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精霊剣の一閃  作者: ウィク
第一章 聖女(リン・イチノセ)
10/52

9話 修道服

遅くなりました。


誤字や表現のおかしな部分等ありましたら、教えてください。

「ん……。」


 何か視線を感じて眼を覚ます。

 すると、ママがじっとボクの顔を見ていた。


「リンちゃんおはよ〜?」

「ママ、おはよう」

「体の調子はどう〜?」

「ん〜…?」


 体の調子を確かめるように、手を動かしたり頭を軽く振ったりしてみる。

 昨日のような体の重さは全くない。頭振っても頭痛なし、ちゃんと回復したみたい。


「うん、もう大丈夫です!」

「良かった〜」

「あの……パパは?」


 部屋の中を見渡すが、パパの姿が見えない。


「パパなら、着替えを取りに一度家に戻るって~。そろそろ帰ってくると思うよ〜?」


 ――――――コンコンッ


 タイミング良く、ノックの音が響く。

 パパが戻ってきたのかな?

 ママはと返事をしながらドアへと向かって行った。

 ノックするって事は、パパじゃない? 誰だろう?


「失礼します」


 そう言って入ってきたのは、濃い青色の髪をした若い女の人でした。

 どちら様? と思っていたら、向こうは深々とお辞儀をしてきた。


「私はリディ、この教会でシスターをしています。聖女様のお世話を任されていますので、今後ともよろしくお願い致します」

「あ……はい。こちらこそ宜しくお願いします」

「朝食前だとは思いますが、入浴されてはいかがでしょうか? 昨日は熱が出ていたと聞いています、すぐに準備致しますのでお入りください」


 確かに、体中汗で気持ちが悪い。

 できるならすぐにでもお風呂に入りたい気分だったから、これはちょうどいいかも。


「はい……ですが着替えがまだ……」

「ご安心ください。聖女様のお着替えなら全て用意してあります」

「え……? そうなんですか?」

「エドワ……こほん、エドさんからこう言う時の為に準備しておくよう言われていましたので」

「そうですか……では入らせていただきます」

「それと申し訳ございません、お母様のお着替えまでは用意していませんでした。ですので、私の方でお手伝いさせて頂きます」

「そうね~。それじゃあお願いしようかな~?」

「えっ……? ちょっ……ママ!?」


 ボクは一応聖女様として話が通っているのに、お風呂に入るとなるとバレてしまう。

 慌ててママにアイコンタクトを飛ばす。


「……? あっ…。」


 忘れてたでしょ!?

 今絶対忘れてた!!

 思わず頬を膨らませて無言の抗議をする。

 ママは引きつった笑顔で視線を逸らすけど、誤魔化されないからね~?

