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精霊剣の一閃  作者: ウィク
第一章 聖女(リン・イチノセ)
9/52

8話 教会でお泊り

すみません、遅くなりました。


誤字や表現のおかしな部分等ありましたら、教えてください。

「ん……」


 少し苦しげな声と共に、ゆっくりと瞼を開ける。

 意識が重い、いっそのこと二度寝したい。

 何か体がだるいし……。


「リンちゃん!」

「大丈夫か!?」


 ママとパパの声が聞こえる。

 次第に意識がはっきりしてくると、心配そうな顔をした両親がボクの顔を覗き込んでいた。


「パパ…ママ……?」


 声を出すと二人とも泣きそうになりながらも、安心した顔を見せた。

 何か部屋の風景に見覚えがないけど、家じゃない?

 何処にいるのか確認する為、体を起こそうとする。


「んっ……あれ?」


 体が重くて力が入らない。


「リンちゃん無理しちゃダメよ〜」

「熱があるんだ、しばらく寝ていなさい」

「熱……?」


 起き上がろうとしたボクを止め、額に手を当てるママ。

 あ、冷たく気持ちいいー。


「覚えていないのか……?魔法を使った後、倒れたんだぞ?」

「あ……」


 そう言えば、魔法の練習中に倒れたんだった。

 教会で水魔法使った時は何ともなかったのに……。さすがに聖魔法を使った後は疲れたけど。


 コンコンッ


 突然ノックの音が聞こえる。


「失礼します。おや?目を覚まされたんですね、よかった」


 そう言いながら、入って来たのはエドさんだった。

 ボクは慌てて起き上がろうとした……が、当然うまく動けずにモゾモゾしただけだった。

 その様子を見たエドさんは軽く手を振って、動かなくていいと伝えてくれる。

 ボクは起き上がるのを諦め、そのまま寝ている事にした。


「ボクは……どれくらい寝てたの?」

「半日くらいよ〜?今は夜の10時くらい」

「ここは……?」

「教会の一室だ。治療院では大騒ぎになる可能性があるからな、こっちに案内してもらったんだ」


 なるほど……自分で言うのもなんだけど、聖女が倒れたとなれば動揺する人もいるよね。

 ……パパとママにも心配かけちゃったな。


「パパ…ママ……。ごめんなさい」

「もう、心配したよ〜?でも、思ったより早く目を覚ましてくれて安心したよ〜」

「エドさんもごめんなさい。わざわざ来てくれたんですか?」

「護衛を依頼していた方から報告がありましたので、急いで戻ってきました」

「う〜…ごめんなさい」

「とりあえず、少し診察させてください」

「え?エドさんがですか?」

「はい、私も聖属性の魔力を持っていますから、治療もできますよ?」


 へぇ~……。

 それは凄いけど、エドさんに診察されるのちょっと怖い。


「それでは、失礼します」


 エドさんは小さな水晶の付いた十字架を右手で持ち、胸の前で祈るようなポーズを取る。

 それから、ボクの額に軽く手を当てて目を瞑る……と次の瞬間、一瞬驚いた表情をする。

 しかし、ボクと目が合うとにっこりと微笑み、もう一度目を閉じる。


「ふむ……。魔力がある程度減っていますが、こちらは問題なさそうですね。どちらかと言うと、体力の方が減少しています。これなら、今日一日ゆっくり休めば治るでしょう」

「本当ですか!?よかった~」

「そっか……だが熱も出ている。何かの病気とかじゃないよな?」

「ええ、魔法の使いすぎが原因ですね」


 ……ん?

 さっき魔力が減ってるけど問題ないって言ってたよね?

 ちらりと両親を見るが、パパもママも首をかしげている。


「魔力は問題ありません。ただ、体はまだ二歳ですよ?魔法に耐えられるほどの体力はまだありません」

「ああ……そう言う事か」

「でも~、リンちゃんは教会ですっごい魔法を使っていましたよ~?」

「教会の水晶は特別なのです。初心者でも魔法を出せるように補助機能がありますし、魔力ブーストもあります」

「なるほど、だから初心者の弱い魔力でも魔法を発現できるのか」

「ええ。ですから、教会の水晶と同じように魔法を使おうとするのは危険なのです。ただ、普通なら発現すらしないはずなので問題ないですが……」

「……」


 やっぱり教会の水晶は特別だったのか。

 同じように魔法を使おうとしたのが失敗だった……。

 さりげなく一人落ち込んでいると、額に乗せられたままだった手がボクの頭を優しく撫でる。

 何も喋ってないのに、どうしてばれたんだろう?


