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第17話 称号士に女神は告げる


「お前なぁ――」


 文句の一つでも言おうとして、先を歩いていたリアに声をかける。

 しかし、リアが振り返って言った言葉は予想外のものだった。


「――アリウス様、あれは《呪い》です」

「え……?」


 普段のリアとは雰囲気が違う。そんな表情。

 その蒼い目は至って真剣だ。

 月明かりに照らされるその様は神秘的だとすら思えた。


「呪いって、どういう――」

「ルコットさんの背中にある黒蛇の刻印のことです。あれは単なる病気ではありません」

「ほ、本当に……?」


 今までルコットの刻印は何人もの専門家に()てもらった。

 しかし、高位のヒーラーや神官のジョブを持つ者でもルコットの背中の刻印のことは分からないと言っていたのだ。


 リアは……、目の前にいる女神様は、それが《呪い》なのだと言う。


「アリウス様が知らないのも無理はありません。あれは太古に存在したとされる【呪術士】のみが使う禁呪によるものなのですから」

「……呪術士?」

「はい。人の道を外れた者に発現するとされる、禁忌のジョブです。もっとも、私が女神になる前のことでしたし、今の時代では失われているジョブのはずですが。その呪術士のジョブを持つ者が使う禁呪に、あのような黒蛇の刻印を施す呪いがあるのです」


 リアが告げる言葉に俺は息を呑む。


「そんなものがルコットに? どうして……」

「すいませんが、そこまでは分かりません。ただ一つはっきりしていることは、あの呪いが進行すれば、ルコットさんの命は無いということです」

「――っ!? そんな……!」


 リアの言葉で真相を突きつけられる。


 嫌な予感はしていた。

 年々濃くなっていく黒蛇の刻印。


 明らかに不吉を思わせるそれが何を意味しているか。

 そんなことを考えたことが無いわけではなかった。


 けれど……。


 ――そんな……、そんなことってあるか?


 ルコットはまだ14になる歳だ。


 まだ、これからのはずだ。

 まだこれから、色んなものを見せてやりたい。

 そう、思っていたのに……。


 ――どうにか、ならないのか……?


 俺は藁にもすがる思いでリアを見る。


 リアが浮かべていたのは、柔らかい笑顔だった。


「大丈夫です。アリウス様」


 リアは一度言葉を切り、そして告げる。


「アリウス様の【称号士】の能力を使えば、あの刻印を打ち消すことが可能です」


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