その5
今日は初めて尽くしだ。
女の子をナンパから助けだし、部屋に泊めてほしいと女の子に言われ部屋に泊め、女の子に俺の中二病ノートを見られ
何を血迷ったか、野望のために書き溜めていた物語を見せるなんて
そして、現在深夜の2時すぎ俺も仕事終わり、結衣ちゃんも疲れていると、思うんだけどなぜだろ
結衣「操作が難しいのです。」
豊「俺も最初は挫折してたよ、期間をおいてプレイするってのを繰り返してたらうまくなった。」
結衣「でも、うん…すごいです。この機体の精密度…とてもリアルです」
ん?今ロボットではなく機体って?
結衣「あのー豊さん、もう一つのゲームお願いできますか?」
豊「あぁ、ちょっと待ってね」
次のゲームはシューティングだ。
結衣「… …この白い玉を避ければいいのですか?」
普段はゲームをやらないのかな?シューティングってジャンルを知らないようだ。
結衣「うぐぐ… …ん、難しいです。でも女の子、かわいいです。」
結衣「物語に出てくる女の子はどこで出てくるのでしょうか?」
豊「あ、やっぱり気になる?ちょっと待ってね」
俺はその子が出てくるところまで進めた。
豊「この子だよ」
結衣「え…名前も技名も出てませんよ?」
豊「うん、種族名は原作者があとで語ってる、名前はない」
結衣「物語に出てくる機体は?」
豊「それは二次創作で原作には出てこない、ってゲームの名前が似てるってだけで機体は完全オリジナルだけどね」
結衣「なるほど、だから最初のゲーム…」
少し引っかかっていた。
豊「結衣ちゃん、ちょっと聞きたいことが」
結衣ちゃんはロボットゲームをプレイしていた。
豊「結衣ちゃん、さっき『ロボット』じゃなくて『機体』って」
結衣ちゃんの指がピタリと止まった。少し震えてる?
結衣「… …笑ったりしませんか?」
豊「絶対に笑わない」
結衣「紙と鉛筆ありますか?」
結衣ちゃんに紙と鉛筆…がなかったのでシャープペンシルを渡した。
渡してから数分がたった。
豊「!!!!」
ラフ絵だったがその出来は想像よりも斜め天井をいっていた。
豊「すごい!最高にうまい!すげー!」
俺の常識では、人体絵がうまい人は多いと思う。でもリアルロボットを描ける人、
しかも二十歳の女子がいるなんて想像していなかった。
結衣「どうでしょうか…?」
豊「すごい!最高にうまいよ!すげー!!!」
俺は子供のように興奮した。数分でこのクオリティ!プロか!?
結衣「同じ言葉を二回言わなくても…」
結衣ちゃんは髪の毛を指でくるくる回している
豊「ロボット、好きなんだね。」
結衣「…うん、好き…です。」
なんだろう、少し歯切れが悪いけど、あ
豊「結衣ちゃん!」
結衣「はい!?」
豊「結衣ちゃんに頼みたいことがあるんだ、機体の俺が描く最高のロボットを描いてくれないか?」
ここであったのも何かの縁、有料でならネット上にいくらでもいるだろうだけど
注文を出して、最高の機体を目の前で描いてくれるなんて願ったりだ。
結衣「あのー…、その私も唐突すぎて、今すぐ答えは出せません…」
豊「うん、構わないよ」
結衣「で、でも、挿絵を描くことになるのですよね?」
豊「え?挿絵?」
結衣「…え?違うのですか?」
豊「あぁ、…実は小説じゃないんだよ。」
結衣「え、小説じゃないのですか?」
豊「そう、これは野望、昔から作りたかったもの、それは動画!」
結衣「野望?動画を作るですか?」
豊「ハハハハハ!!、我!編集技術も音響技術もそれなりに向上した!だがしかし!絵だけは…美少女絵と機体のロボットの絵が無理だった…」
豊「ああ、それと絵の依頼代金出します。」
結衣「…ええええ、いらないです。」
豊「そうはいかない。この絵だったら有料で買いたい人いっぱいいるし、できたら専属にしたいくらいだ。」
結衣「… …」
ん?あぁ有料でもやっていけるって褒められたのがうれしかったのかな?髪の毛をクルクル回してる。
豊「ってんん?結衣…ちゃん」
結衣ちゃんは寝てしまった。深夜4時半を回っているし、緊張の糸が切れたのか。心なしか寝顔は笑顔だった。
だが!最大のクエストが発生した!
豊「結衣ちゃんをこのままにすると風邪ひいちゃうかもしれないよな…」
ベットから離れた場所で寝てしまった結衣ちゃん、ベットに運ぶには…俗にゆうお姫様抱っこをしなくてはならない。
豊「俺の腰大丈夫だろうか」
見た感じ、結衣ちゃんはそんなに体重があるとは思えない。念のため
豊「結衣ちゃんー、このままだと風邪ひいちゃうよー」
結衣「… … …スゥー」
オキナイ、俺も男だ、と言いたいが邪な感情よりも
豊「ここで変な事をして、『豊さんの為に絵描きません!』って言われるのが困る」
お姫様抱っこなんて初だ、どう持てばいいのかアニメの知識しかない。
豊「失礼しますよーっと、お?」
顔が結衣ちゃんの胸に近づく…
豊「特に気にしてなかったけど…いい匂い」
いけない、邪念は捨てるんだ!強引に手を体のしたに滑り込ませて腰に負担がないように持ち上げる。
豊「よし」
俺の腰は無事のまま結衣ちゃんをベットに運ぶことができた。
結衣ちゃんに毛布をかけて、となりの部屋のソファーで横になった。
豊「俺の野望の為に一歩前進、あとは…仕事か」
そう、俺は14年勤めた会社を辞めようと動いてもいた。
もう一つの野望、不労所得を得て好き勝手生きていけたらと思っていた。
その準備も出来つつある、
豊「取り合えず明日考えるか…」
今日あった出来事を振り返る間もなく寝てしまった。
次回は結衣ちゃん視点になります。