「まあまあ、誰しも失敗はあるものですからお気になさらず。小さい魔法から徐々に練習していきましょう?」

「……はい」

「今日はもう遅いので、泊まっていってください。実は既に、専用の部屋を一室用意してあります」

「用意がいいな」

「こういう事がおきた時、治療院に行けないだろうと思って用意していました。……こんなに早く使う事になるとは思いませんでしたが」

「助かる」

「それでは、今日はもうお休みください。部屋に案内しましょう」


 それからパパに抱っこしてもらい、用意された部屋へ移動する。

 教会は意外と広かった。

 外から見ても大きな建物だったが、実際に中を歩くとその大きさがよくわかる。

 また、教会関係者が泊まれるように部屋がたくさんあった。

 ボク達はエドさんに案内され、3階へと上がる。

 2階と比べると部屋の数が少ない、って言うか目の前にはドアが一つしかないんだけど。

 何か…何となく嫌な予感がする


「さぁ、こちらの部屋です」


 ――――ガチャッ

 エドさんがドアを開ける。


「え……?」

「なっ……」

「わぁ~……!」


 部屋の中を見た瞬間、家族三人仲良く口を開けて固まる。

 内装が……豪華すぎるから。

 まず何と言っても広い。

 さらに部屋全体は清潔感と温かみを感じる、薄いベージュ色が使われている。

 机やソファなどの家具もちゃんと揃えられ、どれも職人さんが作った一流っぽい高級感を感じる。

 洗面所やお風呂場まであるようだ。

 そして……ベッドがでかい。

 たぶんキングサイズ以上。

 しかも向こう側が透けて見えるほど薄くて白い布がかかっている、天蓋付きのベッドだ。


「これ……」

「……」

「何かお姫様の部屋みたいね~?」


 ママだけは何故か楽しそうに笑っている。

 ……パパは物言わぬオブジェと化しているけど。


「気に入って頂けましたか?」


 エドさんはいつもと変わらない微笑むを浮かべながら聞いてくる。


 いやいやいやコレいくらしたの?

 どっから金持ってきたの?

 教会って実はお金持ち?

 コレだけのお金があるなら、誰かを助けるために使おうよ?


「金額については不明ですが、リンさんに傷を癒してもらった職人さんが内装工事をしてくれました。それとお金は、教会に集まって来た人が聖女様にと寄付されたお金です。あと教会はお金を集める事はあまりしないので、お金持ちって訳ではありません。そう言えばまだ結構お金が残っていますので、炊き出しで少しずつ民へ還元していきましょうか」


 ボクが思っていた事に対して、全て答えてくれた。

 エドさん……実は心の中読めるんじゃ?

 そう思い、じーっとエドさんの目を見てみる。

 急にふいっと顔を逸らされた……何か頬が赤くなってる。

 うん、この人危険だ。色んな意味で。


「と、とりあえず、今日はもうお休みください」

「はい、ありがとうございます」

「それでは」


 そう言うとエドさんは部屋から出て行った。

 ボクたちは部屋の内装をチラチラ見つつ、ベッドへ移動する。

 ……とりあえず、もう寝よう。

 色々疲れたし、熱もまだあるみたいだしね。

 家族三人、仲良く川の字で眠る。

 パパもママも気疲れしたのか、あっと言う間に寝てしまった。

 そう言うボクも、瞼が重くなってきた。

 明日またエドさんに相談でもしてみよう。

 そう思いながら、ボクも眠りに付く。




 ――――――教会のとある一室にて。


「例の物はできましたか?」

「はい、こちらですわ」


 ろうそく一本が照らす暗い部屋の中、男女の小声が聞こえてくる。

 女は机の上へ、頑丈に作られた箱を置く。

 男はそれをゆっくりと開き、思わずため息を漏らす。


「コレは……素晴らしい。明日が楽しみです」

「私も楽しみですわ。ところで、聖女様はこちらに?」

「ええ、今はゆっくりとお休みになられています。熱で苦しそうにしていましたが、それはそれで……」

「あぁ……私もその表情見たかったですわ!」


 男が思い出すように目を瞑り、次第に頬を赤らめていく。

 その様子を聞いていた女も想像するように目を瞑り、同じように興奮状態になっていく。


「これは私が、直接聖女様へ……いいですか?」

「ええ、私は何故か警戒されているので無理でしょう。それにあなたは、コレだけの物を作った功績がありますからね」

「うふふ……。明日がこんなに待ち遠しいなんて初めてですわ」

「それは私も同じ気持ちですよ」

「「ふふふ……」」


 二人の静かな笑い声が、小さく部屋に響き渡った。



いつもお読み頂き、ありがとうございます。


ちょっと短めになりましたが、コレくらいの方が読みやすいでしょうか?

更新の頻度も減らさないよう、頑張ります。

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