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創作の協奏曲  作者: 久遠未季
第四章 創作の狂想曲――ツナガラナイ未来
27/78

※『叛涯』企画書(採用バージョン) byエターナル・ミキ

※『叛涯』企画書(採用バージョン) byエターナル・ミキ

●タイトル

Re:birth Life ――叛涯


●テーマ

前世の恋愛は有効なのか グロ 原作者さえも先の展開が読めずに引き込まれる物語


●あらすじ


「へっへっへ。お嬢ちゃん、おとなしくオレたちについてきな」


 ツナシ・リンは道ばたで出会った変質者の股間を蹴り上げ、脱兎のごとく駆けだしていた。顔立ちは悪くないのだが、色男というにはどこか欠けている――変質者はそんな

男だった。色町では、さして珍しくもない輩である。しばらくすれば、怖い『兄さん』たちにつまみ出されるに違いない。そう高をくくっていたものの、むしろその男は手勢を引き連れてリンを追ってくる。それも、よく見れば近衛隊を示す浅黄色の羽織に袖を通している。「なんで、あんなのが近衛隊だって言うんだよ!」と悪態をつくものの、それで事態が改善するわけもない。「この、小娘! ……待ちやがれ!」と、股間を蹴り上げられた屈辱からか、顔を真っ赤にして追ってくる。それにしてもしつこい相手だ。普通、ここまで追って見つからなければ諦めそうなものだが、近衛隊が総出であるどころか、ついには人型巨神『半妖機』まで繰り出してくる始末である。何か、変わったことなどあっただろうか。リンは相手の股間を蹴り上げる以前のことを思い出してみる。

 近衛隊の隊士だと後に判明する『残念なイケメン』は、遊郭で立ち働く少女たちに、しきりに声をかけていた。それも『品物』として並ぶにはまだ若い、リンと同じぐらいの年頃の少女たちに対してである。もちろん、彼女らはまだ『品物』ではない以上、春を売ることは出来ない。また、遊郭内では夜鷹のように自由気ままに売買ができるわけでもない。春を売ったことがバレれば、最悪はこの街を追放されてしまうことだろう。だから誰もそんな彼を相手にせず、男は幾度もからぶってばかりいた。ただ、今になって思えば、彼は本当に女を買う目的でこの街に来ていたのだろうか。男の片手には古びた銅鏡(※八咫鏡である)が握られ、それを眺めては舌打ちを繰り返していた。それが、少女ばかりに声をかける男を見かねて「おい、アンタ。ワタシらはまだ『品物』じゃないんだよ! そういうのが欲しいなら、余所に行きな!」とリンが啖呵を切ったときのことである。男は一時、唖然としたかと思うと――ニヤりと人の悪い笑みを浮かべ、猫なで声で、件の気持ちの悪い台詞を口にしたのだった。

 そう、男は何か条件に当てはまるような少女を探していたのだ。そして、それがリンだったということなのだろう。ただ、彼女もそこまでは理解できたものの、そうまでして近衛隊がリンを欲する理由というのが分からなかった。ただ、やはりよほどの理由があるのだろう。近衛隊の男はついにリンを見つけると、『半妖機』を駆り、彼女のことをとらえる――が、そこに新たな機体が現れ、近衛の『半妖機』の腕を切り飛ばしてリンを解放する。「チッ、その『妖機』……ミツヅリか!」と、苛立ち混じりの声を発する近衛。部下の近衛たちが『妖機』に攻撃を加えるものの、それらを簡単にいなし、全てを行動不能に追い込む。さしもの近衛隊も不利を悟ってか「テメェの実力で勝ったんじゃねぇ。その『妖機』の性能で、勝っただけだ!」と、捨て台詞と共に逃げていく。

 そして『妖機』を振るっていた人物が、リンの手を取る。「大丈夫か」と告げる無愛想な男はミツヅリと呼ばれていただろうか。近衛の男とは違い、嫌な感じはしない。ただ、この男に会ったことがないのにどこか懐かしいという、奇妙な感覚にとらわれる。「キミには、やり残していることがいくらでもある。だから、生きろ」「俺が、キミを守る」「イクシキ、死ぬな!」と、何故だかミツヅリが彼女に言い聞かせている光景がフラッシュバックする。思わぬ記憶の奔流に揺さぶられ、思わずよろめいたリンに「……イクシキ?」と声をかけるミツヅリ。だが、それがリンには気にくわなかった。「イクシキって、、誰だよ。ワタシは、リン。ツナシ・リンだ。アンタ、誰かと勘違いしているんじゃないか?」と啖呵を切ると、差し出された手を打ち払い、そのままその場を駆け去ってしまう。「何だっていうんだよ、これは」と、混乱した頭で、彼女は色町を走った。


