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第54話 決戦、エンシェントゴーレム


 ――間に合った。


 クリス副長に攻撃を仕掛けた巨人を目にした俺は《閃光》の称号付与により瞬時に移動。

 間一髪、間へと割って入ることができた。


 《豪傑》の称号付与により増強していたこともあり、俺は巨人の重撃を受け止めそれを弾いて後退させる。


「クリスさん、助けに来ました」

「アリウス……。まったく、君という奴は……」


 俺が振り返ると、クリス副長は目を細めて笑っていた。


「立てますか?」

「ああ、すまない。……っと」


 先程の戦闘でダメージを負っていたのか、クリス副長がよろめき俺の体にもたれかかる。

 俺は思わずそれを抱きとめる格好になってしまった。


「さすがアリウス様、余裕がありますねぇ」

「なるほど、戦闘中にも余裕を持つことが大切と。勉強になります、師匠」

「お前ら、それ皮肉で言ってるわけじゃないよな?」


 俺は後から駆けつけてきたリアとルルカのどこかズレた反応に溜息をつく。


 気を取り直し、俺は距離を取った黒水晶の巨人に向けて剣を構えた。


「エンシェントゴーレム、か……。色々と考えたいこともあるけど今は後回し、ですね」

「ああ。今はこの巨体をどうにかしないとな」


 クリス副長も予備の剣を取り出し俺の隣に立つ。


 後ろには負傷したかつてのギルドメンバーも見えた。

 クリス副長の言う通り、とにかく今は目の前のゴーレムを鎮圧することを考えよう。


「気をつけろアリウス。ヤツの装甲はかなり堅い」

「みたいですね。さっき剣で弾いた時もほとんど傷ついていない感じでしたし」


 とはいえ、黒水晶で体を覆った巨人に魔法が効くとも考えにくい。

 ここは剣で何とかするしかない、か。


 俺は負傷している者たちの防護をリアとルルカ、ポールに任せ、体勢を整えているエンシェントゴーレムを見据えた。


 ――ギギギギギギギ!


 不快な音を鳴らしながらこちらへと近づくゴーレム。

 俺はその突進を躱し、《豪傑》の称号付与によりパワーアップした剣撃を胴へと打ち入れる。


「ハァッ――!」


 ――ガガッ!?


 剣が脇腹を捉え、黒水晶の巨体を大きく吹き飛ばす。

 勢いそのままにゴーレムは壁面へとめり込んでいった。


「どうだ……?」


 ――ギギギギギギ。


 しかしエンシェントゴーレムは外殻の黒水晶をわずかに散らしたばかりで、すぐに埋まった壁面から這い出てきた。


「くそ……。そこまでダメージは無い、か」


 ――ガガガガガガ!


 エンシェントゴーレムが何やら両腕を広げると、どこからともなくモンスターの群れが出現する。

 黒兎やブラッドウルフ、ダークトロールなど、ここに来るまでも見かけたモンスターたちだ。

 やはりこのゴーレムが洞窟内にいるモンスターたちの主ってところか。


「くそ、どうすれば……」

「……アリウス。ヤツのコアを叩くんだ」

「コア?」

「ああ。エンシェントゴーレムはその体内に核と呼ばれるコアを持っていると聞いたことがある。そこを破壊できれば活動を停止させられるはずだ」

「なるほど……」


 であれば、ヤツの堅固な装甲を貫けるだけの攻撃を食らわせなくては……。

 俺はふと、新規に会得していた称号を思い起こし、その文字列を表示させる。


=====================================

【選択可能な称号付与一覧】


画竜点睛(がりょうてんせい) 【※新規】

・刺突剣技《ライトニングバッシュ》の使用が可能になります。


●閃光

・一時的に素早さのステータスがアップします。


●疾風迅雷

・《連続剣技》の使用が可能になります。


●豪傑

・筋力のステータスがアップします。


●紅蓮

・初級火属性魔法の使用が可能になります。

・中級火属性魔法の使用が可能になります。

・上級火属性魔法の使用が可能になります。

=====================================


「……」


 ――刺突剣技、《ライトニングバッシュ》。


 確か瞬速の一点集中攻撃で、剣士系のジョブの中でも最上位の剣聖のみが使える剣技だったはず。

 上級剣技の中でも特に高い破壊力を持つと聞いたことがある。


 俺は決断し、その剣技に賭けることにした。


「同時称号付与、《豪傑》、《画竜点睛(がりょうてんせい)》――!」


 準備を整え、俺はエンシェントゴーレムに狙いを定める。


「来いっ!」


 俺は腰を深く落とし、向かってくるエンシェントゴーレムに対して迎撃体制を取った。


 エンシェントゴーレムの中心部を見据えるも、他のモンスターも同時に襲いかかってきている。

 多少のダメージは覚悟しなければならないかと考えたが、それは後方から放たれたリアとルルカの魔法によって杞憂(きゆう)に終わった。

 

「アリウス様の――」「師匠の――」

「「邪魔はさせません!」」


 二人が放った魔法は周囲にいたモンスターを飲み込み、敵はエンシェントゴーレム一体に絞られる。


 ――よくやってくれた、二人とも……!


 俺は二人が作ってくれたチャンスを活かそうと、剣を握る手に一層の力を込める。


「いくぞっ! 刺突剣技、《ライトニングバッシュ》――!」


 俺は間合いに入った黒水晶の巨体目掛けて瞬速の突きを繰り出す。


 しかし、エンシェントゴーレムは自身の核への攻撃だと悟ったのか、両腕を交差させて防御態勢を取っていた。


 ――これでは厳しいか……!?


 そう思われたが、


「バーストストライク!」


 ゴーレムの真下に潜り込んだクリス副長が、その交差した腕を下から重撃で跳ね上げる。


「クリスさん!」

「今だアリウスっ! 貫けっ!」

「っ! オォオオオオオ!!」


 俺はガラ空きになったエンシェントゴーレムの中心目掛け、全力で剣を突き入れた。


 ――ゴガガガガガガガッ!


 黒水晶の外殻を砕きながら剣はエンシェントゴーレムの内部へと吸い込まれていく。


 そして――、


 ――ズゥウウウウウン!


 何かを砕く手応えの後、エンシェントゴーレムが地響きを立てながら倒れ込む。

 そして、赤く灯っていた瞳が消滅し、ピクリとも動かなくなった。


「「やったぁ!」」


 後ろからリアとルルカの歓声が上がる。


「アリウス」

「クリスさん」


 俺はクリス副長が差し出した手を叩き、それで勝利を実感した。


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