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転生します。

頑張って定期的に更新します。

 上も下も真っ白。

 というか、全てが輝いてる?

 地面があるのかないのか、そもそも上下の感覚も曖昧。

 目の前に手をかざしてみたが、何も見えない。

 というか、体がない?!

 意識はあるが体の感覚が無い!

 俺が自分の身に何が起こったのか頭を悩ませてると、いきなり頭の中に声が響く。


『混乱しているようだね。大丈夫君はまた生まれ変わることができるから。また人生をやり直すといいよ。』


 生まれ変わる?どういうことですか?


『言葉通りだよ。また赤ちゃんとして生まれてくるんだ。おっと、今いる世界とは別の世界だよ。なんと、今度の世界には魔法があるんだよ。』


 え、それは異世界転生というやつですか?


『うん、まぁ、そう言えなくも無いね。』


 じゃあ、チートスキルとか貰えるんですか?


『チートスキル?何で?』


 でも、異世界転生ものとしとは常識じゃあ?神様が間違って死なせてしまったとかでしょ?


『言ってる意味がよくわからないなぁ。そもそも神様は間違いなんて起こさないよ。時間さえ超越した存在が個人の寿命なんて関知するわけないでしょ。そもそも僕は神様じゃないよ。』


 じゃあ、あなたは何者なんですか?


『自分が何者かなんて考えたことないなぁ。敢えていうなら魂の管理者かな?』


 では、何故俺を転生させるのですか?


『転生は別に特別なことじゃないんだよ。体が死んでしまっても魂の寿命が残っていたら、僕が転生させるんだよ。それに人間が生きる世界は無数にあるから、そのひとつに君を転生させるだけの話さ。もちろん記憶は消してね。』


 そうなんですね。ところで俺は何で死んだんですか?確かボクシングのタイトルマッチをやっていたはずなんですけど…思い出せない。


『そうだね、君はボクシングの試合に判定で勝ったみたいだね。試合終了後にリング上で倒れてそのまま死んだんだよ。急性硬膜下血腫ってやつだね。』


 俺勝ったんですか?全く覚えてないやつ…


『どうやら最終回に、リング上に落ちた汗で足を滑らせた時に、良いパンチをもらったようだね。君は何とか立ってゴングを迎えたんだけど、勝ち名乗りを受けたらすぐに倒れたよ。正確には無くなったのは3日後。手術は受けたけど、切れた脳の血管が太くて出血が多く、ダメージが大きかったみたいだね。』


 よく知ってますね。俺も知らないのに…


『君の肉体の記憶を辿ったのさ。他にもいろいろ知ってるよ♩例えば君がボクサーを目指した理ゆ…』


 わかりました!わかりました!もう結構です!

 ところで、何で日本語話せるんですか?


『話す?ははは、僕が声を出してるかい?これはただの意思疎通だよ。君の問いに対して僕が答えの意思を送ってるだけ。日本語として認識しているのは君自身さ。』


 だいたいわかりました。

 俺は試合には勝てたんですね。

 それが聞けたら満足しました。

 お忙しいのに、長々とお話しさせて申し訳ありませんでした。


『ははは、ここには時間という認識はないから大丈夫さ。それに僕は無数の並列意識があるから、同時に何人でも相手にできるしね。じゃあそろそろ行くかい?因みに君の魂は2回目の転生さ。前世はそこそこ強い剣士だったみたいだよ。そうそう、チートスキルは無いけどさ、身につけた技術はセンスとして受け継がれるよ。君がボクシングで強くなれたのも前世で剣士だったかも知れないね。』


 そうですか。でも今度は魔法も使ってみたいな。


『それも努力次第さ、さぁいってらっしゃい。良い人生を。』


 こうして俺は生まれ変わった。


 ただ、全知全能の管理者は俺の記憶を消すことを失念してしまったようだ。

読んでくださってありがとうございます。

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