03 エンディング
●クライマックスフェイズ
金生:シーンが変わったってことは、《ラビリンス》の効果は切れたよね!
GM:はい。皆様、改めて登場侵食率を上げてください。
三人:(ダイスを振る)
GM:そして、飯原の殺気に中てられて、衝動判定というものが発生します。〈意志〉で目標値9の判定をしてください。
架織:(ダイスを振る)成功しました!
狩魔&金生:(ダイスを振る)失敗!
GM:失敗した人は、「暴走」というバッドステータスを受けてください。
架織:暴走すると、どうなっちゃうんですか?
GM:演出としては、キャラクターを作る時に決めた「衝動」に従って動くようになります。データとしては、攻撃を受けたときに回避したりガードしたりすることが出来なくなりますね。さあ、暴走した二人、お前たちの衝動は何だ?
狩魔:加虐ですもんで。
金生:闘争っすね。
GM:どっちも敵と戦うのにためらいがなくなるタイプの衝動だったー!(一同笑)あ、衝動判定をしましたので、2d10侵食率を上げてくださいー。
架織:成功してもですか!?
GM:成功してもです!
◆第一ラウンド◆
GM:では、ここからはイニシアチブ順に行動していきます。まずは14の金生から!
金生:はいよ。じゃ、全力で撃つよ。《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《ペネトレイト》《小さな塵》《踊る髪》《天からの眼》!(ダイスを振る)達成値は29!
GM:こちらは《イベイジョン》で達成値12に固定されてるので、当たるよ。
金生:(ダイスを振る)じゃ、ダメージが31。
GM:は!? ダメージでかくない!?
金生:(嬉しそうに)フォールンライフルなめてもらっちゃ困る。
GM:あっ! そうだったコイツ!! くそー……《隆起する大地》でダメージ軽減!(ダイスを振る)ふぅ、これで全部止めた。
金生:ありゃ、残念。
GM:では次、狩魔!
狩魔:私は待機。
GM:じゃあ、お次は架織さん。
架織:はい!《ハンドレッドガンズ》で銃を作って、《カスタマイズ》《コンセントレイト:モルフェウス》!(ダイスを振る)達成値が35です!
GM:当たった! ダメージどうぞ!
架織:(ダイスを振る)25点です。
GM:このラウンドはもうダメージ軽減使えないから、それは食らう……。
金生:なるほど。僕の役割はダメージ軽減エフェクトを使わせて、長月さんの攻撃を通すことか。
狩魔:だね。
GM:では次に、狩魔の従者!
狩魔:じゃあ、白銀が噛むよ(ダイスを振る)9……外れたー。
GM:ではこちらの番! こっちは人数分攻撃できるエフェクトが……って、金生はどれくらい離れてる?
金生:フォールンライフルの射程が200メートルだから、200メートル離れてるよ。
GM:じゃあ届かねーじゃねぇか! くっ、鬱陶しい!!(一同笑)まあいい、架織と狩魔と従者に攻撃!(ダイスを振る)達成値は21だ!
狩魔:まず、本体は暴走中なので回避振れない。そして白銀が(ダイスを振る)7なので当たった。
架織:(ダイスを振る)13です、当たりました。
GM:ダメージは22点!!
架織:まだ倒れないです!
狩魔:白銀はさようならで、本体はまだ立ってる。
第二ラウンドで、狩魔は新たな従者、影田くん(人型)を召喚。他は最初のラウンドと同じような動きをする。
なお、金生は暴走のバッドステータスを解除してから狙撃をした。
その後、第三、第四ラウンドと確実に攻撃を当ててはするものの、ダメージ軽減エフェクトにより、致命傷は与えられず。
そして、第五ラウンド。
GM:……これ、飯原が金生の方に行けば、こっちが一方的に攻撃できんじゃね?
金生:げっ!
というGMの作戦により、《縮地》を使って200メートル離れた位置に居た金生の目の前に現れ、攻撃をする飯原。
金生:倒れた。……タイタス使って復活するか、倒れたままにするか。
狩魔:このラウンドは、タイタス使って欲しい。私に考えがある。
金生:お、OK。
という会話の直後、待機していた狩魔が人質にされていた中西悠を確保。通信機越しに飯原に聞こえるようにこう叫んだ。
狩魔:人命第一です! 一時撤退しましょう!!
その狩魔の言葉に、飯原はギリリと歯を鳴らし、架織を逃がすまいと再び《縮地》を使用して架織達の元に戻る。
そこに金生が放った狙撃が当たり、飯原は倒れたのだった。
金生:ふぅ。びっくりした。
狩魔:架織さん、中西さんをお願いします。
架織:わかりました!
