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1/2 心に響く言葉の鐘  作者: 寝るL
7/14

結衣視点 その2


今更ながら、ドキドキしてきた

初めての家出、初めてのナンパ、初めての男の人に手を掴まれて、初めての男の人の部屋

豊…さん、今まであってきた男の人とはちょっと違う、変な人、正直な人、大人なのに…なんだか

考えながら豊さんの後ろを歩いていると、豊さんが突然とまる。


結衣「いた…」

豊さんの背中にぶつかった。あれ…ここって


結衣「あ…あのー立ち止まって大丈夫ですか?」

豊「は!、考え事してた!えーっと…あぁここのマンションの三階に俺の部屋があるんだ」

結衣「ここ…ですか。」


ここのマンションって私の家の隣りいい!

豊さんが住んでいるマンションの隣のマンションに私の家があるって、すごい偶然!


豊「ここが俺の部屋だ」

結衣「…お邪魔します。」

豊「少し散らかってるけど、適当に座って」

結衣「は、はい」


きょろきょろしちゃダメってわかってるけど、気になってしかたない。

初めての男の人の部屋、一人暮らし…だよねでも、部屋が二つある?

もしかしてすごい人?


豊「さーって、料理のほうは大丈夫かな?」

豊「お、割と大丈夫そう、お腹空いてるでしょ?」


う…ちょっとお腹空いてる…


結衣「お構いなく、それにしても料理の量が多いですね」

豊「実は俺、今日誕生日なんだよねー」

結衣「え、実は私も…」

豊「えぇぇ!?」


こんな偶然があるんだ、誕生日が一緒だなんて…


豊「ま、すごい偶然だけどこうゆうこともあるよね」

結衣「さっぱりしてますね。…ちなみにお年はおいくつですか?」

豊「今日で36歳だよ、とうとう30代後半だよ。ハハハ」

結衣「36歳ですか…もっと若いと思ってました。」


36歳…外見はもっと20代と思っていたのに、でも本当にいい大人なんだなー


…あ、私の歳の倍、豊さんの歳の


『1/2』


結衣「あの…」

豊「一緒に食べる?」

結衣「はい!」


美味しい、家族以外でご飯なんて、友達以外なかった。

ドラマでよく町の人たちと夕飯なんて経験はなかったし、親戚なんていないし


豊「お… は入… …ね?ちなみ… …なんて無… ことは… いから安心して」

結衣「… …」


え?豊さん?


豊「俺、先に入るね」

結衣「え、あ はい」


うーん、考え事しててなんて言ったのかわからないまま返事しちゃった。

お風呂、入りたかったな、初めて尽くしで変な汗かいたし、


… 


豊さんがお風呂に入って、数分経過

やっぱり気になる、初めてお邪魔する男のお部屋でも、どんなものがあるのだろう

きょろきょろしてしまう…って、ソファーの上にノート発見!

お仕事のノートかな、興味本位で開いてしまった。企業の秘密だったら絶対に口にしないと心に決めた、けど

そこには想像よりも斜め天井を行くことが書いてあった。


結衣「なに…これ、小説?」


見た目は普通のサラリーマンさんだと思ってた。家賃も高そうな部屋で暮らしてるし

小説を描いてる~…とは思えない、もしかして編集って職業な人なのかな?

…そうなると、気になる隣の部屋が、もしかして


悪気はなかった、隣の部屋に入ることがこんなにもドキドキするなんて、

豊さんなら…って甘い考えはあったと思う、でも開けてしまった隣の部屋の扉を


結衣「す、すごい」


部屋には昔のアニメの本や漫画本、ロボットの描き方やキャラクターの描き方


結衣「この機体、す、すごく書き込まれている。どうしたらこんなにも、あ」

結衣「背景の本、背景の描き方…あ!建物の描き方まで」


自分でもわかっていた。建物、風景・背景、子供の頃から好きだった。自分で描くのが好きだった。

…お母さんが好きだった物、初めて褒めてくれたこと


結衣「この背景…素敵」


いけない、部屋に入ったこと自体、豊さんを裏切る行為だ。ここの部屋は見なかった。

豊さんがお風呂から出てきたら再度ここの部屋に入りたいって申し出よう、

部屋から出ようと思った。でも目の中に入ってしまった。

小さい机の上にあるノートを、すごく気になってしまった。


豊さんは、私の知らない世界を、私の小さかった世界を広げてくれる、

誘惑に…負けてしまった


豊「…見てしまったのだな」

結衣「!、ご ごめんなさい、見るつもりはなかったのですが…あの…その」


本当半分嘘半分、怒られる…ごめんなさいぃ


豊「で…どうだった?」

結衣「どう…って」

豊「見たんだろ!俺が考えた中二病のセリフの数々を!」



中二病とは…豊さんは明らかに大人の人で病気なのだろうか、もしかして伝染病なのでは?