「……キミは『帝』の魂を内に秘めている」


 近衛に追われたその日から、リンは茶屋の内働きの仕事ばかりするようになった。親代わりであるニノマエ(※オネエ)からは「そんな部屋にこもってばかりいると、余計気分が腐るわよ」と心配されるものの、リンがこもりきりになっている理由を話していない以上、彼もそれ以上のことは言えないようだった。近衛の男が怖いのではない。あのミツヅリという男と触れ合ったとき、自分の内からあふれ出てきた色々なこと共が恐ろしかったのだ。まるで、自分が自分でなくなってしまうのではないかという、強い感情の奔流。強い川の流れが、弱い流れを打ち消してしまうように、自分という存在が薄まってしまうような恐怖があった。「もう、二度とあの男とは会いたくない」と思ってしまうほどに。

 リンはこの色町に捨てられていた娘だ。武蔵野幕府のお膝元、ウラワの街で迷子や捨て子の類は珍しいものではない。また、遊郭ともなれば誰のものとも知れない子を身ごもった遊女が捨てていくこともある。その意味で、リンは『よくある捨て子』のひとりでしかなかった。似たような境遇の子供は少なくない。そうした子供はリンのように小間使い代わりに立ち働き、それが男子であれば遊郭の『兄さん』となることもあり、それが女子であれば将来は遊女になったりもする。あるいは、ある種の統制が取れたこの遊郭ではありえないことだが、子供でありながら客を取るということさえもある。もちろん、遊郭を出て行く例もあるのだし、遊郭で働くにしても『客』をとらずに一生を過ごす娘もいる。リンの育ての親であるニノマエは仕事には厳しいが人格者でもあるので、しっかりと働き、リンがそうと望めば堅気の世界へ行くことも出来ることだろう。そうして遊郭の外の世界を漠然と夢想し、彼女なりの平和な日々を送っているのだった。そんな彼女だからこそ、彼女の理想を壊そうとする近衛の男やミツヅリが恐ろしかったし、関わり合いになりたくなかったのだ。

 だが、そんなリンの思いも空しく、リンの住まう茶屋にミツヅリはやってくる。「この茶屋にいる娘に用がある」と告げるミツヅリに「うちは女は売らないのよ」と、素っ気なく突き返すニノマエ。そんなふたりのやりとりをリンは立ち聞きするが、そっとミツヅリの方を盗み見ると、再び脳裏に記憶が蘇る。胸の鼓動が激しくなったかと思うと、自分がこの世から消え去ってしまうような恐怖に苛まれる。そして、そう思った時には、手の甲に見慣れない文様が青く浮かび上がっていた。「……やはり間違いない。厭呪『咎渡』だ」と、いつの間にかリンの手を取っていたミツヅリが言う。リンも『厭呪』については、聞いたことがあった。ある程度以上の格式を持つ貴族の血を引く人間にのみ表れるという、人智を越えた力の印のことだ。それが、何故、自分に。疑問に思うリンに、ミツヅリは再び「やはり、お前がイクシキなのか」と言葉をかける。イクシキ――その名前を聞くと頭が痛み、吐き気がした。ミツヅリの手を振り払って再び逃げようとしたものの、今度はミツヅリもリンの手を離さなかった。「離せよ、この……!」「いや、離さない。……もう二度と離さないと、誓ったのだから」と言う彼は、まるで目の前のリンではなく、もっと別の誰かを見る目をして言う。それがあまりに一途で純真だったからこそ、リンもそれ以上強くは言えなかった。「その子をどこに連れて行こうというのよ、アンタは」「いや、別に。どこかへ連れて行こうだとか、そういう気はない。ただ、離さずに……傍にいたいだけだ」と、よくよく話をしてみれば、リンを連れ去ろうとしていた近衛の男とも少し目的が違うらしいことも分かってきた。それでついには「その子に、変なことをしないっていうんなら」と、リンの親代わりであるニノマエも折れる。

 そして、ようやくリンは知ることになる。自らの体に『帝』の魂が宿り、それがミツヅリのかつて愛した女性イクシキと同じだということを。そして、彼女の内に宿った帝の魂を求めて、近衛隊の面々が彼女を拐かそうとしていたのだということを。そう、近衛隊にしてみればリンを宮廷に入れることが目的であるのに対して、ミツヅリの目的はあくまでもかつての思い人であるイクシキの魂を受け継ぐリンの傍にいたいだけなのだ。「制約の多い『帝』としての役目を捨てて、この世界を彼女と共に生きたかった。ただ、それだけだ」と。実際、ミツヅリはリンの傍にいれば、それ以上の何を求めるわけでもなかった。茶屋の仕事をこなすリンの傍にいて、見守るだけ。そうして日常を送っていると、リンもこの男が純真なだけの人間だということに気付き、悪いようには思わなくなっていた。何よりも、親も兄弟もないリンのことを無条件に慕ってくれるミツヅリという存在は、彼女の心の空白を埋めてくれる気さえもするのだった。


