」
そして、手のひら大の四角い器機を翳してみせる。
それは?彦左衛門は尋ねた。
「通信機器さ。最近のは小さいだろう。さっきから手にしていたのまけれも、気づかなかっただろう?」
カーシャは薄く笑った。してやった(さりというところか。
それは紛れもなく携帯電話のようであった。輸入のか、この国で生産してるようなもよなのか、わかりはしなかったが。
既に通話状態になっていて、このやりとりも謡曲に筒抜けなのかもしれない。そう思うと、恐怖に足がすくんだ。AI ロボットが彼を検挙しに錦にやってくるのかもしれなかった。
あ!そういえば、さっきカーシャが窪地の中で独り言を言ってたのも、何者かと通話していたのかもしれなかった。きっとあっちの婆さんとの通信かもしれなかった。
ならば、老婆 2人は彦左衛門を罠にはめようと 最初から 企んできたということなのだろうか?絶望するしかなかった。
そして、どうやらこの場を煙に巻くには、目の前の老婆を殺すしかないという結論に至ってしまったのだ。錯乱していたのかもしれない。それでも 照準をしっかりと合わせ、引き金をひいた。
すっぽん、という頓狂な音が辺りに響いた。赤色鉄砲の発射音だ。
老婆の頭 スイカが割れるように 赤い液体を飛翔 させ、すぐに形がなくなった。今まで立っていた老婆の体は、ぐにゃりという感じで倒れ、やぎて泥に飲まれていった。
この世の中で、彦左衛門がひとごろしを犯してこなかったとは言えない。いっっとして 誰も信じないだろうし。
静寂のあたりを支配した。モズビーは、銃声を聴いただろうか?何かを察知したろうか?
しかし、先ほどカーシャと通話して連絡の作戦を練っていたかもしれないのだ。帰ってくるまでは 油断できそうになかった。
まぁ、たかだか年老いた女が一人なのだがな。彦左衛門は自分に言い聞かせた。
お読みになっていただけまして 誠にありがとうございました。次話もどうぞ楽しみにしていただけましたら幸いです。




