※『明星のチューリングマシン』企画書(抜粋)
※『明星のチューリングマシン』企画書(抜粋)
●タイトル
明星のチューリングマシン(みょうじょうのちゅーりんぐましん)
●テーマ
知能の定義
メカと少年の心の交流
●あらすじ
少年アシタバは、『海』から現れた脅威『ハデス』に故郷を滅ぼされ、住む家と母を失った。父と共に浮遊大陸オークランドに疎開してからというもの、心のどこかがぽっかりと穴を空けたようになり、唯一の肉親であるはずの父との関係も上手くいかない。家に帰りづらく、最近では学校の帰りに『海』に立ち寄っては、彼方を眺めることが習慣づいてしまった。そしてその日――オークランドにも『ハデス』が侵入してきた日にも、彼は『海』にいた。巨大生物『ハデス』に追われながら、彼が逃げ込んだのは軍の施設、最新鋭『チューリングマシン』の試験場。そこで、少年は純白の機体『ルーメン』と出会い、偶然が重なってそれを起動させてしまうのだった。
最新AIの補助もあり、素人ながらも『ハデス』を退けてしまうアシタバ。そして機体のエラーからか、パイロット登録が取り消せないということで、なし崩し的に軍に入隊させられる。だが、彼は重度の閉所恐怖症で、狭苦しいコクピットの中に入るとパニックを起こしてしまうのだった。
(中略)
●人物・メカニック
【アシタバ】
故郷を失い、心を閉ざした少年
・過去の記憶のせいか、重度の閉所恐怖症
・協調性に欠け、何かと反抗的
・最新鋭チューリングマシン『ルーメン』を起動させてしまい、強制的に軍属となる
・『ルーメン』を起動させてしまったことを除けば、何か特別な才能や能力があるわけではない
「アンタが、母さんを殺したんだ! ……アンタらが、弱いから!」
【オーム】
歴戦のエースパイロット
・アシタバにとっては頼れる兄貴分
・高性能なワンオフの試験機に乗る
・部隊の中ではムードメーカ
・中盤で乗機を撃墜され、MIA(戦闘中行方不明)に認定される
「オレは難しいこと、考えないようにしているからさー」
【テスラ】
本来『ルーメン』に乗るはずだった天才パイロットの少年
・実戦経験はまだ少ないものの、模擬戦でも負けなしの天才
・古武術の達人でもある
・成り行きで『ルーメン』のパイロットになったアシタバを何かとライバル視する
・口数が少なく、表情も硬いため誤解されやすく、貧乏くじを引きやすい
「僕は、貴様を認めない」
【ルーメン】
最新式『チューリングマシン』、及びそれに搭載された人工知能
・生まれたばかりで、口調の割りに、思考にはやや幼い面がある
・便宜上AIということになっているが、実際は『惑星の記憶』に直結した思念体
・性質は『チューリングマシン』というより、むしろ敵対する『ハデス』に近い
・次第に自分の出自に疑問を抱くようになる
『ワタシの機能に、問題はありません』