「その男はな、『帝』を殺せる唯一の存在なんだぜ」


 しかし、そんな安寧の日々も長くは続かなかった。ついに近衛隊がリンの素性を突き止め、茶屋へと押し入ってきたのだ。近衛二番隊隊長シキサカと名乗ったその男は、先にリンが股間を蹴り飛ばした人物であるが、しかし今度は腕力ではなく権力にものを言わせてやってきた。「こんな茶屋を潰すなんて、造作もねぇ」「『半妖機』を使って力技に出るだけが能じゃない」と。

 ミツヅリが顔を出して牽制するものの「べ、別に、テメェなんて怖くないんだからな! ほ、本当だぜ!」と嘯く。実際、力技でリンを連れ出そうとしているわけでない以上、ミツヅリも『妖機』を鞘から抜けなかった。「仮にテメェが『妖機』で正面切って戦おうとしても、そのときは近衛頭のキンカクジが黙っちゃいねぇぜ。忘れていないよな。テメェを打ち負かして、先の帝……イクシキを斬ったのはキンカクジの旦那だぜ」と。そしてリンに対しては「お嬢ちゃんにとっても、悪い話じゃなぇハズだぜ。こんな色町で働かなくても、三食おやつ付き、裕福で恵まれた生活が約束されているんだ。そりゃあ、帝も祭事や式とかの肩の凝るような面倒くさい仕事も多少はあるが、それはやりたければやればよいだけの話で、ぐうたらと過ごしたって構わねぇ。そもそも、帝なんていうのはお飾りのようなものだからな。何なら国中から色男を集めて囲うことだって出来る。実際、そういう帝も歴史上、少なくないんだからな。お嬢ちゃんが望むなら、お嬢ちゃんをここまで育ててくれたっていうこの茶屋の旦那にも、良い思いをさせてやれるぜ」と。そしてミツヅリも、それらの話を横で聞いて苦々しい顔をしながらも、特に反論らしい反論も言えないでいるようだった。「だが、イクシキはそうして息の詰まる生活を強いられていた」と言うものの「それは、あのイクシキっていうのが極端だっただけだよ。歴代の帝について調べてみれば、そのぐらいは分かる。悠々自適の生活を送っていた帝だって多いし、場合によってはあのイクシキよりももっと鬱屈とした生活を送っていたらしい帝もいる」と返されれば、それ以上の言葉が返せない。そして去り際、シキサカはさらに言う。「その男はな、『帝』を殺せる唯一の存在なんだぜ。不変不滅の『帝』の魂だが、この男にかけられた厭呪『綴』だけが、お嬢ちゃんを唯一殺せる手段だ」と。「お嬢ちゃんは、オレらがお嬢ちゃんを害する存在で、このミツヅリがお嬢ちゃんを守る存在だと思い込んでいるみたいだけどな。実際は、逆なんだぜ。オレらは『帝』を立てて、共存する道を選んでいる。だが、この男は最終的に『帝』のことを消そうとしているんだ」と。