 ボクらが無言の攻防を繰り広げていると、リディさんが割り込んでくる。


「あの、お取り込み中すみません。私は聖女様の性別について聞いていますよ?」

「……え?」

「あら……?」

「そうでなければ、お世話を任されたりしません」

「……そうですか。」

「はい、今後は私がサポートするのでご心配なく」

「それなら……まぁ」

「とりあえず、お風呂に入りましょう」

「……はい」


 ボクの返答を聞くと、リディさんはすぐにお風呂場へと向かう。

 水が出てくる音が聞こえたから、お湯の用意をしてくれているのだろう。

 それから少しして、準備ができたとリディさんが呼びに着てくれたのでお風呂場へと向かう。

 すると、リディさんも一緒に入ってくる。


「え? ちょ、リディさん!?」

「はい? お手伝いしますよ?」

「いや、でも……一人で大丈夫です」

「2歳の子は一人でお風呂に入ってはダメだと思いますよ?」

「うっ……」


 確かに、危ないから普通入れないよね。

 ボクが言葉に詰まっている間に、リディさんはてきぱきと服を脱いでいく。


「わっ…!?ちょっ……!!」


 止めようと声を出すが、何て言っていいのか思いつかない。

 わたわたしている間に服を脱ぎ終えたリディさんがボクの服を脱がしていく。


 ぶっちゃけ丸見えです。

 ええ、そりゃもう。

 思わず敬語になってしまう程、刺激的です。

 何と言いますか、リディさんって細身でスタイルが素晴らしいです。あと…そんなに大きくないけど形がまた……何の大きさかって? 聞くな。

 思わず固まってしまっているボクは、そのままリディさんに抱っこされてお風呂へ連れていかれる。


「はいはい、それではキレイに洗いますね?」

「あーい……」


 ボクは諦めて洗われる事にした。

 別に、目の前の欲望に負けた訳じゃないのです。

 ……多分。



 ――――――――――入浴後


 ……とりあえずさっぱりした。

 色々見ちゃったけど、忘れよう。……いや勿体無い、記憶のフォルダに永久保存しないと。

 何て考えている間に、リディさんはボクの着替えと自分自身の着替えも完了している。


「それでは、お母様にお姿を見せてあげてください」

「はい。……?」


 何を今更見せる必要があるのか分からないけど、とりあえずリディさんと一緒にお風呂場を出る。


「お待たせしました」

「ただいま~」

「おかえっ……リンちゃん!」


 いつも通りの微笑を浮かべて振り向いたママは、次の瞬間とても興奮した様子でボクの側まで走ってくる。


「可愛い! 超可愛い! 何コレ!? 最高なんだけど!」

「え…?ちょっ……ママ!?」


 何故か興奮状態のママに肩をつかまれ、高速でガクガク揺さぶられる。

 何て拷問ですかー!?


「お、おちつ……落ち着いて!!」

「これが! 落ち着いて! 居られますかぁあああ!!」


 ――――ガチャッ……バタンッ

 不意にドアの開閉する音が聞こえ、パパが入ってくる。


「今帰ったぞ~? ……あ?」


 ――――ドサッ


 ……パパはせっかく持ってきた荷物を落とした。

 そして、口を開けたままボクを指差して固まってしまう。


「一体…何……が?」


 パパの指指している先――――つまり自分の姿を見る。

 見た瞬間、ボクも思わず口を開けたまま固まってしまう。

 着ているのは何故か、金色の刺繍が入った白い修道服だった。


「え…? ええええええ!?」

「どうでしょう? よくお似合いだと思いますが……」

「ぐっじょぶ!! リディさんマジぐっじょぶよ!!」

「よかった! 実はコレ作ったの私なんです!!」

「素晴らしいです! 最高ですよこれ!! リンちゃんとっても可愛いわ!!」

「でしょう!? 修道服は黒だったり灰色だったり、いまいちぱっとしない物ばっかりだったので新しくデザインしたんですよ!」

「やばいわこれ! リンちゃんの清らかさと純粋さが際立っている!」

「娘……俺の娘だ……生きててよかった……」


 何言ってんのこの人たち!?

 それとリディさんもママと同じ匂いがするんだけど?

 純粋って……さっきまで邪な事考えててすみませんでした。

 あとパパはもう突っ込むの面倒だから黙っててください。


「これ……何ですか?」

「聖女様専用の修道服です」


 思わず聞くボクに、何故かとてもいい笑顔で親指を向けてくる。

 とりあえず、このやり取りだけで何言っても無駄なのはわかった。

 まぁ、聖女を引き受けた時点で女装はしないといけないのはわかっていたし。


 ――――――コンコンッ


 再び部屋にノックの音が響く。


「失礼します。おや…?コレは……とてもよくお似合いです」


 入ってきたのはエドさんだった。

 いつも通りの微笑みなんだけど、目を見開いてこっちを見ている。

 ……怖い。


「リディさん」

「はい」

「……ぐっじょぶです」


 お前もか。



いつも読んでくれてありがとうございます。


うーん、なかなか思うように進まない。

物語のペースを少し上げたいですね~。

とりあえず、もうちょっとだけさりげなく設定を伝えつつ進めよう。


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