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丹後国衆

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永禄四年(一五六一年)十月 若狭国 後瀬山城


 俺を訪ねてきた一人の国衆と面会している。その者の名は河島左衛門尉一宣。丹後国で海賊衆を率いている国衆の一人である。石高はせいぜい五百ほど。その男と俺は相対している。


「河島越前守と申しまする。以後、良しなにお願い申し上げまする」

「俺が武田孫犬丸だ。遠路はるばるよう参った。もそっと近う寄れ」


 そう言うと河島一宣が困惑しながらも拳をついてじりじりと躙り寄ってきた。俺の傍には孫四郎が控えている。危害を加える気はなさそうだ。


「其の方、何しに参ったのだ?」


 俺は笑顔を浮かべながら河島一宣に尋ねた。もちろん理由は理解している。その上であえて尋ねたのである。河島一宣が口を開く。


「はっ、是非とも我らを麾下に加えていただきたくお願いに参上奉った次第にございます。何卒、是非に」


 そういって深く頭を下げる河島一宣。最近、この手の国衆が増えてきた。それもこれも調略が進んでいる証だろう。黒川衆と十兵衛たちの努力のお陰である。


 河島一宣は高妻山城の城主でもある。それは与謝郡にあり、天橋立の東、建部山城の北西に位置している、海に面した城だ。調略はそこまで伸びたか。悪くない傾向である。


「もちろんである。我らは其方を歓迎するぞ」

「ありがとうございまする」

「詳しい条件は後ほど家来に説明させる。だが、今よりは良くなるはずだ」

「ははっ」


 条件は税を五公五民まで下げること。関を廃止すること。この二つである。しかし、そうすると領主の収入が大きく減少してしまう。それは俺の収入が減ることを意味する。


 しかし、高妻山城は海に面しているため海運で稼ぐことが出来るはずだ。そのためにも何としても田辺……もう舞鶴と呼ぼう。舞鶴を手に入れなければならないのだ。


 入船馬足料も船別銭も減らしている。そして海賊衆だったというのならば、商船の警護の任でも当たらせよう。それで銭を稼がせれば良いのだ。


「一色義道の様子は如何だ?」

「今も酒に女に溺れている様子にございまする。現実から目を背けるが如く」


 尋ねると河島一宣がそう答えた。これでじりじりと建部山城を包囲することが出来る。もちろん、俺が合図を出すまでは一色義道に従順に従っていて構わないと伝えている。


「そうか。しかし、どうして俺に従う気になったのだ?」

「他の国衆が靡き始めたのが一つ。一色義道が信用ならないのが一つにございます」

「別に俺でもなく但馬の山名という選択肢もあっただろう」

「村の者が逃散を始めましてございます。どうやら若狭へ向かったとのこと。百姓をより繋ぎ留められる御屋形様に付くべきかと考えましてございまする」


 ほう。百姓の動向もしかと把握しているか。いや、小さい領主ほど百姓との関係を重要視すると聞く。でなければ一揆を起こされて終わりだ。


 この百姓と国衆の両方を調略していく方法は正しかったようだ。今後もこの方法を取って行くことにしよう。この結果を生かすも殺すも俺次第なのである。


 だが、良い兆候だ。このまま争うことせず平穏に丹後を手中に収めたい。そうするには、頭を潰すしかない。一度は必ず大きな戦を仕掛けねばならぬのだ。


「わかった。もうすぐ一色とは雌雄を決さなければならぬだろう。その時は頼むぞ」

「ははっ」


 河島一宣を下がらせ、思案に耽る。この手法が有効だったのは我らが先の戦いで勝利し、一色が負けたからである。そこで我らが優勢となったから国衆たちが靡いたのだ。


 つまり、強くなければならない。改めて思い知らさせる。うん、強くなろう。心にそう誓ったのであった。

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