 リンは悩む。シキサカが言っていることも、もっともなのだ。彼らの要求を受け入れることが、リンにとっては得なのだろう。ただ、ミツヅリの言葉も間違っていない。ミツヅリは彼らが言うような乱暴な人物でないということは、今ではリンも分かっていたのだ。育ての親であるニノマエは「アンタの思うようにすると良いわよ。後悔のないようにしなさい」と、リンの意思を尊重してくれる。だが、そこにふたりの行商人の男が現れたことから事態はややこしいことになっていく。「センガ、ガジョウ……」「へっへ、久しぶりだなぁ、ニノマエ。まさか上方での捕り物があったあと、こんな将軍の膝元に潜り込んでいたとはなぁ」と。それはニノマエがかつて京の都で反幕府組織に所属していた頃の知り合いだった。そして、どこから仕入れてきた情報なのかリンが『帝』の魂を宿していることを指摘すると「この娘を立てれば、ワシも再起できる」と、興奮混じりに言う。「いまさら、そんなものを再起して何になるって言うのよ。今、『叛涯衆』には力も何もないじゃないの」と、その提案を一笑に付すニノマエだったが「旗印としての意味があるだけじゃない。そのことを、ワシはあれから知ったのだよ。『帝』は人智を越えた知恵と力を持っている。『妖機』や『半妖機』の製法だって、元は『帝』が授けたものだって言うぜ。その力と知識があれば、幕府を転覆させることだって出来る。……いや、むしろ武蔵野幕府を初めとする歴史上の為政者たちは今まで、その『帝』の力を根拠として発展していったと言っても過言じゃない。なら、それをワシらが抑えれば、必ず勝てる!」と、センガも譲らない。「さあ、お嬢ちゃん。ワシらに協力せい! そうすれば、何もかも上手くいく! 幕府の小間使いなんかについていったって、ろくなことにはならんわい!」と、リンの腕を引っ張り、半ば狂気に満ちた様子で喚き散らすセンガ。無論、それをミツヅリが黙って見ているはずもなかったが、センガの連れである刀匠ガジョウが繰り出した『妖機』に阻まれる。「……『厭呪』持ちか。運が悪かったな」とガジョウが繰り出したのは『厭呪』に干渉して相手の動きを封じる呪具だった。元は『帝』をとらえるために作り出したものだというが、厭呪『綴』を持つミツヅリも身動きを封じられてしまう。

 そうしてリンは、思いもよらない第三勢力にとらわれ、連れ去られてしまうのだった。


「ワシが『帝』の歴史について、教えてやろう」


 センガに連れて行かれた隠れ家で、リンは『帝』についての真実を知らされる。曰く、『帝』は荒ぶる神そのものであり、ともすればこの世界を消し去ってしまうほどの邪悪な存在だということ。朝廷はそんな『帝』の魂が完全に覚醒する前に、その器である人間を寿命が来る前に殺してしまうということ。先に聞いた『妖機』や『半妖機』、その他色々な技術や知識が『帝』によってもたらされたものだということ。武蔵野幕府を初めとした幕府体制は、そうして『帝』を便利な道具として使ってきたということ。そしてセンガたち『叛涯衆』は、千年の昔にそうであったように、『帝』に実権を返すことを目的としているということ。「そんなの、ワタシは望んでいない!」とリンは主張するものの、「だが、ワシらも幕府の連中が実権を握っているこの世の中を望んでいない! 『帝』から授けられたいくつもの知恵や力を占有し、己の地位に固執するような権利など、幕府にはないのだ!」とセンガは返す。「ワシらも、初めはあくまでも穏やかな運動だった。だが、それに対して幕府が……近衛隊がしてきたことは何か! 京の街にあったワシらの集会場は近衛隊の襲撃を受け、女や子供もろとも焼かれた!」「だから、今度は……アンタらが幕府にやり返すっていうのか」「ああ、そうだとも。そのためには、是非にも『帝』の力がいる」と。

 反幕府組織の数少ない生き残りであるセンガとガジョウは、京の都での虐殺があった後、諸国を巡って多くの情報と技術を得ていた。その中にはミツヅリの動きを封じた呪具の他、『帝』の魂が覚醒するのを促すような祭器さえもあった。「まだ『帝』として覚醒していないから、ワシらの言うことが分からんのだ」と、リンの内に眠る『帝』の魂を強引に覚醒させようとするセンガ。必死に抗うリンだったが、ふたりの鍛え抜かれた男の前に十四歳の少女はあまりに無力である。儀式の準備が整えられ、ついにはそれが行使される。体の内から強烈な力があふれ出し、かつて感じたような、自分が自分でなくなってしまうような感覚に襲われるリン。薄れ逝く意識の中で、駆けつけたミツヅリとニノマエが必死に声をかけてくるのを聞いた気がした。

 夢の中で、リンはミツヅリと出会っていた。だが、そこでのリンはリンではない。豪奢な衣装に身を包む帝――イクシキという少女だった。ミツヅリは暗殺するはずだったイクシキを殺せず、手を取って宮中から逃げ出す。ふたりだけの逃避行はさほど長い期間ではなかったものの、そこには妙な安心感と信頼関係、そしてまだ小さくとも紛れもない恋心があった。そして、それらイクシキの思いや行動が、リン自身のそれと少しずつ重なっていく。そこで彼女は理解した。魂が覚醒するというのは、押しつぶされて消え去ってしまうという意味ではない。共通項を見つけ出して、少しずつ重なっていくということなのだと。そのことを理解したとき、ようやく彼女の目の前の景色が晴れる。

