第六話〜騙し騙され
こんばんは。展開が定まってきました。だんだん 書きやすくなってくるような気がします。伏線張りまくりたいです。シルスイとか、カカトカジリみたいのを登場させたいです。誤字脱字などは逐次修正、更新しております。
モブリーは返事を聞かずに立ち上がった。泥だらけの地面で立ち上がること自体が老体にはひと苦労であったが。
しかもそこは、窪地なのだから、中に少しずつ川の水が浸入してきて、とても快適とは言えなかった。
「どこへ行くのだい、婆さん?」
彦左衛門の声。
「隠し場所があるんだ。そこに肉は隠してある。おっと、その隠し場所はあんたにも教えないよ。知ったらきっと奪いたくなるからのう。そうじゃろそう思うじゃろ?」
彦左右衛門は黙っていた。喋ると手の内を見せてしまいそうで恐いかったからた。正直今の空腹は尋常なものではなかった。しばらく漁に失敗し続け、泥川の中に棲息するヒトミヤハダカ魚さえ捕獲出来なかったのである。川緑に繁茂するチチブヤグサさえ、他の者に先を越され、もはや採りつくされているようだった。当分、芽は出てこないだろう。
──しかし、あるところにはあるものなのだな。
彦左衛門は、幸運に恵まれたのを喜んでいた。
いや、しかし、食料の貯蔵庫のようなものをこの老婆たちはシェアしていふらしい。どのくらいの規模で食料を保有しているのかはしらないが、この老婆たちの余裕のある表情からすれば、当分安心できる程の量を抱えているのかもしれなかった。
問題はその場所だ。老婆はそそくさとそしてコソコソとあっという間に、背の高いヒトシロナズナ草の群の中に消えてしまった。ヒトシロナズナ草は毒を持っていて、食用には向かないので、誰も採ろうとはしないのだ。
──そうか。ならば、吐かせてしまえばいいのだ。所詮相手は歩くのもやっとな老婆二人。拷問にかけたり、場合によっては身体を傷つけるのだってさして苦労はしないだろう。
彦左衛門は考えていた。そんなことを知る由もないカーシャが、窪地の底でぶつぶつと独り言を言っていた。彦左衛門は気になって、何を言っている?誰かと喋っているのか?と訊いたが、老婆に反応はないのだった。
──なんとかして、この老いぼれどもの口を割らせたいものだな。
東芝彦左衛門は、モブリーの帰りを待った。実に久しぶりに食べる肉はうまいに違いなかった。早く食べたいものだ。そして、もっと大きな獲物を得たいものだ。
考えていた。
になっていただきまして誠にありがとうございました。次話をお楽しみに。よろしくお願い申し上げます。