いやいやそんなこと聞いた事がない、でも…すごく精神的にダメージを負っているのは確かみたい、

ブリッチして小刻みに震えてる、そんなになるまで酷いことをしてしまった、ごめんなさい


豊「… …みっともないところを見せてしまった。申し訳ない」

豊「あああごめん!怖がらせちゃったね!怒ってないよ。ほんとに…、…」


取り乱してしまった。切り替えていこう


結衣「い いえ、こちらこそすいませんでした。部屋に勝手に入って更に秘密にしていた。その…このノートを」

豊「ぐは!」

結衣「ええぇ!?」

豊「だ だいじょぶです。で…その、どうでした?」


どうの意味がわからない。ノートに書いてあるセリフのことでしょうか。


結衣「どうって、この『世界は俺の味方じゃない!俺は俺自身の味方であり、世界が敵だ!!』とか

結衣「『戦いに勝つためにはステータスやスキルがすべてじゃない!俺を信じる心の強さだ!』とか

結衣「『ふぅ…お前が負けたのはお前自身の心の弱さだ」、って豊さん!!大丈夫ですか!!」


って、豊さんが急に倒れて、横になって泡を吹いてる。


数分後

豊「俺が、その日のノリで書いた中二病セリフを、若い女の子が口に出して喋る日がくるとは、想像すらしなかった。」

結衣「うふふ」

豊「気持ち悪いよね、36にもなってこんなおっさんが中二病セリフとか小説を書いてるなんて…」


あぁ、豊さんが目に見えて落ち込んでる


結衣「違うんです。そうゆう意味じゃなくて、その…」


あぁ、豊さんが涙目で私を見ているぅ。


結衣「いや…その、とても特徴的な詩ですね」


苦笑いするしかなかった。


結衣「あ!…その物語!豊さんが書いた物語を読んでみたいです。」


私は軽く手を叩いた


豊さんは少し渋っているようで、考えてる。

読んでみたい豊さんの物語を


豊「…わかった。ただ…面白くなくても、時間の無駄だった。とか言わないでね」

結衣「はい、絶対に言いません。」


ソファーの上にあった小説の先が気になる、少ししか書いてなかったから

その先が気になる、あ パソコンの中にあるのね


豊「えっと…、まだ誤字脱字とか話を煮詰めなくちゃいけない部分があるんだけど…」

結衣「わかりました。」



時々休憩をいただいて、2時間か3時間?が過ぎようとした時、メモ帳が閉じられた。


最後まで見て、言葉に詰まってしまった。


豊「結衣ちゃん?」


涙が少しづつあふれてくる、豊さんはいち早く感想を聞きたいと思うけど。

まだ、もう少し余韻に浸りたい


豊「えーっと、結衣ちゃん?」


ダメ、今の顔はきっとくしゃくしゃな顔になってるに違いない

手で隠さなくちゃ…


豊「結衣ちゃん、泣いてる?」

結衣「… …はい、だって、主人公が途中でこの子がいなくなることを察して、でも最後まで涙を見せないとがんばって…」

豊「えーっと…この物語は同人ゲームの二次創作で、名前もないキャラが主人公なんだ」

結衣「グスン…はい」

豊「で、このキャラの種族名がロボットゲームの名前と一部合ってたんだ。そこからこの物語ができた」

結衣「え?、え??、たったそれだけでここまで話を作ったんですか?」

豊「はい、でも途中で出てくる怪獣はゴ〇ラのビオ〇ン〇がモデルになってるんだけどね」

結衣「ゴ〇ラって名前は聞いた事がある気がします。…ってロボットゲーム?」


ロボットゲーム、あのゲームだろうか、ロボット…機体、リアル系かな?スーパー系かな?


豊「ロボットゲームやってみる?」

結衣「はい!是非!!それと…二次創作の元になった同人ゲーム?もできたら…」


主人公も気になる、同人ゲーム…わからないけど、どんなゲームだろうか



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