狩魔:GM、飯原はジャームですか?
GM:〈不死者〉というDロイスを持った、FHの構成員ですね。
狩魔:ということは、UGNとしてはジャームという扱いになりますね。とどめを刺しておきます。
架織:え……。
GM:このゲームでは、戦闘不能になったまま、とどめを刺さないで次のシーンに行くと、生き残ることができちゃうんですよ。
狩魔:なので、そうならないように処理した、というわけです。
架織:なるほどー……。
●バックトラック
GM:さて、皆様現在の侵食率は、いーくつ?
架織:128%です。
金生:157%。
狩魔:118%だけど、残りロイスは2つ。
GM:というところで、これからこの侵食率を下げて、日常の世界に戻ってきていただきます。振れるダイスの数は、残ってるロイスの数によるので、各自計算して振ってください~。
このバックトラックの結果、全員が無事、日常に戻ることができたのだった。
●エンディングフェイズ
01 得られなかったもの シーンプレイヤー:狩魔 人
GM:それでは、皆さん無事に戻ってきたので、エンディングに行きたいと思います。何かやりたいことある人?
狩魔:私はペットショップに居ます(一同笑)
GM:では、今度の店員さんは(ダイスを振る)うん、清楚系の落ち着いた雰囲気の店員さんがいますね。
狩魔:あ、ここに居たワンちゃん、売れちゃったんですね……。
GM:「あ……そうなんですよー。欲しいと思ったときに買わないと、二度と出会えなかったりするんですよねぇ……。」
狩魔:そうですか……残念です。と、とぼとぼとペットショップを後にします。また、飼えなかった……。
GM:というところで、三笠原さんから連絡が来ます。
狩魔:ああ、はいはい。どうしました?
GM:「どうしました、じゃないですよ! 大変なことが起きてるんですー!!」
スマホ越しに聞こえる三笠原のぞみの声に、狩魔は我知らず笑みを深くする。
そう、レネゲイドの蔓延するこの世界で、“何事もない”ことなどあり得ないのだ。
これでようやく、「らしく」なってきたじゃないか。
自らに魔を宿しながら魔と戦う人の物語は、ここからまた紡がれていくのだ――――。
02 お願い シーンプレイヤー:金生 涼太郎
金生:はい! 長月さんとお話したいです!
GM:お! じゃあ登場してください。もう登場侵食率は上げなくていいよ(笑)
架織:はい(笑)じゃあ、登場します。
金生:では、支部の屋上あたりで。――――今回は、大変だったね。
架織:……はい。
金生:でも、長月さんがしっかりしてて良かったよ。
架織:え?
金生:東や飯原に誘われた時にさ、ちゃんと断ったじゃない。ああいう風に力を求められたら、悪い気がしないって誘いに乗っちゃう子もいるからさ。長月さんがそうじゃなくて、良かった。
架織:こちらこそ、守って頂いてありがとうございました。悠ちゃんも無事だったし。
金生:それはまあ、僕の仕事だからね。……それで、なんだけど。
架織:はい?
金生:うちの支部、僕と支部長しか人員がいなくてね。荒事はともかく、情報収集に非常に不安があるというか(一同笑)
架織:(笑)
金生:なので、これからも、主に情報収集でいいんだけど、力を貸してもらえると助かるんだ。……どうかな?
架織:はい、是非協力させてください。
金生:ありがとう! それじゃあ改めて、よろしく“箱入りの銃”。
架織:はい、よろしくお願いします、“堕とす弾丸”……さん。
照れくさそうに言った架織の頬を、やさしい風が撫でていったー―――。
03 始まり シーンプレイヤー:長月 架織
GM:架織さんは、何かやりたいことありますか?
架織:えーと、悠ちゃんはその、襲われたこととか覚えてるんでしょうか?
狩魔:UGNが記憶操作してるので、覚えてないです。
GM:そうですね。あの日、夕方くらいから記憶がなくて、いつの間にか家で寝ていたって感じになってます。
架織:おお、なるほど。
GM:「なんかさー、これってヤバくない?」
架織:うん! マジヤバイって! ちゃんと休んだほうがいいよ!
GM:「なぁんか擦り傷みたいのも出来てるしー。」
架織:まあ、知らないうちにちっちゃい怪我してることって、あるよね?
GM:「ああ、それはそうかも。」
親友と交わす、何気ない会話。
この日常が今回脅かされたことを、彼女は知らない。
そして、自分は知ってしまった。
自分はあとどれだけの時間、モラトリアムを過ごせるのだろう?
そして大人になった時、自分はどうなっているのだろう?
願わくば―――――――…………。
彼女の箱が開く刻 終