最初の動画 その5
結衣ちゃんのパソコンの先生になることとなった次の日、会社からのスマホをサイレントにして部屋を出た。
豊「さすがに今日は休ませてもらうぜ」
そう独り言をいってマンションから出たのだった。なぜ外に出たとゆうと…昨日
豊「ふー、久しぶりにまともな風呂に入った気がするぜっとLINEが来てる」
結衣ちゃんからだ、
結衣「明日、出かけませんか?」
デートのお誘いとは!
結衣「動画に使う建物の背景の参考画像がほしいので…」
なるほどね、
豊「了解、図書館にいこうか」
結衣「はい!よろしくお願いします。」
ってことで図書館デートになりました。
大人になったといえデートって響きはドキドキするもので何カ月ぶりかに私服を着ました。
マンション前で待ち合わせすることに
結衣「豊さん、お待たせしました。」
おぉ、これが現役女子高生の私服、まぶしいぜ
結衣「あ…あの…」
豊「似合ってるよ」
自分でも驚くほどに自然と出た素直な感想
結衣「えへへ…」
髪の毛をクルクルしている…
豊「じゃ行こうか」
結衣「はい」
電車に乗って数駅、図書館に着いた。
二人して1話の洋館にあった背景の本を探した。いくつか持ってきては二人で話あって
それっぽい写真を見つけるも角度が気に入らないとか、イメージが合わないとかで却下されることがたたあった。
結衣ちゃんは建物にもすごくこだわりがあるようだ。
妥協があるもののいくつかの写真集を借りることにした。
だが
結衣ちゃんは納得できていないようだ。
豊「(うーん、どうしたもんだか…)」
電車に揺られながら、スマホで近くに洋館があるか調べていると
豊「あ…ここ」
結衣「どうしました?」
豊「次の駅、歩いて数分のところに洋館があるらしい」
結衣「本当ですか?そこ行ってみましょう」
写真ではなく実物を見に行くことに
… …
駅を降りて徒歩数分、目当ての洋館に到着した。
ネットにアップされていた写真と実物はさすがに違っていた。
写真に写っていない風景、角度を変えるとまた変わった背景。
そして…俺の横には笑顔の結衣ちゃん…、来てよかった。心からそう思った。
結衣「豊さん!どうですか?この角度!」
豊「あぁ、この角度ならそのまま使えそうだ」
笑顔で、無邪気で、楽しそうに写真を撮っている結衣ちゃんが眩しかった。
… …
結衣「ふー、いっぱい撮れました~」
豊「おつかれさま」
俺は冷たいドリンクを結衣に渡した。
結衣「ありがとうございます。」
… … …
時間にして数分だろうか、二人の間に沈黙の時間が流れた。
沈黙自体は好きではないけど、二人の間の沈黙は悪い気はしなかった。
この沈黙を破ったのは結衣ちゃんだった。
結衣「あの後、お父さんが豊さんのこと話してましたよ」
豊「俺の事を?」
一体なんだろう…
結衣「『あの男が結衣に酷いことをしたら私に言いなさい』だって」
豊「あ、ははは…」
言いなさいって、なんか怖いこと言うな…
再び沈黙が…
心地よい風が吹く、話が続かないな…俺からも何か話題をっと
結衣「豊さん!」
豊「はい!」
つられてオーバーな返事をしてしまった。
結衣「あの夜のこと…豊さんの部屋に泊めて頂いて…本当に助かりました。」
あぁ…あの夜のことか
結衣「私の年齢を偽っていたのは謝ります。ですが…本当に泊まるところがなかったのです。」
豊「あの夜…お父さんと何かあったの?」
結衣「…」
豊「お母さんの…こととか?」
結衣「…少し…かかわってます。」
ん?少し?
結衣「あの夜、お父さんと喧嘩しちゃって…お母さんの命日なのに…」
あぁ…なるほど、でも少しってのが気になる
結衣「勢いで家を飛び出して、行くところがなかった時、豊さんに出会えて、
そして、豊さんの部屋に泊めて頂いて、豊さんと機械の話やロボットの話をしていたら…とてもすっきりしました。」
結衣「なので、感謝の言葉をいってないなーって思いまして」
俺は結衣ちゃんの話を聞いて色々と思うところはあるものの…考えるのを保留にした。
豊「俺も結衣ちゃんに出会えてよかったと思う。こちらこそ「ありがとう」って言わせて頂きたい。」
結衣「////」
結衣「ずるいです。」
豊「え?」
結衣「私にも言わせてください。ありがとうございました。豊さんとの出会いに」
お互い苦笑するもどこか心が晴れた気がした。
結衣「休憩も終わったのでもう少し撮りましょう」
豊「結衣ちゃん元気だねー」
結衣「はい、建物もロボットも大好きなので!」
元気いっぱいに建物を撮りにいった。
結衣ちゃんのお母さんの命日、明確にしてないけど多分
結衣ちゃんの誕生日とお母さんの命日が同じなんだ。酷い話だ
… でも
それでも、笑顔でいられる結衣ちゃんは強い子だと思う。でも…
でも強がってる感じもしてしまい、危うい子だ。
結衣「豊さん~!奥のほうにも建物ありましたー撮りに行きましょう~」
俺は無言で手をあげ、立ち上がり歩き出した。
俺の書いた物語…シナリオを読んで面白いと、続きが気になると、読んでくれた。
絶対に絵として動画として完成させたいと心に誓った。
俺は不意に立ち止まり、笑顔で俺に微笑みかけてくれる結衣ちゃんの姿を
俺は自然に結衣ちゃんを動画として映していた。
手持ちのスマホしかないけど、資料の為に洋館に来たのに…
俺は結衣ちゃんから目を離すことができなかった。
結衣「豊さん何を撮ってるんですか?私なんて撮ってもいいことないですよ。」
苦笑いしている結衣ちゃんもまた絵になった。
結衣ちゃんに会って一カ月も経ってないけど、この出会いは大切にしたいと感じた。
… … …
あとで聞いた話だけど、結衣ちゃんのお父さんの職業が弁護士って聞かされた時は
胃に穴が空きそうな痛みに苦しめられた。
展開に悩んでいたらかなり時間がたってしまいました。
次回は結衣の友達視点からです。




