圧倒的破壊
9話です。
山梨県に着いた隼人たちは近くのコンビニに来ていた。
「うわー。もうほとんど食料ねーな。」
「最悪ー」
「甘いもの食べたい... 」
「あれ?隼人は?」
「あっち。」
俺は丸一日何も飲んでいなかったから喉が乾いていた。俺は大学生で酒も飲めるが先の事を考え炭酸をがぶ飲みしていた。
「残ってる飲料ももらっとこーぜ!」
「俺たちも飲むか。」
喉が潤い、残っていた食パンを食べて外に出るとパーマのニコニコしている綺麗な女の人ががいた。
「まだ何か残ってたー?」
女が聞いてくる。
「いや、これで全部だ。悪いが少ないから分けてやれない。他を当たってくれ。」
大地はパンを入れたレジ袋を見せた。その言葉に女は豹変した。
「いいからよこせクソヤロウ共がぁ!」
ショートヘアーだった女の髪は一気に伸び、がたいが良くなった。まるで肉食獣だ。女は五十メートルはあった距離を一瞬で詰めてきた。千尋と里美はそのまま掴まれコンビニに叩き込まれた。
「!?」
「剣を抜け!隼人!殺るぞ!」
俺は剣を抜き後ろにいる女を振り向きながら横凪ぎした。女はそれをこちらも見ずにかわし、腹を殴り付けてきた。俺はそのままぶっ飛び離れた木に叩きつけられた。
「かはっ!」
体周りの空気を凍らせていたことで衝撃はそこまでないが気を失いそうだ。
「クソ!使うか!出し惜しみして死ぬ訳にはいかねーんだ!」
大地は昨日の雷よりも遥かに高電圧のものを体に纏った。女は少しビビったが助走をつけて殴りかかってきた。
「麒麟召喚」
ドーン!!!
轟音と共に馬のシルエットの雷が大地の後ろに現れ、女を叩き潰した。一瞬で麒麟は消え、女を排除した。俺は大地のその圧倒的破壊の力に恐れを抱き、疲れと剣の冷気で眠りに落ちた。
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