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まんまる虹の森  作者: NiO
4/10

お人好しのキツネ

 ドングリ池で喉を潤しながら、歌上手のコマドリがお人好しのキツネとお話をしています。


「森のどこにも椅子がない。


 森の中に食べ物がない。


 森の中には他にヒントになるものがない……ですか……」


 空を一っ飛びして手に入れたコマドリの情報を、キツネは改めて繰り返しました。


「いったいどういう~♪、ことだろうね~♪」


「『椅子(・・)のない(・・・)椅子取りゲーム(・・・・・・・)……。


 ……そんな……いや、まさか、そんなわけが……」


 キツネは比較的早く、最悪の可能性(・・・・・・)に気が付きましたが。


 生来のお人好しのせいで、その確信を得られずにいました。


 そうして、神様の言葉を何度か反芻した後。


 目を閉じて、顔を上げて、一言、『クソッ』と声を上げました。


「……なにか~♪ わかったの?~♪」


 コマドリの言葉に、キツネは静かに話しだします。


「……まず最初に……コマドリさん、私と共闘しませんか?」


「もちろん最初から~♪ そのつもりだけど~♪」


 コマドリの言葉に、キツネは少しだけ笑顔を浮かべた後、彼が気付いたことを話し出しました。


 「『椅子(・・)のない(・・・)椅子取りゲーム(・・・・・・・)』。


 これ、別に、なんのことはありません。


 弱肉強食の生存競争(・・・・・・・・・)……殺し合いって(・・・・・・)ことですよ(・・・・・)


「……え? え? え?」


 思わず歌うのも忘れて、素で言葉を返すコマドリ。


「え? え? え?


 そ、そんなワケ、ないでしょ?~♪


 た、たまたま、神様が、椅子を置き忘れたとか~♪


 いや~♪、例えそういう意味だとしても~♪、殺し合いとまでは言ってないんじゃないかな~♪」


「……逆さ森は、豊かな土地です。


 動物は、減る数より増える数の方が多いでしょう」


 コマドリの疑問に対して、キツネが、なぜか唐突に当たり前のことを確認してきました。 


「う、うん、そうだね?~♪」


森の動物が(・・・・・)100()匹に達したから(・・・・・・・)大会を開いた(・・・・・・)


 その大会が(・・・・・)今回で5回目(・・・・・・)


 ……そんなことを、神様は、言ってましたよね?」


「ま、まあ、そんなこと言っていたね~♪」


 キツネは、静かに、呟きました。


増え続ける動物(・・・・・・・)


 100()匹に達したら行われる(・・・・・・・・・・)大会(・・)


 ……今回で(・・・)5回目(・・・)





 ……何か(・・)おかしくないですか(・・・・・・・・・)?」


 キツネの言葉をしばらく反芻した後、コマドリは、言葉を失いました。


 静かになったコマドリに、キツネは、畳みかけるように、言葉を吐き出します。







「理由はわかりませんが……。



 定期的に(・・・・)間引かれてるんですよ(・・・・・・・・・・)



 わたしたち(・・・・・)森の動物たちは(・・・・・・・)




 ……神様の開催する(・・・・・・・)、『ゲーム大会(・・・・・)によって(・・・・)()

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