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第34話 称号士とルルカの修行


「よし。いつでもいいぞ、ルルカ」

「いきます、師匠……!」


 俺の声を受けてルルカが手にした(ほうき)を構える。

 そして、俺の足元の空気がざわつき始めた。


「エアリアルドライブ――!!」


 ルルカが上級風魔法を唱えると同時、俺は地面を蹴ってその場所から離れる。

 局所的な暴風が起こり、地面の土ごとその場所を巻き上げていったが、俺には当たらない。


「なっ……!」


 上級風魔法を(かわ)されたルルカが驚きの声を上げた。

 俺はその隙を見逃さず、一気に距離を詰める。


「よっ、と」


 ルルカの至近距離まで来ると、俺はルルカの被っている魔女帽子の上から木剣を「トンッ」と軽く当てた。


「ま、参りました……」


 ルルカは手を挙げて降参の意を示している。


「うん。上級魔法を使うのにも慣れてきたみたいだな。前より凄く上達していると思うよ」

「あ、ありがとうございます」

「ただ、威力の強い魔法に頼るだけじゃ駄目だ。上級魔法は確かに当たれば強力だがその分隙も大きい。相手が単純な動きをするモンスターなら良いかもしれないが、次にどんな攻撃をするかや反撃された時の対処法は用意しておいた方がいいだろうな」

「はい! 師匠!」


 ルルカは魔女帽子を被り直すと元気よく返事した。


「それにしてもさっきの師匠、尋常じゃないスピードでしたね」

「ああ。あれは《閃光》という称号の付与効果だな。ついこの前覚えたばかりだけど、素早さのバフ効果があるみたいで結構使い勝手が良さそうだ」

「いや、上級魔法が放たれてから範囲外まで避けるとか、結構どころじゃない気がするのですが……」


 ルルカはやや呆れたように言って俺を見上げてくる。

 《閃光》の称号付与による素早さの上昇効果は一時的なものだが、瞬時に離れたところまで移動できるので戦闘でも役に立つだろう。


「と、今日の訓練はこれくらいにしてギルドに戻ろうか」

「分かりました! 師匠!」

「……なあ、ルルカ。前から気になってたんだけど」

「なんです? 師匠」

「何で俺の呼び方が師匠になってるんだ?」

「自分にとってアリウスさんは師匠というのがしっくりきますから。ご迷惑でしたか?」

「いや、ルルカが呼びたいなら別にいいが」


 俺の言葉を受けてルルカはにっこりと笑った。


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