力攻め
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「集まったか」
兵の準備を済ませた諸将が再び俺の元に集まってくる。ここから具体的な戦術の話を行軍しつつ、時折地図を見ながら進めていく。
そして俺は鳥取城から歩いて三時間程の場所に目を付けた。
北には湖山池が広がっており、丸山城へと向かう道は両脇が小山となっており隘路になっている。道中に三山口神社があるのでそこで小休止しよう。
「この隘路を抜けると丸山城の南東に出ますな。敵方はそこで待ち受けるつもりでしょう。こちらの兵数が上だとしても、大軍を展開できなければ無用の長物にございますぞ」
その通りである。であれば、隊を二つに分けるか。二つに分けても兵数はこちらが上だ。
そこで俺に策が降って沸いて来た。そうか、その手があったか。何も一気に方をつける必要はないのだ。奴等に肩透かしを食らわせてやる。
「誰ぞある!」
「はっ」
大きな声を出すと、一人の武者が駆け込んできた。俺はその者にこう命じる。
「三山口神社から南に抜けることができるか急ぎ調べて参れ」
「承知仕りましてございます!」
武者が走り去っていく。これで抜ける道があれば俺の策はほぼ成ったとみて間違いないだろう。さて、ではこれからの策を諸将に説明することにしよう。
「良いか。今回は丸山城を落とすことは、しない」
「なんと!」
諸将が口々に驚く。それもそうだろう。俺だって同じことを言われたら驚く自信がある。しかし、今回の戦で丸山城を落とすのは兵の損失が多くなってしまうからだ。
「しかし、このまま手を拱いていては事態は悪化の一途を辿るだろう。そこで、だ。叔父上」
「なんじゃ」
「二千の兵を率いて南の武田又五郎殿の後詰めに向かってくれ。速やかに八上郡を平定して欲しい。恩着せがましくな」
「ほう。儂に任せておけ」
にやりと笑って俺の問いに応える。兵数も多く割いているし、そう間違いは起きないだろう。ただ、念のため副将に内藤のを付ける。
「内藤の、叔父上の補佐を頼む」
「承知仕りました」
武田信景と内藤重政の他、白井光胤、市川定照、一宮賢成、畑田泰清、菊池治郎助、梶又左衛門の六人を付けることにした。一人当たり二百人程率いる計算だ。まあ、割り振りは叔父上と内藤に任せよう。
「遠藤兄弟は三百の兵を率いて三山口神社で待機。他の者は俺と共に丸山城へと向かう。良いな?」
俺の狙いはこうだ。千の兵を率いて丸山城を攻めるふりをする。しかし、隘路で待ち構えていると想定されるので大軍は引き入れない。
なので、兵の大部分は三山口神社から南下させ、八上郡を平定させる。そして俺の方はというと、わざと敗走して隘路を全速力で引き戻し、逃げ帰る。
兵が追ってきたらそこを伏せておいた遠藤兄弟に襲わせる予定なのだ。問題は鉄砲隊の調練がどこまで済んでいるかどうかである。あれからまだ一月しか経っていないのだ。
「遠藤又次郎。どうだ、能うか?」
「正確な狙撃は難しいかと。ただ、弾を込めて放っての繰り返しであれば可能かと」
「それで良い。一人ひとりの正確な射撃なぞ期待しておらん。面で制圧してくれれば良いのだ。わかるか?」
「……成る程。理解いたしました。それであればお任せ下され」
「良し。では、こちらも動くとするぞ。各々方、抜かりなく」
「「「応っ!」」」
これで敵の裏をかくことが出来れば良いのだが果たして。
「ご報告申し上げます! 三山口神社より南に向かうことは可能にございます!」
「そうか! では出陣する!」
まずは全軍で三山口神社まで進軍する。鳥取城には井伊直親を残した。もし、攻め込まれても彼とその家臣であれば寡兵でも落城までの時を稼いでくれるはずである。
山県孫三郎の二の舞にはさせない。今後こそ策に溺れない。
三山口神社で叔父上と別れる。そして遠藤兄弟を山の高所に位置取らせた。高所からの射撃で更に命中率を上げる作戦である。
俺は渡辺守綱に先鋒を任せた。そして俺の馬廻りに山県源内と宇野勘解由の両名を付ける。そして後ろの備えに広野孫三郎を置いて合計七百の兵で出陣したのであった。
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