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第22話 ギルドメンバー《+1》


「リア。本当に……、本当にありがとう」

「いえいえ。元はと言えばこれはアリウス様のおかげなんですから」

「いや、俺はただ称号士のジョブ能力を使っただけだよ」


 俺はごまかすように苦笑した。

 しかし、リアは「いいえ」と呟き首を振る。


「確かにウロボロスを討伐し、称号付与の効果を発揮しなければ解呪はできませんでした。でも、それはあくまで前提あってこその話なんです」

「前提……?」

「アリウス様がずっとルコットさんに使っていたという高級薬草。あれが呪いの進行を遅らせていたのだと思います。激務の末に得たお金を、ただ妹さんのために使い続けるという行為。それがなければ間に合わなかったかもしれません」

「……」


 そうか……。

 今日までのことは、無駄ではなかったのか。


「本当にありがとう、お兄ちゃん、リアさん!」

「ふふっ。私もまだまだルコットさんの料理を食べてみたいですしね」


 ルコットが笑い、リアもそれに応じている。

 それはとても眩しい光景のように思えた。


「本当に良かったな、アリウスよ」

「あ、ありがとうございます、ネロ村長。それに、みんなも……」


 俺は祝福の言葉を送ってくれる村の人たちに向けて頭を下げる。


「この村でおぬしの努力を知らぬ者はおらんよ。ずっと報われる日が来ればいいと思っとった。きっと女神エクーリア様も見ていてくれたに違いない」


 ネロ村長の言葉を聞いて、リアが俺に向けてウインクしてきた。

 確かに、見ていてくれたんだな。


「あの、お兄ちゃん」

「ん? どうした、ルコット」

「私、病気が治ったらずっとやりたいと思っていたことがあるの」


 ルコットが近くまで来て、まっすぐに俺を見つめる。


「今までずっと助けてもらった分、私もお兄ちゃんの力になりたい。だから、私をお兄ちゃんのギルドに入れてくれないかな?」

「ギルドに?」

「うん」


 入れてくれないかと聞いてきたが、これは引き下がるつもりはないな。

 そう感じさせるほど、ルコットの瞳からは意思が感じられた。


「もちろん、お兄ちゃんみたいに戦ったり、リアさんみたいに不思議な力を使ったりはできないけど。でも、私だっていつかお兄ちゃんの役に立ちたいと思って色々と勉強してきたの」


 ルコットの呪いが解呪できたといっても、病み上がりには違いない。

 ならば、近くにいて経過を観察した方が良いだろう。


 それに、ギルドには受付嬢がいるのが一般的だ。

 ギルド活動していく上では戦闘員のみならず経理やその他諸々の雑務を行う人間も必要であり、これを受付嬢が兼任しているギルドも少なくない。


 ルコットは元々かなり頭の良い子だ。 

 当然戦闘などはさせられないが、受付嬢を兼ねてギルドの事務活動などをやってもらっても良いかもしれない。


 俺がちらりと見やると、リアは「もちろん」といった感じで頷いてくれた。


 ――断る理由は無い、な。


 俺が手を差し出すと、ルコットは嬉しそうに笑ってその手を取った。


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