0話 ボクの世界の始まり
初投稿です。
誤字や表現の変な部分がありましたら、ご指摘お願いします。
……暗い。
何も見えない。
体が……思うように動かない。
一体どれだけの時間、こうしているのだろう?
一日?一週間?一ヶ月?
もしかしたら、まだ五分と経っていないのかもしれない。
時間の感覚が掴めない。
今一体どういう状況なのか考える為、自分について思い返してみる。
……何故か、自分の事なのにうまく思い出せない。
自分の名前は……わからない。
性別は男。
兄弟はいたような……どうだったかな?
確か自分の年齢は29……だったはず。
あ、妻と息子が居たんだ。
名前は……やっぱり思い出せない。
大好きだったという想いはあるのに、思い出せない。
……悲しくて苦しい。
思い出したい!
そう強く思うと同時に、恐怖を感じる。
思い出すのが怖い。
……なぜ?
わからない。
想いは残っているのに、記憶は全体的に不鮮明で曖昧。
思い出せる部分と出せない部分がある。
もしかして、ボクは死んでしまったのかな?
つまり、此処は死後の世界?
死後の世界だから期待する方が間違っているとは思うけど、まさかこんな暗い世界だなんて……。
こんな暗い世界に一人で居続けるなんてイヤだ!
ボクは生きたい!!
不安で押しつぶされそうになりながらも、強く願う。
するとその想いに応えるかのように、小さな光が生まれる。
ボクは光を感じた瞬間、躊躇うことなく光に向かって飛び込んだ。
「おぎゃあ!おぎゃあ!!」
大きな泣き声が聞こえる。
この声……ボク?
って言うか、目がよく見えない。
余計に不安が膨れ上がり、さらに大きな声で泣いてしまう。
そんな時、体に何かが触れて大きな声がする。
「生まれた!生まれたよマリナ!」
嬉しそうな男の声がして、体が持ち上がるのを感じる。
しかし運ばれている感じもすぐに終わり、温かくて柔らかい感触に包まれる。
「はぁ……はぁ……。私の子……かわいい!」
すぐ近くから、苦しそうに呼吸をする女の人の声が聞こえる。
嬉しそうな声で……顔はよく見えないが、笑っている気がする。
ボクは大きな安心感と、抱きしめられる心地良さの中……突然湧いた眠気に負け、意識を手放した。
どうやらボクは、今生まれたみたいです。
状況確認や家族説明で終わってしまいました。
適度に投稿できるよう、区切りつけながら続きを書いていこうと思います。