 目の前には、ミツヅリの顔があった。かつて、好きだった人。そして、今、好きになってきた人。「大丈夫か、リン」「……やっと、呼んでくれたな。ワタシの名前」「……そうだったか?」「ああ、オマエはずっとずっと、ワタシのことをちゃんと呼んでくれなかったぞ。イクシキ、イクシキ……って、そればっかりでさ。ワタシはイクシキじゃないって、言っているのにさ」「そうか。それは悪かった」「でも、何となく、イクシキっていう人のことは分かった気がする。何か、変な感じだけど……ワタシは、間違いなくイクシキだったんだってさ」「そうか」「だから、さ。……何となく、アンタのことも分かった気がするよ、ミツヅリ」「……初めてだな」「何が?」「キミが、俺の名を呼んだのは」「そうだったか? なら、これからはいくらでも呼んでやるよ……ミツヅリ」と。


●用語

 没プロットとほぼ同様なので、割愛

 ちなみに皇紀2676年=西暦2016年の話という想定


●メインキャラクタ

【ツナシ・リン】

 帝の生まれ変わりだという町娘

 ・色町に捨てられていたという出自にもかかわらず、明朗闊達、前向きで明るい少女

 ・色町に不満があるわけではないが将来は色町を出て、普通の生活をすることが夢

 ・近衛隊に追われているところをミツヅリに助けられるが『イクシキ』と呼ばれることに強い不快感を持っている

 ・厭呪『咎渡』の青い文様が体に浮き出したことにより、『帝』の魂を保有していることが判明する

「ワタシは、ツナシ・リンだ。イクシキなんて名前じゃない」


【ミツヅリ・ヒオン】

 元は近衛隊長だったという不死身の男

 ・口数が少なく、無愛想なために誤解されやすい(『仮面ライダーZO』の主人公のような)

 ・感情表現が下手なため、笑顔が気持ち悪い

 ・現在はイクシキを守り、共に生きることだけを生きる意味にしている

 ・厭呪『綴』の持ち主で、傷ついても周囲の生命力(草木や虫の魂)を喰らって体を再生できる

「お前は、俺が守る。……そう決めた」


【ニノマエ・ツイ】

 茶屋を営む、リンの育ての親であるオネエ

 ・かつては反幕府組織『叛涯衆』の一員だったが、今はあくまでも茶屋経営に専念

 ・もっとも、以前は上方(京の都近く)で仕事をしていたが、近衛に追われて武蔵野ウラワの街で開業している

 ・現実的な人間ではあるが、案外と情にもろく、面倒見が良い

 ・反幕府組織に所属していた頃の名残でいくつか『半妖機』を秘匿しており、彼自身も高い戦闘技能を持っている

「アンタがリンを助けに行くというのなら、アタシもついていくわよ」


【シキサカ】 

 実力はあるもののどこか間が抜けていて憎めない、近衛二番隊の隊長

 ・リンを付け狙うその姿は、さながらストーカーか誘拐犯

 ・なお、物語上はただの噛ませ犬であり、いわゆるボスキャラではない

「へっへっへ、お嬢ちゃん、おとなしくオレたちについてきな」


【センガ】

 反幕府組織『叛涯衆』の一員にして全国を渡り歩く行商人

 ・へらへらとした調子の良い男

 ・多分、詐欺師

「兄ちゃん、良い壺があるんだけどよぉ。ワシんところから買っていかないか?」


【ガジョウ】

 センガと共に旅をする刀鍛冶

 ・センガに対しての冷静なツッコミ役

 ・自らが鍛え上げた複数の『半妖機』を所持している

「私は、この男とは腐れ縁でな」


●モブキャラクタ(設定するだけはしておく)

【茶屋の料理人】

 ニノマエ屋に通う料理人

 ・ひょろ長く眠たげな顔の男

 ・見かけは頼りない優男で基本的にそのように振る舞っているが、実際は相当強かな性格をしている

「(ここに台詞を書く)」


【飯盛り女ABC】

 ニノマエ屋に務める三人娘

 ・それぞれ年齢は二十歳前後とリンよりも年上

 ・良い子(の顔をした性悪)と、悪い子(ぶっているが純真な子)と、普通の子(主体性がないイエスマン)

「気をつけないとダメよ、リン」「でも、あの近衛隊士、ちょっといい男じゃない?」「うん、そーだね!」


【町のかみさんたち】

 リンと顔なじみの婦人

 ・(ここに設定を書く)

「(ここに台詞を書く)」


●場面想定(※本来ゲームのプロットなので)

【茶屋】

 ニノマエの経営する茶屋『ニノマエ屋』の背景


【町】

 ニノマエ屋のあるウラワの色町や、その隣町


【屋敷】

 帝のいる館……ではなく、近衛隊の詰め所など


【水辺】

 ウラワ近辺にあるイベント用のマップ



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