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第39話 賢者一族の戦い


「おおっと、アリウスさん。これは面白そうなことやってますな」


 背後から肩を組まれ、振り返るとグロアーナ通信の記者、パーズがいた。


「あー、誰かと思えば記者のオジサンじゃないですか」

「とっと、オジサンは酷いなぁ。これでもまだオレは20代で――」

「パーズさんはこんなところで何してるんです?」

「はぁ、興味なしですか。まあいいですが。……記者たるもの面白そうなことやってたら首突っ込むのが性分なもんでね。まぁ、オタクらを探してたってのもありますが」

「俺たちを探してた? もしかしてあの黒いローブの男について何か分かったんですか?」

「くっくっく、それはどうでしょ――、ぐぁっ!」


 突然パーズが悲鳴を上げる。

 リアがパーズの足を踏みつけたのだ。


「もったいぶった言い方してないでちゃんと教えて下さい。こっちはあなたの通信社に貸しがあるんですからね」

「いててて。それはごもっとも。……でもま、今はとりあえずあの戦いに注目しましょ。アリウスさんのとこの魔女っ子お嬢さんが勝ってくれないと進まない話なんでね」

「……?」


 パーズが掴んだ情報とこの模擬戦が何か関係あるのだろうか?

 気にはなったが、俺にとっても今はルルカの戦いの方が重要だ。


「それでは、始め――!」


 キール協会長の合図で、ルルカ、マリベル双方が構えを取る。

 先手を打ったのはマリベルだった。


「ストーンバレット!」


 土属性の中級魔法か。

 土塊を飛ばす魔法でその数は術者の魔力量に比例する。

 さすがに【賢者】のジョブを持つだけあって、マリベルの放つ土塊は10を超えていた。


「くっ、エアロガード!」


 ルルカが咄嗟に風の障壁を呼び出し、土塊の動きを逸らすことに成功する。

 マリベルが放った土塊はルルカに命中すること無く後ろの大岩に衝突した。


「へぇ。どうやら身を守ることくらいはできるようになったようですわね」

「次は自分の番です!」


 マリベルはルルカの姉だ。

 当然ルルカが使う魔法のことも熟知しているはず。


 しかし――、


「ソニックダートッ――!!」

「なっ……!!」


 マリベルが知っているのは以前のルルカだ。


 ルルカが唱えると同時、上空に風の矢が現れた。

 マリベルが信じられないものを見るように驚嘆の声を上げている。


 それも無理はない。

 マリベルが先程放ったのと同じ中級魔法でありながらも、その数は軽く50を超えていたのだから。


 ルルカの【リトルウィッチ】は魔道士系のジョブの中でも特に多い魔力量を持つ。

 更に毎日風魔法を練習してきたというルルカの魔力量はマリベルのそれとは比較にならない。

 今まではそれを活かすことができなかったのだろうが、俺の《風雅》の称号付与を受け、様々な魔法を使えるようになった今であれば膨大な魔力量を遺憾なく発揮できる。


「くっ、何のこれしき、ですわ!」


 マリベルは上空から飛来する風の矢から身を守るため、土の障壁を召喚し体を覆う。


 しかし、それは悪手だ。

 自分から視界を遮ったのだから。


「上級風魔法、エアリアルドライブ――!」


 ルルカがすかさず上級魔法を唱え、マリベルのいた大地を土の障壁ごと巻き上げた。


「なんですって! ルルカが上級魔法を……!? キャァアアアアアア!」


 マリベルが甲高い悲鳴を上げながら暴風に吸い込まれていく。


 ――ドシャッ。


「あ……、ぐ……」


 地面に落ちてきたマリベルは驚愕の視線をルルカに向けている。


「そこまで! この勝負、ルルカ・ランフォーレさんの勝利です!」

「や、やった……?」


 キール協会長が終了の宣言をして、周囲にいたギャラリーから歓声が沸き起こる。


「やったやった! ルルカさん、凄かったです!」

「ああ、本当によくやったなルルカ!」

「あ、ありがとうございます……」


 駆け寄ってきた俺たちを見てもまだ実感が湧かないのか、ルルカは少し放心状態だった。


「師匠。自分、うまくできたでしょうか……?」

「ああ、上級魔法を使うタイミングも完璧だった。修行の成果が出てたと思うよ」

「あ……」


 ルルカがぎゅっと箒を握りしめる。

 そこでルルカはようやく勝利したことを実感したようだった。


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