表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
精霊剣の一閃  作者: ウィク
第一章 聖女(リン・イチノセ)
8/52

7話 魔法練習その2

今日はいつもより短めです。


誤字や表現のおかしな部分等ありましたら、連絡お願いします!

「ただいま、赤石買って来たぞ」

「パパ、ありがとう!……昨日はごめんね?」

「はっはっはっ!気にするな。俺はこれでも元冒険者だ、これくらいなんでもないぞ?」

「うん!」


 赤石を壊してしまった次の日、パパは早速代わりを買ってきてくれた。

 ボクはお礼を言いながら、昨日の事を謝る。


 昨日、お風呂を沸かす為の赤石に触れた瞬間、何故か石が壊れてしまったのだ。

 何がダメだったのか、今でもよく分からない。


 原因分かるまで、魔道具は触らないようにしよう。

 とりあえず、今は魔法の事。

 問題は一つずつ解決しないとね。


「パパ、お庭に行っていも良い?」

「ん?魔法の練習か?」

「うん、もう一度やってみる!」

「よし、ならパパも一緒に行くぞ」

「ママも一緒に行っていい~?」

「わっ!びっくりした!!」


 突然、後ろから現れたママの声に驚く。

 忍び寄る姿がパパには見えていたはずなのに、教えてくれないなんて……。

 頬を膨らませつつ恨めしそうな目で睨むが、パパは笑いを堪えたまま目を逸らす。

 2歳児が睨んだって怖くないよね~知ってる~……。

 ボクは心の中でため息を吐きつつ、ママへと向き直る。


「もちろんいいよ。でも、また失敗するかもしれないよ?」

「おう、今度はパパとお風呂に入ろうな?」

「失敗したらね?」

「……罰ゲーム扱いされてないか?」


 パパはボクの返答に、少し肩を落とした。

 フォローするのも面倒なので、そのままママの手を引っ張りながら庭へ出る。


「えーっと、それじゃあママとパパは少し離れていてね」

「は~い、気をつけてね?」

「危ないと思ったらすぐやめるんだぞ?」

「うん!」


 二人から離れ、深呼吸をして体の力を抜く。

 もちろん、昨日はあれから何も考えなかった訳じゃない。

 でも結局、失敗した原因が良く分からなかった。

 それなら、成功した事の魔法を使ってみれば分かるかも知れない。


 ――――――イメージ。

 属性は水。

 教会で使った、複数の水玉を発現させた魔法をもう一度。

 ……教会の水晶よりも少しイメージしにくい。

 やはり水晶はイメージの補助機能もあるようだ。

 でも、これくらいなら問題ない。


 ボクは胸の前で手を組み、祈るようなポーズを取る。

 ……ブレスレットへ意識を集中させやすかったのがこれだった。

 自分の周りに、サッカーボールくらいの水玉を3つイメージする。


 ゆっくりと目を開く。

 水晶は水色に輝き出す。

 意識的に(・・・・)魔力を流していく。


 昨日の失敗から考察と仮説。

 教会では水晶がほぼ自動的に魔力を集めてくれた、つまり魔力を流す補助機能があった。

 でも、今使っている水晶はその補助がほぼない。……少しは魔力を集めてくれてるみたいだけど。

 昨日の魔法も、水晶が調節してくれると思っていたから意識的に魔力を流していなかった。

 その為、自動的に集められた少量の魔力でのみ水玉を発現させ、イメージよりも小さい水玉になった。

 だから、今度は自分の意志で量を調節する。

 ……あくまで予想だけど。


 魔力を流すと、自分の周りに浮かぶ水玉が発現する。

 それはすぐに大きくなり…サッカーボールよりもさらに大きくなる……結局1メートルくらいになってしまった。


 まぁ……いいや。


 昨日は魔力を止めた瞬間落ちたので、流したまま様子を見る。

 ……どうやら、少量の魔力を流し続ける事で水玉の形を維持して浮かせられるようだ。

 もしかして……このまま動かす事もできるんじゃないかな?


 今度は水玉をそれぞれ時計回りに動くようイメージする。

 するとイメージ通りにゆっくりと回転を始める。

 次は反対周りをイメージ……周りの水玉も逆回転を始める。

 イメージ通りにできた!

 思わず顔がにやけてくる。


「リン…これは……」

「リンちゃん……成功よね?」


 後ろから二人の声が聞こえる。

 小声で話し掛けてきているのは、昨日の失敗があるからだろう。多分、集中を乱さないように配慮してくれているのかな?

 ボクは二人に向き直り、笑顔を見せる。


「うん!成功だよ!」

「おめでとうリンちゃん!」

「やったな!リン!!」


 二人ともすぐに駆け寄り、ボクを抱っこして喜んでくれる。

 動いたら水玉が落ちそうになったけど、流す魔力を増やす事で保つ事ができた。

 これなら、動きながら魔法を維持する事もできそう。


「しかし……凄いなリン」

「ありがとう!」

「多分それ、ウォーターボールって魔法だと思うぞ。上級者になるほど出せる数が増えていって、5以上出せれば一人前だと聞く。」

「そうなんだ!?」

「リンはもう3つ出しているから、あっという間に一人前になれそうだな!」

「リンちゃん凄いね~!」


 5つ以上で一人前か……出すだけならできそうだけど、制御までとなるとまだ厳しそう。

 まずは少ない数の制御から始めて行った方がいいかな?

 とりあえず魔法は何とかなりそう。

 良かった……ちゃんと使えて。


 ――――――ガクッ


 ほっとした瞬間、体の力が抜ける。


「あれ……?」

「リンちゃん!?」

「リン!!」


 地面に倒れる前にパパが受け止めてくれた。

 ……周りに浮かんでいた水玉は一斉に落ちた。

 中心地に居たから水飛沫が飛んでくる。

 それでも二人は全く気にせず、ボクに向かって呼びかけてくる。


「大丈夫か!?どこか痛い所は!?」

「リンちゃん!リンちゃん!!」


 あ~……。

 多分、魔法が使えないかもしれないって言う不安で緊張したままだったから、安心して気が抜けちゃったんだきっと。

 ボクは二人に向かって微笑み、大丈夫だよって言おうとしたけど体が重くて思うように動けない。

 何だか……凄く眠い…。


「だ、だいじょう…ぶで……。安心……眠……」

「リン!?」

「リンちゃん!」


 薄れていく意識を必死で繋ぎとめる中、高い塀を飛び越えてくる複数の人影と声が……。


「誰だ!?」

「護衛の者です!塀の外に待機していましたが、緊急だと判断しました。すぐに教会へ向かってください」

「ああ、わかった!」

「バーニー、お前はマクスウェル様へ報告だ。カリーナ、俺と一緒に聖女様の護衛をするぞ。他の者は聖女様を中心に、周囲の警戒をしながら移動だ!」

「わかりました。聖女様のご両親も、一緒に来てください」

「リンは俺が運ぶ。マリナは俺のすぐ後ろからついて来てくれ」

「わかった!」


 体を抱き上げられた感じがする。

 あ……もうだめだ…意識が……落ちる…………。


「魔法成功したから、今日も私とお風呂の予定だったのに!」

「……でも結局水浸しになったから、今日は俺でよくないか?」


 ……おい。



読んでくれてありがとうございます。


まだ細かい設定を追加しながら書いているので、結構時間ギリギリ。

なるべく、1~2日で1回更新はしていきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