その3
俺は初めての犯罪を犯してしまったかもしれない…
当人は二十歳を申しておりますが、免許証を拝見したわけでもない。
未成年だったらワイ詰む、人生詰む…あぁーどーしたら
結衣「あ…あのー立ち止まって大丈夫ですか?」
豊「は!、考え事してた!えーっと…あぁここのマンションの三階に俺の部屋があるんだ」
結衣「ここ…ですか。」
ここのマンションは、会社の罠だった。そして、若かりし過ちの一つ、職場に近い、極端に近い、
当時俺は 職場に近い部屋でラッキー っと思っていた。
が、しかし、会社側の本音は、サーバーに不具合があった場合、すぐ駆けつけてくれる人員がほしかった。とのこと
不具合や突然の顧客の無理難題に対応するため、休みとゆう名の待機とゆうわけだ。
ま、何もないときは何もないし、一人ぐらしなのに部屋が三部屋あるし、会社が家賃の半分以上出してくれるからいいのかな?
豊「ここが俺の部屋だ」
結衣「…お邪魔します。」
豊「少し散らかってるけど、適当に座って」
結衣「は、はい」
俺は台所に向かった。
豊「さーって、料理のほうは大丈夫かな?」
男たちを振り切るためにダッシュしたからなー、料理はぐちゃぐちゃになってなければいいんだけど
豊「お、割と大丈夫そう、お腹空いてるでしょ?」
結衣「お構いなく、それにしても料理の量が多いですね」
豊「実は俺、今日誕生日なんだよねー」
結衣「え、実は私も…」
豊「えぇぇ!?」
こんな偶然があるのだろうか、誕生日が一緒だなんて…
豊「ま、すごい偶然だけどこうゆうこともあるよね」
結衣「さっぱりしてますね。…ちなみにお年はおいくつですか?」
豊「今日で36歳だよ、とうとう30代後半だよ。ハハハ」
結衣「36歳ですか…もっと若いと思ってました。あの…」
豊「一緒に食べる?」
結衣「はい!」
会社の同僚以外の人とご飯を食べるなんて何年振りだろうか、
ご飯を食べながら改めて、目の前の女の子、結衣を見つめてみる。
身なりは整っていて、顔も小さく美人とゆうより可愛いといったほうが近いだろう。
って、服装に気づいてしまった。近くの高校の制服だよな…いや勘違いだ。
コンビニの時は服装なんて気に掛けるほど余裕はなかったし、公園で話したときは混乱してたし、薄暗かったし
俺は何も気づいていない…って高校生?もしかして18歳だったりして、あ
もし18歳だったら、俺の歳の『1/2』か…
少し遅い夕飯を食べ終わった。本当ならノンアルコールを片手に野望を進めるつもりだったけど…今日は疲れた。
お風呂に入ってもう寝よう
豊「お風呂は入るよね?ちなみに覗くなんて無謀なことはしないから安心して」
結衣「… …」
さすがに警戒はするか、まー仕方ないよな
豊「俺、先に入るね」
結衣「え、あ はい」
いつもならさっと体を洗って出てしまうのだけど、今日ばっかりは色々と考えてしまう。
仮に18歳なら完全にアウト、結衣次第で俺は罪に問われるし、今の会社も辞めることになるだろう。
それはそれでいいか、ブラック企業で明らかに寿命が縮まってるし…もう部屋に入れてしまった時点で後には戻れない。
なるようにしか…ならないんだ
20分は経過したと思う、風呂から出てきてリビングを見る…結衣の姿がない
どこへいったのだろう、トイレ…じゃなさそうだ
寝室か?…!ふとよぎってしまう、本当に結衣が寝室にいるのなら「あれ」を見られてしまう。
予想は悪い方向に的中してしまった。
豊「…見てしまったのだな」
結衣「!、ご ごめんなさい、見るつもりはなかったのですが…あの…その」
俺の心臓は跳ね上がる、今まで誰にも見られたことなんてなかった
色々とありすぎて、存在を忘れていた、このノートを机の上に出しっぱなしだったことを
俺は下を向き半笑いの状態を言った
豊「で…どうだった?」
結衣「どう…って」
豊「見たんだろ!俺が考えた中二病のセリフの数々を!」
部屋には動画の作り方の本やアニメーションの作り方、
二次元絵の描き方、ロボットの描き方、3D作成の本までも…親にも隠していた密かな野望が
出会って2時間も経っていない女の子にばれてしまったのだ。